Hawaiian Momo's Room

老人と茶トラネコの、１人と１匹のロードムービー＾＾


ハリーとトント

【 ストーリー 】
ニューヨークのアパートに暮らす、元国語教師の７２歳の老人ハリー（アート・カーニー）。
妻を既に亡くし、１１歳のネコのトントと暮らしている。
しかし、区画整理で長年住み慣れたアパートを追い出されることになり
彼はトントを連れて旅立つ。
同じニューヨークに暮らす息子の家では、息子の嫁に気兼ねしたりとなかなか落ち着けない。
娘の居るカリフォルニアへ向かうことにしたのだが
飛行機に乗ろうと空港に行っても、荷物検査でトントを巡ってひと悶着したり
長距離バスに乗っても、トントのトイレを巡って途中下車を余儀なくされる。
公共の乗り物では、何かと不都合が多いトントの為に、中古車を買って出発。
それでもハリーは、めげること無く、いつもユーモラスたっぷりで明るい。
道中、様々な人達に出会い、楽しいひと時を過ごし、かつての恋人の姿に心を痛めたり
ひょんなことから留置場まで経験して、１人と１匹はカリフォルニアに向かうのだが・・・。


老人とネコのロード・ムービーで、ほのぼのと優しい視点で描くドラマです。
とはいえ、ほのぼのユーモラスだけではなく、旅の途中で遭遇する出来事に絡み
現代社会における、様々な現実を見据えるハリーの姿や
時の流れと変わり行く社会を、戸惑いながらも受容して行く様を描いた映画でもあります。

主演のアート・カーニーは、長らくＴＶやラジオ
舞台で活躍していたコメディ俳優さんですが、映画はこれが初主演。
実際は、当時５５～６歳で、７２歳の老人ハリーを演じ
初主演ながら、ジャック・ニコルソン、ダスティン・ホフマン、アル・パチーノ
アルバート・フィニー（最近はあまり聞かん？）という、現在も第一線で活躍する
そうそうたる顔ぶれの候補者達を押さえ、いきなり1974年度アカデミー主演男優賞を受賞。
よーく見ると、割と目が鋭くコワモテにも見える俳優さんですが
大きな体と、アゴの下に付いたお肉や口ひげで、ユーモラスな雰囲気を出している方です。
「ハリー～」出演後は、数々のドラマやコメディ、バイオレンス、パニック物
アクション、ホラー系、セクシー系（「サンバーン」はこのジャンル？＾＾；）など
幅広いジャンルの映画に顔を出し、イイ味を醸し出すバイプレーヤーでしたが
シュワちゃんの、「ラスト・アクション・ヒーロー」出演を最後に
長らくの闘病生活の末、６年前に亡くなっています。
（亡くなった際には、新聞の訃報欄にも載り､（´・ω・｀）ｼｮﾎﾞｰﾝとしたもんです・・・）

個人的に大好きな俳優さんだったので、他の出演作も結構見たんですが
印象に残ってるのは、「摩天楼ブルース」での、街のギャング集団に毅然と立ち向かうものの
ボッコボコにされて半殺しにされる食料品店主や
「セント・ヘレンズ」の偏屈ジイさん
「お達者コメディ／シルバーギャング」での、ジョージ・バーンズやリー・ストラスバーグと共に
爺さん３人組で、退屈しのぎに銀行強盗をやらかす、元バーテンダーのアルや
「ヤング・イン・ハート／６８歳のキャンパスライフ」での
１８歳の孫と一緒に、夢だった大学へ通う爺ちゃん役などかな。
この映画では、ビージーズの「ステイン・アライブ」に合わせ、オープニングで踊ってたｗ
ホント、決して出演作は多くないんだけど、出てる映画のジャンルが幅広い。

ハリーと同じく、映画全編に出ずっぱりだった、茶トラネコの「トント」を演じたネコも
動物界のアカデミー賞というべき「パッツィ賞」を受賞しています。
全編、殆どこの１匹で撮影したんだそう。


この作品のファンは多いものの、映画好きしか知らんだろな・・・という位置の作品。
３５年も前の映画であることや、主演俳優さんが日本では全く無名であることなど
オスカー受賞作でありながらも、ビデオ時代でも扱っているレンタル屋はホントに少なく
（「テンダー・マーシー」なんかも、似たような位置かもね）
近所のレンタルビデオ屋が、ＤＶＤ中心に移行するからと
とにかく在庫減らすべく、在庫ビデオをバカスカ投げ売りしてる時に
他の数十本のビデオと一緒に、「ハリー～」もカウンターに持って行ったら
「あー、すいません！・・・これはちょっと。ゴメンナサイ」と泣き付かれたことアリ＾＾；

ファンからは、長らく待たれたＤＶＤ化。
やっと、この５月に日本でもＤＶＤがリリースされる～♪予約入れなくてはー！


一昨年に死んだ実家の長男ネコが、この映画のトントと同じく、全身茶トラだったんで
生後２ヵ月半で他所のお宅から貰って来た時、トントって名前付けようかなーと思ったけど
結局、当時の彼氏が名付けた別の名前に。
また茶トラネコを飼う機会があったら、今度はトントにしよう＾＾



おおっと！！これも一緒に予約しておかなくてはー


グリニッチ・ビレッジの青春