白砂青松のブログ

2010/08/18(水)02:23

現代の価値観で断罪云々という詭弁

歴史(23)

戦前の日本の行いをネガティブに捉えられることがとにかく我慢できない人々が、先日の菅首相談話の際にもいろんな難癖をつけていましたが、その中の一つが、当時は列強が植民地を持とうとするのは自然なことであって、それを、「帝国主義はいけない」という現代の価値観で断罪するのは間違いだといったものがあります。 でも、これって話がすりかわっていますよね。 だって、先日の談話で首相が「おわび」した相手である、朝鮮半島に住んでいた人々にしてみれば「列強が植民地を持とうとする」のが自然なことであるか否かではなく、「列強に狙われた国の人々が植民地化を当然のこととして受け入れる」という考え方が、当時の価値観として自然なものであったか否かが問題なんですから。 で、そんなものはどこにもなかったというのが実情でしょう。植民地解放闘争のようなものは既に世界で起きており、その一種であるアメリカ建国からも既に130年余も経っていたのですから。 == そして、もう一つおかしいのが、だったらその後の太平洋戦争におけるアジアへの侵攻を「植民地解放闘争」だと正当化していたのは何なのかってこと。植民地を持つことが自然なら、日本のあの行動は他国の権益を侵犯した侵略行為以外の何ものでもないってことになる。 たとえそれが30年余の時間経過故だとしたら、彼らが愛して止まない大日本帝国自身が、70年前に「現代の価値観」でそれ以前の欧米の行為を「断罪」していたってこと。 こんな簡単なことにも、彼らは気が付かないのでしょうか。

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