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ワールドホリスティックアソシェーション公式ブログ

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教育研究家  篠 秀夫

  ホリスティック友達の輪            篠 秀夫
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「図と地ということ」    篠 秀夫

ムックマムの小林さんからご紹介いただいた篠です。

一応、「表現教育インストラクター」と「親子遊び研究家」を名乗っていますが、
他に「造形教室」「親子遊びの会」「お母さん達のための子育て講座」
「心とからだのワークショップ」「外遊びの会」「表現遊び・劇遊び」
などをやっています。

対象は、赤ちゃんから、お年寄りまでという非常に無節操な活動をしています。
「しょうなん育自の会」(自分育ての会)という会員制の会も主宰しています。

基本的には、R.シュタイナーの考え方に共感した“シュタイナー的”なところで
活動していますが、ご関心のある方はHPをご覧になって下さい。
(http://www.geocities.jp/nenemu2001/)


なんで、こんなことになってしまったかというと
単純に自分の興味を追いかけてきたらこうなってしまったと言うことで、
他の人からは色んなことをやっているように見えるかも知れませんが、
“わたし的”には同じことをやっているという意識しかありません。

では、その興味とは何かというとそれは「人間」ということです。
「人間ってどんな存在なんだろう」、
「人間はどのようにして人間になってきたのだろう」、
「人間を人間たらしめているものは何なんだろう」、
そんなどうでもいいようなことが、
若い頃から気になってしょうがなかったのです。

それで、大学の専攻は物理だったのですが、
「自然人類学」、「文化人類学」、「宗教」、「芸術」、「科学」、「心理学」
などの本ばかり読んでいました。

おかげで肝心の物理の勉強は最小限しかしなかったので
「しまった、単位が足らない、卒業できない」
という悪夢にずいぶんと長い間うなされましたけど・・・・・。


私は、自然人類学を学ぶことを通して
「進化」という視点でものごとを見ることを学びました。

文化人類学を学ぶことを通して「比較」という方法を学びました。

心理学や物理学を学ぶことを通して物事にはすべて「背景」があり、
「全ての現象はその背景においてつながっている」ということを知りました。

芸術や宗教を通して「人間を支えている力」があることを知りました。

それと、中学の頃に相対性理論に夢中になった時期があって、
その相対性理論によって「物事を相対的に見る」感覚を育てることが
できました。

そして、そのような学びを通して
「部分は全体を含み、全体は部分と共鳴して働く」ということに気付きました。

例えば、手も足も体全体の状態を映しています。
全身はまた手や足などの部分の状態を具体化しています。
足の指のトラブルが頭痛や肩こりや虫歯につながることさえあるのです。

そのように、足も胃も脳もみなそれぞれ他の部分と共鳴しながら
自己の存在のあり方を決めています。

それは人の身体のレベルだけではありません。
人の身体は塩の働き、鉄の働きから、気候の働き、天体の動き、
引力など、この宇宙の全てのものと共鳴しながら、揺れ動きながら
その状態を確定しています。

そのような視点で考えると、「ホリスティックに考える」ということは、
単に「色々な要素を考慮して判断する」というようなレベルのことではなく、
その共鳴状態に、自分自身の意識を共鳴させていくということによってしか
実現し得ないのではないかと思うのです。

そして、そのためには「瞑想」という方法が有効なように思います。

なぜなら人の「意識」という働きそのものが
ホリスティックには働かないようにできているからなのです。

意識は暗闇の中の懐中電灯のようなものです。
スポットが当たったところだけが明るくなり、見ることが出来ますが、
周り中を明るくして、全てを同時に見ることは出来ないのです。


と、ここまでは私以外にも色々な人が言っていることなので、
このメルマガをお読みになっているみなさんはもうすでにご存じのこと
かも知れません。

それで、私はそのようなことを子どもたちとの活動の中で
どのような実践とつなげているのかということを少しご紹介します。


人はその社会的な活動の多くを意識の働きによって行っています。
それは絵を描くというようなことでも同じです。
でも、意識の働きによって活動すると、
自分の興味のあるものしか表現や行動につながりません。

例えば、「大きな紙に動物の絵を描こう」というようなテーマの時、
そのまま描かせると子どもたちはウサギやリスをバラバラに無関係に描いて
それで終わってしまいます。特に、今の日本の子どもたちはそうです。
全体をまとめる“何か”がないのです。

そんな時、まず野原を描く、森を描く、空を描くというところから始めます。
それは自由でいいのです。そして、「背景」ができあがったら
“じゃあ、今度はその中に動物や鳥などを描き込んでみよう”とリードすると、
ウサギやリスだけでなく、他にも様々な動物たちが登場します。

動物を描こうと意識している子どもたちにとって、
野原や森や空は存在していないのと同じことです。
ですから、自分の大好きな動物しか頭の中に浮かびません。
野原や森や空とのつながりの中で生きている動物のことなど
意識から抜け落ちてしまっています。

そんな時、野原を描きながら、森を描きながら、空を描きながら、
忘れていた何かを思い出すことが出来るのです。

私はこのようなことを「図」と「地」という心理学的な表現で
よく説明するのですが、人は図の部分しか意識することが出来ません。

でも、その図は地によって支えられているので、
その地に対する気づきがなければ
全てがバラバラに存在しているようにしか見えないのです。

そして、自分の興味だけでその図に意味を与えようとしてしまいます。
でも、難しいのは、実はその地もさらに大きな「地」の中の「図」である
ということなんです。

そしてそれは入れ子状態になって無限に続いています。
(この状態を華厳経というお経では「インドラの網」と表現しています。)

また、子どもの遊びを見ていて面白いのは、
どんぐりや松ぼっくりのようなもので遊ぶ時も、
下にちょっと小さな布を敷いてやるだけで遊びが深くなるのです。

意味のある「地」が与えられることで
「図」が無意識の中で意味のあるつながりを持ち始めるからです。

また、小さなついたてのようなもので空間を区切ってあげるだけで、
子どもはずっと自分のファンタジーの世界に入りやすくなります。

よく、お母さん達は「どんなおもちゃを揃えたらいいのでしょうか」とか、
「どんな絵本を揃えたらいいのでしょうか」と聞いてきます。
でも、その周囲の「地」を整えてあげるという視点がなければ
どんな良いおもちゃといわれるものであっても、
子どもはそのおもちゃの世界に入ることはできません。
絵本でも同じです。

例えば、毎日テレビやビデオやゲームばかりやっている子は、
どんなに良いといわれているものでも、
繊細な感覚刺激を楽しむようなおもちゃには興味を示しません。

逆に、小石やドングリや小枝のような、
どこにでもあるようなものでも「地」を整えてあげることで
素晴らしい子どものイメージを引き出してくれます。

どんな名作といわれる絵本でも、おとなしく椅子に座らされて、
固く平坦な声で読まれたら子どもはその世界を楽しむことができません。
これは上手下手ということではありません。

子どもの心を感じながら読んでいるかどうか、ということなのです。
また、その時の時間や照明、部屋の中の位置ということも関係してきます。

実は、子どもの教育においてはこの「地」を整えるということが
非常に大切なことなのです。

日常生活の中では、壁の色、天井の高さ、無意識に聞こえる音、
毎日の食べ物、お母さんの声、表情、部屋の間取りなどが
その「地」にあたります。

もちろん、これだけではありません。
それ以外にも限りなくあります。

でも、問題は「図」は誰にでも簡単に認識できますが、
「地」はその「図」の下に隠れてしまっているので
なかなか認識することができないということなんです。

「図」をどかせば「地」を「図」に変換できますから、
それを認識することは難しくはないのですが、
それでは「図」が「地」と響き合っている、その状態そのものを観ること
ができません。

そうではなくて、「図」を透かして「地」を観るということが必要なのです。
 
そのためには上に書いたように、「瞑想」といわれるような方法が
有効なのではないかと思うのですが、それがまたなかなか難しい。

そのような感覚が、当たり前の生活文化として定着してしまえば
人は無意識に「地」を整えることが出来るようになるのでしょうが・・・・。


最近考えていることをつらつらと書いていたら、
とりとめもなく長くなってしまいました。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
 


今日は、

私は、15年程、催眠療法を行っています。以前、
3年程、整形外科医院で医療事務の仕事をした経験
があります。投薬、診察、そして検査等を目の前で
見て来ました。それなりの知識があります。西洋医学
は物理的解決を中心にしています。民間治療の人々
には、こういった医療知識を持った人が少ない様です。



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