Hawaiian Momo's Room

先日、何かで紹介されていた、この本がかなり気になってる。
重度の障がいを持っていたという
徳川家第九代将軍、徳川家重を書いた本。


口が回らず誰にも言葉が届かない、歩いた後には尿を引きずった跡が残り、
その姿から「まいまいつぶろ(カタツムリ)と呼ばれ馬鹿にされた君主。
第九代将軍・徳川家重。
しかし、幕府の財政状況改善のため宝暦治水工事を命じ、田沼意次を抜擢した男は、本当に暗愚だったのかーー?
廃嫡を噂される若君と後ろ盾のない小姓、二人の孤独な戦いが始まった。
（紹介文は、商品ページからお借りしました）

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幼少時から大奥にこもり、酒色に耽り
文武を好まず（出来なかったのかもだが…）、猿楽などの娯楽ばかり。
障がいゆえに、呂律も回らず、他者との意思伝達が困難で
（今でいう、脳性麻痺だったのでは？と言われてる）
酷い頻尿症状や、更に言語不明瞭も重くなり
障がいゆえに、知能や知性も低いと見られていたが
優秀な幕臣の抜擢や起用などの功績を含め
実は、頭脳明晰だったのでは？という片鱗もあったらしい。

今のように、障がい児教育等や障がい者福祉がある時代ではないし
障がいは、仕方ない…と、ほぼ放置されるしかなかった時代だろう。


現に、私と予備校が一緒だった知人（現50代）も
やはり脳性麻痺で、言語や四肢等に重い障がいがあったが
僅か40年近く前ありながら、高校生年齢近くまで
身体障がいと併せ、知的障がいもある子と見なされていて
でも本人は、それは違うと周囲に上手く伝えられる術が無く
ずっと養護学校（当時）で、知的障がいの生徒と同じ授業を受けさせられていたらしい。

あるキッカケで、知的障がいは無く、知能は正常みたいだというのを理解され
そこからは、環境を整え、今までの分を取り戻すかのように必死に学業を始め
やがて、私が通っていた予備校へ。
装具を付けて、腕をはめる杖もつきながら
同年代の女性よりも小さな身体で、駅から懸命に歩いて来ていた彼の姿を覚えてる。

最終的には、現役生より数年遅れたけど
都内の、中堅より上の理系の有名大学に合格。
（私など、全く手も届かない大学…）
もっと早く、知的障がいは無いことが、周囲に気付いて貰えてたら…と
周囲に上手く伝える術が無かったことで、人生が色々遅れてしまった彼のことを
この本や、徳川家重のエピソードを見て、思い出したんでした。

まだ大雑把だった昭和の時代には、そんなことあったんだよね。