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(3)で述べた、東電が福島第一原発から全面撤退しようとしていたという話の続きです。 産経阿比留記者と東電は一生懸命、事実をなかったことのように装っています。 -- 東電撤退も誤解 3月14日夜、2号機原子炉の破損を懸念した吉田所長が東電本店に「必要な人員を残して作業員を敷地外へ退避させるべきだ」と相談した際にも、「伝言ゲーム」の過程で誤解が生じた。 これを官邸側は「東電が全面撤退」と受け取り、菅氏は15日午前4時ごろに清水正孝社長を官邸に呼び出した。清水社長は「そんなことは考えていない」と明確に否定したが菅氏は納得せず、午前5時半ごろに東電本店に乗り込み、再び怒鳴り散らす。 (中略) だが、東電の勝俣恒久会長は3月30日の記者会見で明確にこう否定している。 「施設にいた800人を超える職員のうち、直接、発電所の運転に関わらない半数の作業員は退去を考えたが、全員を退去させるということは決してなかった」 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120108/plc12010803130003-n2.htm -- 「半数」が、東電が作成した資料で大嘘だったことが確認されているのは前エントリで述べた通り。 さすががに「9割の作業員は退去を考えた」とは言えなかったんでしょうね。9割と言っちゃったら「そりゃ全面撤退と変わらんでしょ」「1割の作業員で何ができるんです?」と記者に突っ込まれるのは必定ですからね。 「半数」なんて嘘をついたこと自体が、東電の後ろめたさをよく表しています。 そしてこの撤退話がマスコミに出る度に、東電は一生懸命それを否定しようとします。 -- 『当社関連報道について』 3.当社が現場からの全面撤退を考え、それを国に伝えたという報道がなされていますが、そうした事実はありません。すなわち当社が国へ申し上げた趣旨は「プラントが厳しい状況であるため、作業に直接関係のない一部の社員を一時的に退避させることについて、いずれ必要となるため検討したい。」ということであります。 なお、この点について、4月18日と5月2日の参議院予算委員会で、菅総理(当時)は「社長にお出ましをいただいて話を聞きました。そしたら社長は、いやいや、別に撤退という意味ではないんだということを言われました。」(4/18)、「ある段階で経産大臣の方から、どうも東電がいろいろな状況で撤退を考えているようだということが私に伝えられたものですから、社長をお招きしてどうなんだと言ったら、いやいや、そういうつもりはないけれどもという話でありました。」(5/2)と発言されています。これは、当社が認識している事実関係と一致するものと考えています。 http://www.tepco.co.jp/cc/kanren/11091301-j.html -- と、菅前首相の答弁まで引き合いに出して、とにかく必死。 確かに菅さんはそのように答弁していますけど、「全面撤退と言わなかった」のは清水社長が呼びつけられた時の話。 東電がそれ以前に全面撤退を考えなかった、またその申し入れをしなかったという根拠には全くなりません。 そもそも、菅さん達は明らかに「全面撤退」と受け取ったからこそ、社長を呼びつけたのです。だったら、東電にしてみれば仮に「全面撤退」の申し入れをしていたとしても、社長が首相の所に行く時には、受け入れられなかったことは認識済み。 だから、これ以上社長が怒られないように「そういうつもりはない」と方針転換したと考える方が、よっぽど自然です。 だいたい、「伝言ゲーム」なんて言いますけど、そもそも「全面撤退」ではないような話をなんでわざわざ政府に申し入れなければならないんです? 福島第一原発には通常時なら数千人の人が働いている。でも、その申し入れをした時点で、会長によれば「800人」、東電の作った対応記録によれば「720人」の人しかいなかったんでしょ。 即ち「作業に直接関係のない一部の社員を一時的に退避させる」なんてことは、「いずれ必要となるため検討したい」も何も、とっくの昔にやってしまっていたんでしょ。 だとしたら、改めてそのような「申し入れ」をしたとしたら、それは「全面撤退」以外に無いんじゃありませんか? 既に「数千人」もの人間を政府に断らずに避難させているのに、いまさら「数百人」の人間が避難することを「いずれ必要となるため検討したい」なんて断りを入れる理由が無い。 あるいは、それまでも政府に作業員が避難する前に必ず断りを入れていたんでしょうか? だとしたら、この時だけ政府がそれを強く拒否する理由が無い。 どちらにしても、東電の言動は矛盾しています。 それこそ、 『たとえ隠したいと願っても、隠しきれるものではないのだろう。』 です。 そして、阿比留記者は件の記事を、 -- 「国会の事故調で徹底して原因究明、責任追及をやるべきだ。菅氏も含めて、場合によっては牢屋(ろうや)に入れることが必要だ」 みんなの党の渡辺喜美代表のこの主張通り、二度と悲劇と愚行を繰り返さないため全容解明が待たれている。 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120108/plc12010803130003-n3.htm -- こう〆ていますが、「場合によっては牢屋(ろうや)に入れることが必要だ」とは、この人自身に向けられるべき言葉と言えましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
2013年03月11日 04時12分16秒に財布 ヴィトンさんという方からコメントいただきましたが、書き込まれたURに誘導するためのみのものと判断されるため、削除いたしました。
(2013年03月11日 06時27分44秒) |