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テーマ:戦争反対(1187)
カテゴリ:時事
ある程度予想はされていましたが、台湾の総統選挙は国民党の馬候補の圧勝に終わりました。 その直前に起きたチベット騒乱が台湾独立はしないと言い切る馬候補に不利に働くかと思いましたが、ほとんど影響はなかったようです。 もちろん、台湾の人々がチベット騒乱を知らないはずもなく、それでもなお国民党を勝たせたというのは、独立はしないが併合されることもないという方針を、多くの台湾人が実現性があると判断した結果でしょう。 あるいは、独立を宣すれば中華人民共和国はチベットに対するように台湾併合に動くと考えた、即ち、このチベット騒乱が民進党に不利に働いた可能性もありますか。 で、こうなりますとあの日本の「台湾島」騒ぎは何だったのかってこと。 先日の立法院選挙、今回の総統選挙と、台湾の人々の現時点での民意は「台湾独立」にノーだということは、明確になっているわけです。 となると、地図の台湾海峡に国境線を引かず「台湾島」と表記するというのは、現実的な記載だったということ。 その台湾の民意を無視し、頓珍漢な大騒ぎをしていた日本人が沢山いたという恥をさらしただけだったってことですね。 というか、以前から指摘していますけど、あの時騒いでいた自称保守の人々にとって、実は台湾の地位なんてどうでもいい、ただ自分達の中共嫌いの感情を満たしてくれればそれでいい、ってことだったということ。 この8年間民進党政権が続いていたおかげで、自分達が直接汗をかかずとも、台湾が中共に楯突いてくれていた。自分達の感情をただ発信していれば、その本当の意図は全く異なっていても、見かけ上台湾がそれを満たすような行動をとってくれていた。そして、自分は台湾通だと酔うことができた。 でも、それは本当に台湾の状況を冷静に分析したものなんかじゃなかった、即ちメッキが剥がれたのがこの選挙結果だったってこと。 今回、産経新聞は26日付けの「正論」で岡崎久彦氏に「統一しない」という馬候補の主張をクローズアップさせた文章を書かせてお茶を濁そうとしてますけど、あの騒動を煽った張本人として是非とも「恥辱の殿堂」入りしていただきたいものだと思います。イラク戦争5周年を受けて、大量破壊兵器もアルカイーダとの繋がりもなかったけど、独裁者を排除して民主国家になったんだから「大義」はあったと「主張」しているんですから、台湾の民意をちゃんと汲み取るべきでしょ。 チベット騒乱そのものにつきましては、まああの国だからさもありなんってこと。 それに怒りを募らせるのも結構だし、私自身もあのやり方には全く賛成できない。 ただ、それを台湾問題での自分たちの不明が露になったことへの逃げ場に利用するのはもっと賛成できませんね。 北京五輪ボイコットも一つの選択肢でしょうけど、実際それがなされて残念な思いをするのはむしろ自称保守の嫌中派の人々でしょう。 だって大好きな君が代を世界の注目の中で演奏するチャンスを、自分から捨てることになるんですから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年03月27日 03時07分09秒
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