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テーマ:政治について(19738)
カテゴリ:海外の話
自称ジャーナリスト古森氏の妄言の続きです。 -- 80年と類似する「大きな政府」対「小さな政府」の構図 さて、現在の選挙戦が1980年の選挙戦も想起させるのは、政策面での対決の類似性のためである。 80年当時、現職大統領だったジミー・カーター氏は民主党の超リベラル派だった。国内政治では「大きな政府」策を熱心に推進した。企業への規制を強化し、公共事業を増大させ、福祉を拡大した。その結果、財政赤字が記録的に増えて、金利やインフレを高め、失業を増した。景気の回復には政府支出の大幅な増大であたり、かえって景気を悪化させた。 カーター大統領は対外的にもリベラル的な姿勢で、当時の主敵のソ連に対してソフトで宥和的な態度をもって接した。軍縮交渉でも一方的な兵器削減などを打ち出した。その結果、ソ連を増長させ、アフガニスタンへのソ連軍大侵攻を招いた。 80年の共和党の対抗馬、ロナルド・レーガン氏はこのカーター政策にすべて反対する超保守主義を掲げた。 国内政策では「小さな政府」を徹底して進めた。経済政策でも政府の介入や監督を最小限にし、民間の活力に依存することを推奨した。社会福祉でも自助努力を強調し、政府の支出を最小限にすることを唱えた。対外的には大規模な軍事力増強を提唱し、ソ連との対決を明確にした。これら保守主義への勧めは米国民の多数派の熱い賛同を得た。保守主義は米国の政治史上でも初めて草の根に浸透したのだった。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34372 -- そもそも、カーターが『「大きな政府」策を熱心に推進した』というレッテル貼りからして間違い。彼は石油産業や航空業界に対して、大幅な自由化を推し進めたのであり、特に航空自由化は今のLCC隆盛への流れを作ったと言っても過言ではないと私は思ってます。 彼の政府が財政赤字を拡大させたのは、第二次オイルショック等による不況対策のためであり、確かにそういう不況を呼び込んでしまったという責任の一端があるのは否定出来ませんが、それは彼が「大きな政府」を指向したからという批判は的外れです。 一方、レーガンは「小さな政府」などと口では言いましたけど、結果的に彼はただ減税をしただけで、政府の支出を切り詰めるようなことはできなかった。だいたいあれだけ軍事費を拡大しておいて「小さな政府」もあったものじゃありません。 よって、レーガン時代にアメリカの財政赤字はカーター時代よりも2倍に拡大したことこそ事実です。 -- 今回の2012年の選挙でも、この「リベラル」対「保守」、「大きな政府」対「小さな政府」というイデオロギー上の対決が顕著である。 オバマ大統領の支持率低下についても、日本の大方のメディアは「経済運営の不手際からの失業率の高まり」を最大の原因に挙げている。攻撃する共和党側の姿勢についても、日本の主要メディアはオバマ政権下での高失業率を最大の争点にしているかのように報じている。 だが、実際に共和党側が最大の攻撃の矛先を向けているのはオバマ大統領の超リベラル「大きな政府」政策なのである。国民の諸問題への対処に、とにかく連邦政府の役割を拡大しようとするリベラリズム政治こそが非難の最大標的なのだ。 共和党は、オバマ大統領の施策を、国家の権限を肥大させる「社会主義的統治」とまで断じて、思想や理念の対決を挑んでいるのである。 -- 「イデオロギー上の対決が顕著」なのは、共和党の候補者指名争いの中においてでしょう。 彼の願望とは裏腹に、現時点で共和党予備選のトップを走っているのは中道穏健派のロムニー。このまま彼が候補に指名されたら、彼はこの駄文の落とし前をどうつけるのでしょう。 だいたい、「リベラリズム政治こそが非難の最大標的」としているのは共和党全体ではなく、共和党の中のティーパーティーのような一部のカルトグループだけ。 彼の頭の中は共和党=超保守というステレオタイプで凝り固まっているようですけど、現実の共和党はそんな集団じゃありません。 だいたい、これまでの大統領選の共和党候補者の中で「保守」と言われたのはゴールドウォーターとレーガンくらいのものであって、ほとんどは「中道」と言われる人々。 それこそが本当の「歴史」です。 -- こうした今回のイデオロギー面での対決は、まさに80年、共和党保守のレーガン氏が民主党リベラルのカーター氏に挑んだ戦いの内容と同じだと指摘する向きが多いのだ。 -- 「多い」というのは彼の周りでってことだけでしょう。 そういう自分好みの人間としか付き合ってこない、こういう自分から視野を狭めている人がジャーナリストとしてまともな仕事ができるはずもありません。 -- 選挙結果は日本の国のあり方にも影響を及ぼす ちなみに、今、米国で展開される「大きな政府」か「小さな政府」か、の争いの帰趨は日本を含む他の主要諸国にも意味するところが大である。 ヨーロッパではギリシャ、イタリア、スペインなどの政府の財政破綻は「大きな政府」策の政府支出過剰の失敗を証明した。だからこそ米国の保守派は「小さな政府」の効用に熱をこめるのだろう。 日本でも、今の民主党政権は明らかに「大きな政府」策へと走った。その走り過ぎが今や消費税増加策などを生んでいるのだろう。 こうして全世界的に意味を持つ「政府のあり方」を問う米国の大統領選挙の行方は、日本の国のあり方を決める論議でも非常に重要な要素となるのである。 その米国の大統領選挙では果たして温故知新の教えがどこまで生きるのか。これからの約9カ月の間、注視されるところである。 -- そして、この駄文は最後に昨今のヨーロッパの財政危機まで持ち出して、「大きな政府」を攻撃している。 でも、彼が持ち出した3カ国のうち、今回の財政危機が彼が忌み嫌う左派系の政権によるものと言えそうなのはスペインだけ。イタリアは一時的な断絶はあったとしても、昨今はずっとベルルスコーニ首相が率いた保守系の政権だったし、ギリシャの危機は、中道左派が政権を握った後に、前政権が赤字を隠していたことを暴露して始まったもの。 「財政赤字」「大きな政府」かどうかとイデオロギーには大した関係は無い。 そして、アメリカの大統領選で、そんな「イデオロギー」なんてものが本選挙での大きな争点になったこともない。 そういう「歴史」を直視せず、ただ自分に心地よい妄想に浸りつつ、それを垂れ流すだけの駄文を書いて生きる。何ともお気楽な「ジャーナリスト」こと政治屋ですこと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年03月01日 22時55分32秒
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