085095 ランダム
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With you

With you

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2.

家の前の駐車場が空きがなかったせいもあるが
私も仕事場が近くで、私個人用の車は殆ど必要もなかった。
駅もスーパーも近すぎるほどでもあったし。
しかし、長女が高校に行くようになったため、
病人が出来たため、必要に迫られ
この時の数ヶ月前にやっと私用にもう1台を許可してくれた。

その日、初めて長女と二人で現場に向かおうと出る。
その前に管轄らしき警察に問い合わせ、
一応携帯番号を知らせる。

到着前にその人からTELが鳴った。
「ご主人の身長と体つきと身に着けていたもの、わかりますか?」
その質問に答える。
「では、○○病院にいる方はご主人だと思われますので、そちらへ・・・」
「場所は?」
行ったことない病院だったが、車で約3~40分はかかると思われる?!
そこは、かつて何度か家族でも買い物に行った事のある大きな店の傍であった。
何度か通った事のあるその道を思い出しながら、夢中だった。

病院の前には、もう数え切れないほどの報道陣が・・・
受付で尋ね、処置室と書かれた部屋へ。


足が見えた。
怪我の処置をされ『参ったよ~、こんな格好にされちまった!』
・・・・・と。。。

そんな台詞が聞こえてくるじゃないかと、足だけ見たその時までは思っていたのに。。。

@@@@@なに?!この格好は・・・・この傷は・・・・
どうなってるの?!
    ;;;
「ご主人ですか?これ(腕時計)もそうですか?」
「・・・・・・・?????はい」
  ・・・なぜ!?そんな事聞くの?麻酔がかかって眠ってるんでしょう!
 と心の中で叫んでいた。
 娘も茫然自失状態だった。
そのあとは何を聞かれたのか判らなかった。
いつ誰が駆け付けたのかも。

「なんで~~何があったの~?」
と身体をゆすっていたのを覚えている。
汚れた腕、額と頬にざっくりと深い傷。
かなり出血した名残が…私の手も血だらけになっていた。。。
まだまだ弾力のある皮膚の感触があった。
でも……手を握り返してくれない。。。


どのぐらい そこにいたのか?
しかし…
事務的な作業のためか、そこにはもういられなかった。
警察署まで来てくださいとのこと。
もう運転する気力がなく、警察の人に運転してもらう。
私は亡骸と思いたくない彼の乗る車に同行した。

理解しがたい現実、
反応がない…
それでも、目を覚ますんじゃないか…
ふっと、手に反応があるんじゃないか…と
ずっとずっと、いつも好きだった手に触れていた。


警察では、悲しみとは裏腹の事務手続きばかり。
普段の生活パターンは?
給料は?
どんな会話していたかとか
なんでそんな事まで。。。。?
と思いながら
その担当者が詳細に・・・いわゆる調書とやらを書いていく。

数時間後に、また十数時間後に判った事だが
あと3人亡くなったと。。。。
夫はすぐ判別がついた。
が、しかし遺族に見せられないほどの人もいたらしい。

なぜ?こんなことに?!
この原因は、3年以上経った今も推測でしかない。
一生もうはっきりした原因は、わからないのでしょう。

もうその場所はきれいさっぱりと無くなっているのだから。


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