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カテゴリ:安全保障
昨日のエントリの続きです。 SAPIOの『自衛官4人匿名座談会 「10万人災害派遣の裏で隊員を 『便利屋』扱いした政治家たち」』という記事の中で、自称「自衛官」達が、いかにデタラメなことをほざいているか、ここに記録しておきます。 -- 災害派遣で自衛隊の任務は救援と支援。復旧は第一義的には自治体の仕事で、われわれはその支援にあたります。今回はその自治体が大きな被害を出して機能しなかったから、われわれのできることはすべてやった。ただ、菅総理は復旧作業は自衛隊がやる仕事だと勘違いされていたとしか思えません。(中略)防疫は重要ではあるが、民間の専門業者を大量投入すればできることじゃないですか。 -- 政府も自治体も、民間業者に依頼すればカネがかかるが、自衛隊ならタダで済むと思っている。 -- 何を仕事の選り好みをしているのか。 ハエの退治は誰かがやらなければならないこと。それをまず公務員である自衛隊に命ずることのどこがいけないというのか。第一、防疫とは被災地の国民の健康を守るという救援活動であって、決して復旧作業ではない。その意味でも、この「自衛官」の言っていることはデタラメ。 仮に「復旧」だとしても、「復旧は第一義的には自治体の仕事で、われわれはその支援」と言いながら、自分たちがやることに文句を言うということは、最初から「支援」なんてやる気はないってこと。 自治体の公務員には、災害復旧専門に割り当てられている人員などほとんどいない。災害が発生すれば、普段は他の仕事をしている人も一生懸命その復旧に向けて汗を流しているというのに、この「自衛官」達はそんな一般公務員を見事に見下してくれています。 この人達、他所の国が攻め込んで来ても「民間の警備会社を大量投入すればできる」と言いそうですね。 そもそも、自衛隊が「復旧」の主体にならないという根拠すら不明ですが。 -- 当日(3月17日午前)の作戦実施直前、実は現地では高圧放水車による放水準備が進行していた。ヘリによる空中投下と地上からの放水、どちらが効果的か考えるまでもない、放水車です。それなのに、総理肝いりの空中投下をやらせるために、より効果的な地上放水を後回しにした。いわば、政治のパフォーマンスのために自衛隊員の生命を危険にさらし、なおかつ、効果的な冷却が二の次にされたのではないでしょうか。 -- だとしたら、どうして高圧放水車の放水開始が空中投下の直後ではなく17日の夜になったというのでしょう。「後回し」はまず間違いなく、この「自衛官」のデマカセ。 加えて、実際にはその地上放水では放射線量をほとんど下げることはできなかったことこそ事実。即ち、「効果的」などと言っているこの「自衛官」は状況をきちんと把握できない役立たずか、知っていて人々を騙そうとしている「詐欺師」のどちらかってことです。 結局、自分たちが危険なところに行くのはヤダってことでしょう、この人達の本心は。 -- 総理が宮城の被災地を視察した際、大型船が陸地に乗り上げている前でインタビューを受ける予定だった。すると、2か月以上も後回しにされていた船の周囲の瓦礫を撤去するように指示が出た。被災者のためではなく、総理の会見場づくりが優先だったんじゃないか。 -- だから何? それって、2ヶ月経っても、自分たちがその船の周りの瓦礫すら片付けられていなかったことでしょ。そして、その瓦礫って最後まで放置しておくつもりだったの? 違うなら、そうやって瓦礫の撤去が促進されたことを褒めるべきでしょ。 逆に、放置のつもりだったらなら、「被災者のため」を考えていないのはこの「自衛官」ってことになるんですけどね。 そして、首相が宮城を視察したのは4月のこと。 私の知る限り、首相が来るから、宮城県内で2ヶ月以上放置されていた大型船周りの瓦礫が撤去されたという事実は存在し得ないはずです。 まあ、意図的な嘘とまでは断言しませんけど、この一件や前述の放水の一件から見ても、この「自衛官」達が本当の「現場」でこういった話を実体験してはいない、 自分たちは大して汗もかかない場所に居て、どこからか聞きかじったか、ひょっとしたらネットで仕入れたネタを、「自衛官」の肩書きをひけらかして、さも見て来たかのように話しているだけと言って間違いないと、私は思っています。 -- ある副大臣が自衛隊の案内で避難所を視察した際、当然、被災者からはいろんな要望が出る。 すると副大臣はその場から携帯電話で役所に連絡し、「あれやれ」「これもやれ」と指示を出した。目の前の被災者が困っているのは事実だが、他の避難所にも多くの被災者がいて、救援物資は全体的に不足する中で計画的に配分されていた。それを横から指示すると配給計画全体が狂ってしまうわけです。自分の力を見せたいためでしょうが、そんなこともわからないのかと……。 -- それは重大な問題。避難所で『おにぎりが20個足りない』と言われて、自衛隊の調整所に『20個すぐ届けろ』と電話してきた政治家もいた。 -- つまり、この人達は被災者から要望が出ても、おにぎりが足りないと言われても、それを「無視」してたってことだ。 それなら、私には、この副大臣や政治家の方がまだまともに見えます。 計画を立てるのは大事だけど、その計画が完全無欠だと思い込んでいるなら傲慢もいいとこ。この人達にとっては、被災者が困っているのかどうかよりも自分たちの立てた計画の方が大事だったようです。 現に、その計画に不満を持っている人がいることがわかったなら、謙虚にそれに耳を傾けるのも担当者の役目。政治家が勝手な事を言うという、だから調整が大変だったということも実際にあったでしょうが、「計画全体が狂ってしまう」などと言ってそれを批判するとは、公務員の自覚が無さ過ぎです。 で、政治家が勝手なことを言って実際にどうしたの? この話の流れからしたら、言う通りにしたんでしょ。 だったら、その自衛官達も計画を狂わせたってこと。 言い換えれば、自分たちの「計画」とはその程度のものだと思っていたってこと。 それを後から、イケシャアシャアと「配給計画全体が狂ってしまう」と言い放つなど、この人達のやっていることには、責任感というものが全く感じられません。 さて、この記事、 -- とんだ“政治主導”で困らされるのは、いつも現場の人間ということか。 -- こんな風に結んでいますけど、こんな自称「自衛官」達を「現場の人間」扱いしたら、おそらく本当に現場で働いている人は激怒するでしょうね。 ただ他人の悪口だけをふれ回るために集まった自称「自衛官」達。 こんな連中に日本の国を守らせようとしても、まず役に立ちそうにないですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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