CSI :Miami Files Annex

2013/02/02(土)23:52

CSIマイアミ 10-17 At Risk

CSI:マイアミS10(20)

『シャワールームの魔物』 アダム・ロドリゲスの脚本・監督による第2作目。 今回もCSIマイアミを知り尽くしたアダムならではの、細やかに気を配った展開でしたね。 昨年私はマイアミにはプロテニス選手を子供の頃から育成する世界最大のテニスアカデミーがあるという事を知りました。そういえばシーズン2の「Death Grip」でもジュニアのテニス選手が誘拐されるエピソードがありましたよね。 その中で、白人の少女の失踪についてはマスコミで大騒ぎするのに、ラテン系の少女は探さないのかと激怒していたEricが印象的でした。当時のCSIマイアミには、社会派のテイストがありました。 アダムがその時の事を思いだして脚本を書いたのかどうか判りませんが、あれから8年、Horatioの下で成長した捜査官たちが、今は中心になって捜査を進めているのを見ていると、本当に長い年月を重ねたのだなと感慨深いです。市民を守るCSIチームの働きは今も変わらず。「We never close」ですね。 有名なテニスコーチのLarry Hopperが早朝、ロッカールームでシャワーを浴びていると、何やら怪しい影が横切る。電灯もチカチカしているし、ホラーなのかと思っていると、いるはずのない猛犬が飛びかかった。 清掃担当の従業員Ross Hemmetが騒ぎを聞いて駆けつけると、ロッカールームのドアはテニスラケットでかんぬきがかかっている。誰かがコーチを閉じ込め犬をけしかけたのか。 しかし、Rossが中に入ると犬はRossに襲いかかって殺してしまう。巻き添え被害ということでしょうか、大変気の毒です。 このゲスト犬がなかなかの名演技でしたね。 そして犬ならきっとRyanだと思っていたら案の定Ryanでしたね。(笑) 歯をむき出して吠えられて情けない、どうしようもないので「Walter!」と叫ぶ声がもう、ツボです。 18年間共に働いて気心が知れているRossを失い、ショックを受けるHopperコーチ。 「一体誰がこんな事をしたんだ。」「それは判りません。でも、あなたには明らかに敵がいるようだ。」 吹き替えだと憎たらしいのだろうなあ。 コーチ役の役者さん、スターゲイト・アトランティスでは宇宙艦の艦長さんでした。固いイメージの人です。 Walterが麻酔銃を撃って確保した犬は、体中に傷を負っており、Ericは闘犬ではないかという。 体内に登録情報を入れたチップがあるはずだと言うWalterですが、それはEricも知っているはずだぞ。シーズン1のカリスマ教授のエピソードで。 闘犬を救出して再教育しているボランティアMason Torresがその犬を登録しており、昨夜盗まれたという。 今朝は別の犬を救出していたのでアリバイがあるが、それが悪いのなら逮捕してくれ、というのはちょっと開き直りすぎですね。警察相手にあまり言うものじゃないです。 ラボでは、犯人がかんぬき代わりに使ったテニスラケットに対して、意外な人が答えを見つけ出してくれました。何と、検死官のDr.Lomanが大学時代はテニス選手だったという。 しかも、ラボのSamanthaとは週末にテニスをする間柄だった。これには、Ryanでなくてもびっくりです。とことん、SamanthaにはやられるRyanですね、相手にされません。(爆) Tomがラボに現れるのは初めてかも? 長く検死官だったAlexxはモルグだけでなく、ラボや取調室によく顔を出していましたよね。 毎週出番があり、今やレギュラーといっても構わないDr.Lomanに新たな出番を増やそうというのは、アダムの希望なのかも知れないと思いました。 テニスに詳しいTomのおかげで、ラケットの持ち主は実績のあるプロ選手のJack Brodyと判る。ラケットは特注したもので、彼は今マイアミにいる。ラケットはプレゼントで人にあげることも多いという。 Brodyは今朝の惨事を発見して通報していた。その時に犬に腕を噛まれたので病院に行っていたという。 Nataliaがシャワー室で発見した紙の破片から、練習生の母親Janice Wellsがコーチに「上手くならないから金を返せ」と迫っていた事が判った。 授業料は当然ながら高いが、何と4万ドル?「あいつは詐欺師よ」 しかし、払い戻しはしないと契約書に書いてあるじゃないか。普通はそうでしょう。アメリカでもモンスター・カスタマーがいるのですね。 彼らは子供をプロ選手にして大もうけしてやろうとしか考えていない。子供はまるでその気がない、好きじゃないのだから上手くなるはずがない。 「Wellsさん、お子さんの言葉に耳を傾けた方が良いですね。」と、子供の味方のHoratioじゃなくても言いたくなります。 アカデミーでは、生徒から幅広く集めた金は、奨学生へと回るという。元奨学生で今はアカデミーの従業員Andrew Kingmanによると、交通手段がない子には送迎用の車も買うなど、なかなかの人望のあるコーチらしい。みんな口を揃えてHopperコーチを賛辞します。 Andrewはコーチを大変尊敬をしているだけでなく、会社の内部事情にも詳しい。10年前に支払われた1万ドルについて、何か隠している雰囲気でした。 それにしても、彼はものすごくきれいな顔をしていますね。 入金記録を見ていたCalleighは、里子に出されたAustin Northの名前を発見する。今シーズン第1話でCalleighと一緒に暮らしたいと言ったあのAustinですね。 残念ながら子役が変更になり、BONESでブースの息子パーカー役のTy Panitzが演じていました。すっかり大きくなっちゃって、そりゃそうだよ。(爆) ともかく、Austinは良い里親に出会えたようなので、一安心です。 CalleighはAustinの様子を見るために会うことにするが、受付の女性がこれ見よがしに手にオイルを塗るのが気になりますね。怪しすぎ。(笑) アカデミーの金の問題を調べるため書類を取り寄せ見ていると、警察宛に匿名の封筒が紛れていた。どうやら、コーチが練習生に性虐待した疑いがあるいらしい。 取り調べを受けた子供の名前は消してあるが、子供の親がコーチに恨みを晴らそうとしたのか? 大手のスクールでは親は金目当てで、些細なことで訴える。コーチは身に覚えのない事で訴えられた場合でも、影響を考えて示談で済ませるから、この手のことは後を絶たないらしい。 今回は殺人犯を突き止めたいので、該当の少年の名前を言うように求めるHとEricに対して、コーチ側は言えないの一点張りでした。漏らすとまた訴えられるのでしょうね。しかし、大親友が殺されたというのに。 " I want to find the boy, whatever takes." 殺人犯の捜査だけでなく、もしお性犯罪の被害者がいるなら明らかにしなければならないという決意が感じられました。子供となるとHoratioはとたんに厳しくなりますね。 CalleighはAustinを守るという理由で、半日Austinをラボで預かることに。 例の告発文書を提出したのはやはりテニス・アカデミーの受付嬢だった。そんなの見え見えですよ。(爆) 子供たちを心配した受付嬢は証拠があるわけではないが、噂を知っているということで警察で明らかにしてほしいと行動に出た。 Andrewは嘘を付いたことを問い詰められて、親が金目当てで訴えたのだと認める。そしてもし虐待があったなら、ここで働いているはずがないと否定する。 手詰まりになったCalleighはAustinから話を聞く事に。どうも、Jack Brodyが怪しい。 どうしても親の愛情をふんだんに受けて育ったパーカー君のイメージがあるので、あっけらかんとしているAustinにはさすがに違和感がありますね。 切羽詰まり、ナーバスになっているCalleighというのは、珍しいと思いました。ということはそれくらい、Austinに愛情を感じているのではないか。 NataliaがCalleighの不安を上手く裁いていましたね。 アカデミーの子供たちの安全のために、全力を尽くすチームはBrodyに繋がる証拠を見つけ出す。こいつも嘘を付いていました。一番先に犬に噛まれていたのだった。彼が犬を解き放ったのか? BrodyもAustinのことをとても心配していた。アカデミーで学んでいた頃、コーチの悪行を聞いたが、その時と状況が全く同じだ。 直接コーチに警察に言うと詰め寄ったが、どうせ起訴は取り下げられる、お前はキャリアを失うと逆に居直られる。たかがテニスアカデミーの校長とは言えず、それほど彼は権力を持っているわけですね。 Brodyは犬にRossを殺させるつもりはなかった、あれは事故だったという。 一方、不幸にも今日2回目で犬に吠えられるRyan。(爆) 理由はRossの作業着を持っていたからで、その作業着に犬が興奮するフェロモンが付着していた事が判る。犯人はコーチではなく、始めからRossを狙った訳ですね。 犬というと、始めに捜査線上に挙がったMason Torresしか、そんな事はできないだろう。 実は彼も若い頃Hopperコーチの指導を受けていた。今は名前を変えているが、Brodyが言っていたコーチの性虐待を受けたルームメイトというのは彼の事で、せっかく忘れかけていたところでBrodyがAustinの事を言いに来たという。今こそ彼を止めなくてはならない。 それだけでなく、気の毒な被害者だと思われたRossは、昔からコーチの性癖を知った上で、助けを求めるMasonを無視し見殺しにしてしまった事があった。Masonとしては傍観者こそ許せない。フェロモンを作業着に吹きかけて、Rossを殺させるつもりだった。 気持ちは判るが、それに救い出した犬を使うのはあまりにも酷いです。 コーチの被害者が2人とも逮捕されてしまい、Andrewの証言が必要となった。 CalleighとNataliaは、今でもコーチをかばうAndrewを説得して事実を引き出そうとする。 彼の受けた心の傷は大人になった今も言えていなかったのですね。マインドコントロールされたというのか、今までエピソードの中で何度も取り上げられた被害者の一面を描いていたと思います。 ラスト、説得の甲斐あってついにAndewは告発し、コーチは逮捕されることになった。 顔を隠すためにジャケットをくれというコーチに、Hは「お前は十分、これまで匿われてきたはずだ」と言う。もちろん犯人には同情する余地はありません。 しかし、その後にまさかのエンディングが待っていたとは。 いつもなら、サングラスをかけ去っていくHの後ろ姿で終わりのはずですが、今回はHも迂闊でしたね。銃声に衝撃を受けたHoratio表情がこれまでに見たことのないものでした。驚愕とでもいうのでしょうか。 アダムは見る者の意表を突いてさらにエピソードをさらに印象深いものにしましたね。 捜査は二転三転して、犯人が掴めず、良い意味で予測は裏切られました。各キャラクターの出番もふんだんにあって、さすがに上手いです。 大人になった被害者たちの心情に触れたのも、珍しく感じましたね。 本当にアダムは進化していきますね。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る