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ニューストピックス

2007年01月17日

 
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テーマ:戦争反対(1078)
カテゴリ:徴兵制

ここまで日本への徴兵制導入の可能性について述べてきましたが、ある意味予想通り「周辺」では『有り得ない』と叫ぶ人々が現れているようです。

まあ、自分の考えを述べるのは自由なのですが、私には、こういう断定が出来る人々の思考回路がどうにも不可解。
おまけに、「日本はこれからも軽(非)武装を追及し、自衛隊の任務は限定(廃止)する」という人が有り得ないと言うならまだわかるのですが、「有り得ない」論を展開する人のほとんど全てが、9条改憲を支持し、周辺諸国からの脅威に対応させた防衛力整備の必要性を説き、その上で外征型の軍隊になることは否定し、そして兵器のハイテク化を言い募る。
そういう人が何故「有り得ない」などと言い張るのか。


『未来は我々にコントロールできない』

昨日のエントリにも書いたように、志願制を維持に必要なのは、まだ有権者にすらなっていない若者が今後どれだけ兵士になることを志願して来るか、その1点にかかっている。ですから「有り得ない」などと言ったって、我々にコントロールできるような話じゃないんですけどね。
加えて、非武装を追求するならまだしも、周辺諸国の脅威があって、それに対応する防衛力整備が必要というなら、自衛隊(軍)にどれだけの兵力が必要かというのは、その「周辺諸国」の脅威の度合いによって決まる。即ち、兵士をどれだけ集める必要があるか決めるのは、元をたどれば我々じゃなく、その「周辺諸国」だってことになる。
これが、他所の国に攻め込むことも辞さずというアメリカのような軍隊にするというなら、「攻撃したいけど志願者が少なくて手が足りないからやらない」と、政策決定段階での選択肢が狭められるだけということは言える。でも、そうではなく今後も防衛型の軍隊なんだと言うなら、その規模は我々だけで決められるものじゃない

「周辺諸国」の脅威を認識しつつ徴兵制は必要ないと言い張るなら、その「周辺諸国」が志願制で維持できる自衛隊(軍)の防衛力を超える攻撃力を備えようとしている傾向が明らかになった時、この人達はどうするのだろう。あくまでも徴兵制否定を貫いて降伏すべきと言うのでしょうか?
私にはとてもそうは思えません。
おそらく、かつて自分達が「有り得ない」と言っていたことなどおくびにも出さず、その時の若者に向かって「日本を守るために、軍に志願しろ」とでも言うのでしょう。

というか、周辺諸国の脅威とは、今の自衛隊の規模で丁度対応できる、それよりも小さくもならず(縮小に反対)、それよりも大きくもならない(徴兵制など有り得ない)。そういう自分の願望通りの状態が未来永劫続くという、非常にムシの良い発想をしているだけですね、こういう「有り得ない」論者は。

未来の若者がどれだけ志願して来るかも、周辺諸国の脅威も、全部自分が思った通りの未来が訪れる。

そういう発想でないと、この「有り得ない」論は成立しないでしょう。


『ハイテク化を言うものほどハイテク化を否定する不思議』

また、兵器のハイテク化から「有り得ない」論を展開する人のやることも本当に不思議。
やれ、経験の浅い兵士では扱えない、やれ、整備に手間がかかる。でも、その実例が示されたことはないんですけど。

むしろ、兵器オタクのような方が「現代の戦争は人を集めたから戦えるってものじゃない」という事例として、新しい戦車や戦闘艦の定員が減っているなんて言うものだから、「ハイテク兵器のユーザーの負担は小さい」という実例が示されちゃっているんですけどね。
もし本当に、ハイテク兵器が扱いずらい、整備しずらいものなら、定員を増やして未経験者を余分に乗せないと、いつまでたってもその兵器の経験者が育たないってことになりますから。
でも、このタイプの「有り得ない」論者はその矛盾に気が付いてない模様。

そもそも、ハイテク兵器は何のために導入するのか。
個々の兵器の能力をアップさせることで、全体の戦力を増す、もしくは少ない負担で戦力を維持するためにやるんでしょ。

それなのに、その兵器を導入することで兵士の訓練期間を1年余分に取らなければならないとしたら、それだけで戦力の約1割ダウン、数千億円のコストアップに等しくなってしまう
加えて、人の生き死に直接関る兵器というものが壊れることが何を意味するかを考えれば、故障が多い、修理に手間がかかるということは、そのネットの稼働率の低下分以上に、全体の戦力を低下させる要因となってしまう。

わざわざ新しい兵器を開発して、なんでそんなことをやらなければならないんでしょう
しかも、兵器を使い易くする、直し易くするというのは、別に兵器の持つ攻撃力を損なうものではないというのに。

兵器を整備できる能力を磨くには時間がかかる。それはその通りかもしれません。
だからこそ、その能力が未熟な者でも扱えるように兵器を改良すれば、それは大きな戦力アップにつながるんです。
その視点を欠いたハイテク化に何の意味があるんでしょう。
「扱いにくくなりました、稼働率も下がりました、でも命中精度や射程は良くなりました」なんてハイテク化は、開発者の独りよがりに過ぎませんし、そんなものを導入する組織は現場軽視も甚だしい。

整備の重要性を唱えつつ「ハイテク兵器は整備しずらい」なんて呑気に言っている「有り得ない」論者は、「整備しずらい」状態を放置していてもかまわないと思っている、即ち自分の方が整備を軽視しているってことに気が付いていないようです。


『自衛隊だけを見て軍隊を語るなかれ』

「有り得ない」論者は、現代の戦争は兵士を集めればいいってものじゃない、軍隊とは少数精鋭のプロの集団にならなければ戦争は勝てないと良く言います。だから徴兵制など役に立たないと。

でも、これはその人たちが「兵」よりも士官・下士官の方が多いといういびつな人員構成の自衛隊を見ているだけのこと。
現代の戦争はなどと言いながら、実は一番現代の戦争の実相を見ていないのが彼らです。

もちろん、自衛隊のような軍隊があったって良いでしょう。
でも、それは自衛隊が本当の戦争をしたことがないからそれで済んでいるだけのことなのです。
本当に戦争をしている軍隊は、「少数精鋭のプロの集団」なんかじゃありません

自衛隊の場合、経験年数はよくわかりません。
でも24万人に対して採用数が全体で2万人弱ですから、平均すれば10年程度と類推できます。

一方、アメリカの場合は現役の兵・士官約130万人に対して、採用数(未経験者)が約20万人ですから、明らかに日本よりも新陳代謝が激しい、即ち経験年数は短いと言えます。

実際統計資料を見ても、現役兵・下士官の51%は経験6年未満、在籍年数の平均も7年弱(この6年未満の層がほぼ自衛隊の「士」に該当します)。
そして110万の現役兵・下士官に対して18万人の未経験者を入隊させているのですから、3割は経験2年未満と考えるのが普通。
また士官は約21万人で、毎年2万人弱を入隊させているので、やはり2割は経験2年未満
("Popuration Representation in the Military Services, FY 2004"より)
http://www.dod.mil/prhome/poprep2004/
これが予備役にあたる州兵ならもっと経験年数が短くなるのは必定(上記の資料には経験年数の記載はなし)です。

結局、いかに志願したとはいえ、実際に戦闘行為に従事する軍隊にそんなに長く勤める気にはなれない
それが本当に戦争をしている軍隊の実情ってことです。

志願兵の方が徴兵された兵よりも長く勤めるから経験も積めてプロになれる、なんて言うのは、実際に戦争をしたことがない、現状では消防よりも安全な組織である日本の自衛隊という組織しか見ていないから言える現象。

またこれからの軍隊は少数精鋭なんて言うのも、今回、アメリカが結局イラクへの増派を決めたように、そして陸軍・海兵隊の定員を9万人も増やしたように、全くの幻想。
経験年数の短い兵さえも、どんどん実戦に投入するのが世界最強の軍隊が現実の戦争でやっていること。ラムズフェルド前国防長官は本気でそう考えていたのかも知れませんが、彼の言ってた軍事革命なるものは、部分的な戦闘に対しては効果はあったけど、戦争に勝つという目的達成には不向きだった。

現実の戦争でも、やはり兵の数というものは重要な要素であったということが、今回のイラク戦争で証明されたってことです。

「現代の戦争は少数精鋭のプロが」云々などと言っている「有り得ない」論者は、実は本当の「現代の戦争」も、本当の「現代の軍隊」も見ずに、自分の思い込み、もしくは本当の戦争を戦ったことがない自衛隊という組織の上辺だけを見て、その願望を語っているだけです。

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『まとめ:改憲と徴兵制』

日本における徴兵制の可能性を考えるにあたって、徴兵制の歴史とか理念とかについてあれこれ知識を開陳したところで、何の助けにもならないでしょう。
問題は、国民皆兵制の意義とか予備兵力の確保とか、そういう古典的な動機付けではなく、これからの徴兵制において考えるべきはもっと直接的な理由である、必要な兵員数に対する志願者不足の補填という点なのですから。

改憲をして海外での活動を本格的に行うなら要員は増やさなければならない。でも、現在「士」に志願しているのはほとんどが選挙権の無い若者であり、未来の彼ら世代の意識が志願者の多寡を決め、自衛隊の仕事が今以上に危険になるなら、志願者は当然減る。
それが続けば、戦力に穴が開く。

よって徴兵制を導入せざるを得ないという状態になる可能性もあり、その確率は改憲した場合の方がはるかに高い。

現在は政治的な権利を直接持っていない、未来の若者世代のために我々が出来ることは、憲法を守り、彼らが意に沿わない形で戦場に行く可能性を出来るだけ小さくすることだと、私は思います。

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さて、9日間にわたって徴兵制について書きました。
本件については、ここでちょっと一区切りとします。









最終更新日  2007年01月18日 01時33分28秒
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