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テーマ:政治について(19782)
カテゴリ:エネルギー問題
福島原発事故についての国会事故調が官邸の介入云々と言ったもので、産経がはしゃいでいますが、はしゃぎ過ぎて、おそらくはフレンドリーファイアまでやらかしたのが以下の記事。 -- 「プライバシーの問題」 東電、会議録画の公開拒否続ける 2012.7.8 01:13 (1/2ページ)[放射能漏れ] 福島第1原発事故で、東京電力が録画していた福島第1原発と東京の本店などを結ぶテレビ会議の録画映像を公開するよう求める声が強まっている。事故解明の“一級資料”とされ、その一端は5日に公表された国会の事故調査委員会の報告書で明らかにされたが、東電は「プライバシーの問題がある」と映像の公開を拒否したままだ。 生の声を収録 「こんな悠長でいいのか」「物だけもらっても人がいない」--。5日公表された国会事故調報告書に盛り込まれたテレビ会議の記録は、事故対応に追われ、官邸の介入で混乱する現場の声を生々しく再現した。 政府と東電で主張が対立している東電社員の全面撤退問題について、国会事故調が「菅直人首相(当時)が『全面撤退』を阻止した事実は認められない」と結論づけた根拠のひとつも、テレビ会議の映像だった。 映像には菅氏の東電本店での“叱責”や、政府・東電統合対策本部での政治家の発言も残されているとされ、事故対応の検証に欠かせない重要資料だ。 枝野幸男経済産業相も「なぜ公開しないのか意味不明だ」と公開を求めているが、東電は「社内資料でプライバシーの問題がある」と拒否し続けている。 録画にルールなし そもそも、東電のテレビ会議システムはどういうものなのか。東電によると、テレビ会議システムは東電本店と第1原発のほか、第2原発やオフサイトセンター、柏崎刈羽原発などに設置されている。画面は分割され、発言があるとその部分が強調されて情報共有できる仕組みという。 ただ、映像は自動的には記録されない。東電本店での録画が始まったのは、事故翌日の昨年3月12日午後11時ごろから。東電は「担当者が機転を利かせて録画を始めた」としており、「非常時にテレビ会議を録画するルールを定めていなかった」と釈明する。 さらに、15日午前0時ごろ、本店の録画装置のハードディスクの容量がいっぱいになり、16日午前3時半ごろまで録画は中断した。 一方、第2原発では11日午後6時半ごろから録画を開始。だが、担当者が「音声録音の設定を失念した」(東電)ため、音声なしの録画が17日午前まで続いたという。このため15日早朝の菅氏の映像は、第2原発の録画で音声はないと東電は説明しており、「本店と第2原発以外の録画は存在しない」としている。 「国民の共有財産」 東電が公開を拒み続け、貴重な記録が失われるとの懸念も広がっている。 原発事故をめぐる東電株主代表訴訟の株主側は6月29日、「国民全体の共有財産だ」として、録音、録画記録の証拠保全を東京地裁に申し立てた。 株主側は、公開の可否が東電に委ねられている現状を「異常だ」と指摘。政府と国会の事故調査が終了した後に「東電が責任回避のため記録を消去する危険性が大きい」と危惧している。 映像に登場する菅氏も公開を強く要求している。国会事故調の官邸対応などの評価が「私の理解と異なる」と反論する菅氏は「事実関係を明らかにするため、東電のテレビ会議など客観記録の公開が不可欠だ」と強調している。 これに対し東電新社長に就任した広瀬直己氏は6月28日の会見で、「(公開の)リクエストが強いのは理解している。まず見て、プライバシーの問題がどの程度か判断したい」と述べた。東電の情報公開は複数の事故調でも批判され続けてきた。批判を真摯に受け止め、事故の真相解明に向き合えるか、新生東電の姿勢が問われている。 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120708/dst12070801140000-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120708/dst12070801140000-n2.htm -- 細部はともかくとして、この記事に書かれている主張は概ね頷けるものであると言えます。 本当に事故直後の映像記録が残っているなら、これは事故原因を解明する上で重要な資料になることは、間違いありません。 では、何故東電は出し渋っていたのか、一方菅前首相は公開を求めているのか。 常識で考えれば、前者にとっては都合の悪い事、後者にとっては都合の良い事が記録されているからでしょう。 産経は、その可能性には全く考えが及んでいないのか、これを公開しろと主張していますが、本当に公開されて困るのは、嘘を吐き続けていた東電であり、菅前首相の個人攻撃に血道を上げていた、阿比留なる自称記者を筆頭とする産経の面々だと思いますがね。 ちなみに、「細部はともかく」と申したのは、産経が -- 「こんな悠長でいいのか」「物だけもらっても人がいない」--。5日公表された国会事故調報告書に盛り込まれたテレビ会議の記録は、事故対応に追われ、官邸の介入で混乱する現場の声を生々しく再現した。 政府と東電で主張が対立している東電社員の全面撤退問題について、国会事故調が「菅直人首相(当時)が『全面撤退』を阻止した事実は認められない」と結論づけた根拠のひとつも、テレビ会議の映像だった。 -- などと書いている点。 国会事故調の報告書にある限りでは、あの資料には「官邸の介入で混乱する現場の声」なんて含まれていない。資料にあったのは「官邸に適切な情報提供すらできない、東電本店の当事者能力の欠如により混乱する現場の声」。 そして、「テレビ会議の映像」なんかで菅前首相が撤退を阻止した事実は認められないなんて結論づけることなどできるはずがない。仮に、そこに東電による全面撤退の意向を示す痕跡がなかったとしても、それ以外の場で検討がなされていた可能性を否定することはできないのですから。そして現実には、その映像には所員が「全面撤退」の指示が来るのは何時頃かと尋ねる場面が映っているのに、それは「勘違い」だと所員に責任をなすりつけ、それを鵜呑みにしたのが国会事故調なのですから。 もし、全部の映像が公開されたら、産経にとっては甚だ都合が悪い事態に陥るのは必定でしょう。 そういう考えもなしに、こんな記事を書いて、結局、公開への流れを作った。その意味では産経のGJってことでしょうか。 それにしても、「担当者が機転を利かせて録画を始めた」、「録画装置のハードディスクの容量がいっぱい」、「音声録音の設定を失念した」ですって。 よくもまあ、こうもいろんなことが起きますね。 普通に考えたら、東電が自分にとって都合の良いところだけ映像記録をつまみ食いしようとしていると、受け取るべきものだと思います。 で、結局23日以降に公開するとのことですが、なんでそんなに時間をかけるのでしょう。 この上さらに、何か小細工しようとしていると思われても仕方ないと思うのですが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年07月22日 08時51分12秒
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