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テーマ:最近観た映画。(40129)
カテゴリ:映画・俳優
久々に「ジョニーは戦場へ行った」を鑑賞。
ちょうどBSで放映するのを見付け 時間的に、小腹を空かせたネコ共に邪魔されながら見たけどね。 ジョニーは戦場へ行った 【ストーリー】 第一次世界大戦で瀕死の重傷を負い、両手足と顔面を吹き飛ばされ 目、耳、口、声を失い、意識ある肉塊となった青年ジョー。 正常に残った機能は、脳と性器と皮膚感覚だけとなり 陸軍病院のベッドの上で、慈悲深く心優しい看護師の女性に世話をされながら 来る日も来る日も横たわっているだけの日々。 そんなある日、手足と目も耳も声も失ったジョーが 他者とのコミュニケーション手段と、自分の意思を訴える機会を得たものの・・・ 両手足を失い、見えず聞こえず、声も発せず 無音の闇の中で、出征前の楽しかった日々を回想し、現実に打ちのめされる。 出征前の楽しい数々の思い出のシーンは、カラーで色鮮やかに描かれ 現在の現実である、病院のベッドに横たわるだけの日々のシーンは 音の無い闇の中で生きる重さを際立たせるモノクロで描かれる。 例えようもないほど重く、訴えるものが多い作品。終わりの無い絶望感だけが残る。 ただ一言で、反戦映画と呼ぶには抵抗のある作品かな。 ある日、若くて心優しい看護師が、彼の胸に指であるメッセージを書く。 負傷して以来、他者との一切のコミュニケーションを絶たれてしまっていたジョーが 久々に受け取った、他者からの言葉。 首だけは動かせる彼は、「理解出来たよ!分かったよ!」言わんばかりに 嬉しさで興奮し、メッセージに対しベッドの上で大きく頷き続ける。 首が動かせることにより、これまたある特殊技能を用いた手段で ジョーは、自分からの他者への意思疎通手段を得る。 この手段は、送り手と受け手の双方が その技能を完全に取得出来ていないと通じない手段ゆえ、誰にでも通用するものでは無いが それでも、その技能を熟知している同士なら、コミュニケーションの取れる手段だ。 ジョーは必死に、自分の意思・意向を首を振り続けて伝え続けるが・・・ そのたっての願いは、軍の意向によって黙殺され 今後は一切人目に触れさせないようにと、病室の窓も閉ざされ、幽閉状態にされてしまう。 ジョーの必死の願いを叶えようと、勇気を振り絞った看護師の行動も発見され それにより、ジョーの唯一の味方だった彼女は、ジョーの病室から立ち去るよう命令される。 うわごとのように、出ない声でひたすら救いと助けを求め続けるジョー・・・。 主演のジョーを演じたティモシー・ボトムズっていうと 昔から、この人のイメージって、「ラスト・ショー」なんだよね。 タイトル(原題の「The last picture show」のほうね)も ノスタルジックな、何かの時代の終わりを連想させるようなタイトルだし モノクロの、古き良き時代の良質な青春映画だと思って 期待しまくって見てみたものの、見た後はゲンナリ・・・ ビデオパッケージの解説に騙された~!凄い期待してたのに!って感じだったんだけど 今見たら、また感想は違うかもしれないな。機会があったらまた見るか。 (あくまで私個人の感想。そのくせ、続編の「Texasville」はいずれ見たいんだけど) 青春映画と名の付くジャンルの作品は、大抵どれも手放しで大好き!に近い私だけど 幾らそのジャンルでも、「ラスト~」だけは勘弁・・・というほど苦手。 多分、私の中では現時点で一番苦手な青春映画。 ・・・それに、ボグダノビッチ作品全般自体が、あまり好みでは無いのも自覚してる。 (「マスク」は好きかな。「ペーパー・ムーン」も嫌いでは無いけど) 「ジョニーは~」にせよ、「ラスト~」にせよ、無垢っぽい童顔が際立つT・ボトムズは 過酷な状況の中で、もがいてあがき続けるような そういう、救いが無い類の重苦しい作品に向いてたのかもね。 そういや、私が大好きなジョン・サベージも、彼と似た類の香りがするなぁ。 そういえば、「ジョニーは~」のDVDパッケージのイラストって あれ、「M★A★S★H」のイラストのアイディアのパクり?^^; (昔のビデオパッケージイラストのほう。ビデオパッケージ画像が無かったから、似た構図のポスター画像持って来た。以下参照) こっちはコメディ映画らしく、メット被ってるし、足も生えててヒール履いてて セクシーなピースサインだけどね。 「ジョニーは~」と「マッシュ」は、1年違いの同年代の作品だし ある意味で、同じく戦争が題材という括りだけども 片や、第一次世界大戦が舞台で、青年傷病兵が主役のシリアスな重いドラマ。 声にならない無言の訴えがズシリと響く。 片や、朝鮮戦争の野戦病院が舞台で 遊ぶことばかり考えてるスチャラカ軍医達&看護婦達が主役の、戦争を茶化したドタバタコメディ。 戦争という無駄で愚かな争いを、徹底的に卑下してバカにしてやろうという R・アルトマンのメッセージが前面に押し出されている。 まさに、ベトナム戦争の真っ只中に作られた作品なのに(狙ったか?) オープニングの、自殺奨励歌とアイゼンハワーの声明を引き合いに出すところからして 確実に、アルトマンは権力にケンカ売ってるな~という、思わずほくそ笑んでしまうコメディ。 そんな、対極にありそうな両作品だけど 同じように、前面に大きなピースサインのイラストをモチーフにしたのは偶然?? ラスト・ショー マスク ペーパー・ムーン スペシャル・コレクターズ・エディション マッシュ スペシャル・エディション お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 29, 2007 12:39:06 AM
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