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2015/12/30(水)14:28

病気の回復、食事が支える がんなどに専門管理栄養士 症状・体調に合わせ献立

食・栄養(799)

日本は欧米に比べて病気治療・予防に重要な食・栄養は軽視され続けてきました。 欧米では医師も患者が取るべき栄養について学びますが、日本ではそのような時間はなく、無知だからです。 欧米では医師や看護師ら様々な専門職による「チーム医療」に早くから管理栄養士が加わっていました。日本でも10年に医師や管理栄養士、薬剤師などがチームを組み栄養管理を行い、治療効率を高める「栄養サポートチーム」への診療報酬上の加算が始まったばかりです。 2013年に日本病態栄養学会と日本栄養士会が共同で創設した「がん病態栄養専門管理栄養士」という専門資格ができ、近々、糖尿病と腎臓病の専門資格が創設されるそうです。 日本は平均寿命こそ世界一ですが、国民の約7割は岩盤のような健康管理無関心層(筑波大大学院・久野譜也教授)で、2014年厚生労働白書によると健康管理は「何もしない」派が46%もいるそうで、健康のために出費してもよいと考える金額の平均はわずか月3000円と驚くほど低額です。国民皆保険に甘えて世界一医療に依存して健康管理を怠る日本人の主観的健康度は主要36カ国中36位(2015年OECD調査)と最下位で、驚くほど低率です。 世界23カ国の健康意識調査で、健康的な食生活は23カ国平均は59%が意識しているのに対して、日本は半分以下の29%・最下位で、十分な睡眠をとる:54%(ワースト3)、定期的な運動:39%(最下位)という世界一の健康オンチ国で、野菜も食べていません。 一人暮らし学生は、面倒、高いなどから4割が野菜食べないそうで、主要国で日本だけが減っています。さらに「私は野菜を摂れている」と回答しても8割超は不足という残念な現実も浮き彫りになっています。 日本人は先進国の中で心臓病による死亡率が低く、このことが長寿の一因となっています。これは一汁三菜をベースとし、新鮮な魚や大豆食品などを食べる世界2大健康食・和食による影響が大きく、さらに和食は倹約遺伝子により糖尿病を発症しやすい日本人の健康寿命を改善する作用があるそうです。 和食は昆布やカツオ節などのうまみ素材を活用していることも特徴ですが、昆布の消費量はこの30年で約3分の2に減少し、2014年の年間購入金額は、60代の世帯では1289円、20代の世帯では約5分の1の258円しかなく、日本家庭の基本的な食習慣が崩壊しています。 日本ではあまり調査・研究されていないので具体的メニューとしては、マウス実験しかないようですが、昭和50年代のものがよいそうです。 また、日本人の健康寿命を短縮している疾患は、心疾患、脳卒中、糖尿病、骨粗鬆症、膝関節症、認知症、ガンだそうです。これは塩分の過剰摂取と慢性的なカルシウム不足や抗酸化物質の摂取不足が原因と言われていますので、うまくカバーするために地中海食のよさを加味するとさらによくなりそうです。 和食が世界文化遺産登録されても日本人の和食離れが進み、この遺産は相続拒否されていて食生活はドンドン不健康化しています。 そんなことから脂質摂取が過剰になり、食事がお菓子化しているおかしな国になり、さらに味付けも、食材も甘くなっているので、自業自得の結果としてさらに生活習慣病が増えるのは間違いないです。 アメリカからパン食を餌付けされた食料植民地となっていることに気づいて和食を見直す人が増えることを強く期待したいです。 厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、40~74歳の日本人の内、男性の約6割、女性の約4割が高血圧といわれていますので、塩分は1日6g未満に抑えたいです。 食事中の食塩の75%以上が、レストラン、加工食品やファーストフードなどに由来していると言われています。 新鮮でバランスのよい食品を選び、自分で調理することが、減塩の一番の方法だそうです。新鮮な食品には、ナトリウムの含有量は低く、調理するときに食塩の摂取量が確認できます。しかも、新鮮な野菜や果物にはカリウムが豊富に含まれていて余分な塩分が排出されます。 ・ヒトは食物から造られる以外の何者でもない(医聖・医学の祖 ヒポクラテス) ・汝の食物を医者とも医薬ともせよ。食物で治せない病気は医者にも治せない(医聖・医学の祖 ヒポクラテス) そして、食事の外部化も進み、おふくろの味は袋の味に変わっています。 食・栄養を改善して必須栄養素の種類と量を理想に近づけて抗酸化力を高めると体調は劇的によくなるので、喜ばれています。 ****************************【以下転載】**************************** 同じ病気を抱える患者でも、症状や体調などに応じて栄養の取り方を変える試みが広がってきた。がんを巡り、こうしたきめ細かな栄養指導ができる専門資格が始動。糖尿病と腎臓病でも間もなく同様の資格が創設される。高齢化が進み、生活習慣病の患者も増加する中、服薬の減少や早期退院に向けて「食」の役割が注目されている。 「この患者さんはまた自力で食べられるようになる。点滴をやめ、経腸栄養を始めるべきです」。関西電力病院(大阪市)の管理栄養士、真壁昇さん(38)は約1年前、看護師に強く訴えた。患者は70代の女性で末期の肺がんだった。発熱で脱水症状を起こし、意識が低下して入院した。 「経腸」で早く回復 経腸栄養は口から食事を取ることができない患者の腸や胃にチューブで栄養剤を送り、吸収させる方法。補給できるのが糖分やビタミンなどに限られる通常の点滴に比べ、より多くの栄養を取ることができる。 看護師は「鼻にチューブを入れるのはかわいそう」と反対した。それでも真壁さんは入院前は自力で食事し、入院後も消化器官は正常だったことから「経腸栄養を導入すれば早く回復できる」と判断。家族に説明して開始すると、1週間後には食事を取るまでに回復、退院した。家族や看護師から「ここまで回復するとは」と驚かれたという。 真壁さんは「患者が自分で食べられるようになるのを待つと、先に体が弱ってしまう場合がある」と話す。2013年に日本病態栄養学会(東京・新宿)と日本栄養士会(東京・港)が共同で創設した「がん病態栄養専門管理栄養士」の資格を持っている。 この資格を取るには、学会などに認定されたがん関連の医療機関で通算3年、栄養指導などを行ってきた管理栄養士が、30時間の講義を受けることなどが必要だ。講義では部位ごとのがんの基礎知識のほか、化学療法や放射線治療によって起きる栄養障害への対処法、他の病気を併発した患者に必要な栄養指導などを学ぶ。これまでに約160人が資格を取得した。 同資格を持つ国立がん研究センター中央病院(東京・中央)の青木律子さん(30)は他の管理栄養士への指導も担う。「身につけた知識を基に的確な助言を若手にできるようになった」 例えば抗がん剤治療中の患者が「味覚が変わってしまい、食欲がない」と訴えるケースがある。少量・高カロリーの食事に変更する前に、「口内が乾燥していればうがいで改善するなどして、従来の食事を維持できないか考えてみて」などと助言するという。 糖尿病や腎臓病も 来月には糖尿病と腎臓病の専門管理栄養士の資格も創設される。それぞれ年齢や体重、筋肉量などによって取るべき栄養の調節が難しい病気という。腎臓病なら通常「タンパク質の摂取は控えめ」とされるが、筋肉が減ってしまいがちな高齢者は制限しすぎると寝たきりの原因になる。 糖尿病の専門医で日本病態栄養学会の清野裕理事長は「いずれの病気でも適切に栄養指導できれば無駄な薬を使わずに済み、医療費抑制にもつながる」と語る。腎臓病で必要な透析は1人当たり年間500万~600万円の医療費がかかる。透析に至る前の予備軍の人は食事による症状の改善も可能という。 ただ国内では医療関係者の患者の「食」への意識はまだ低いのが現状。欧米では医師も患者が取るべき栄養について学会などで学ぶが、国内の医学部ではそうした時間はほとんど設けられていないという。 欧米では医師や看護師ら様々な専門職による「チーム医療」に早くから管理栄養士が加わってきた。日本でも10年に医師や管理栄養士、薬剤師などがチームを組み栄養管理を行い、治療効率を高める「栄養サポートチーム」への診療報酬上の加算が始まった。清野理事長は「国内では管理栄養士の役割拡大はまだこれから。疾病ごとの専門資格の導入で質を高めていきたい」と話す。 (出典:日本経済新聞)

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