000000 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

白砂青松のブログ

PR

X

全52件 (52件中 11-20件目)

< 1 2 3 4 5 6 >

海外の話

2008年09月23日
XML
カテゴリ:海外の話

大統領選挙も山場を迎え、またリーマンブラザーズ破綻から株価乱高下と、経済状況からも目が離せないアメリカですが、かの有名なワシントン駐在の産経新聞特別編集委員、古森義久さんは、ご自身のブログでは北京オリンピックの総括にお忙しい模様。
リーマン破綻には全く言及が無く、大統領選挙ネタもここ10日ほどエントリが上がってません。

9月初旬にあれだけマケイン/ペイリンを持ち上げていたのですから、このところの支持率急落についても何らかのご意見を聞きたいところなんですけれどね。

『マケイン候補への支持が急増した――勢いの原因はなにか。』
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/711457/

ちなみにこのエントリの直近のコメントにある人が、共同通信の元政治部記者の方が書いた『ザ・記事審』という本を間接的に紹介していて、
--
「『捏造』には『書く捏造』の他に、『書かない捏造』(ネグる)と『書かせない捏造』があると、私は常々思っている。この『書かせない捏造』こそ曲者だ」と前置きし、政治部時代の忌まわしいエピソードを暴露しています。
--
と書いてます。

この人がどういうつもりでこれをコメント欄に書いたのかわかりませんが、マケイン支持が急落したことを自身のブログに『書かない』古森さんの姿が、私には重なって見えました。それに対して、

--
本の紹介をありがとうございます。

こんど入手して、目を通してみます。
--

とレスしている古森さん、自覚はないようですね。
まあ、そのうち何か書かれるでしょうから、それでも良いのかもしれませんが。

===================================

で、大統領選について書いた最後のエントリ(13日付)、

『米国大手メディアはオバマ候補を支援する』
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/715475/

その中で古森さん、

--
大手メディアがオバマ氏のケニア人の父親やインドネシア人の義父についてほとんど報じず、反米、反白人の激烈な説教をした黒人牧師との長年のきずなもラジオの保守系トークショーに押されて渋々と伝えたことも、この「オバマびいき」偏向に帰されている。
--

こう書いた。
それに対して、ある人が

--
この個所に疑問を感じました。だったら、父親はケニア人で、義父はインドネシア人であることを書きたてればご満足なんでしょうか。マケイン氏は両親とも白人、ペイリン氏の両親も白人、という報道がありましたか。日本人がレイシズムを期待するようなことを書いてはいけません。
--
どういう意味で
>>大手メディアがオバマ氏のケニア人の父親やインドネシア人の義父についてほとんど報じず、
と書かれたのですか? 是非知りたいので、ご回答お願いします。
--

とコメントされた。
私にしてみれば至極真っ当なコメントだと思いましたが、古森さんの反応は、

--
あなたはまず私の記述を勝手にねじまげ、「日本人のレイシズムを期待するようなことを書いている」と因縁をつけているではないですか。私の記述からこんな解釈ができるなんて、頭がおかしいですね。
--
誰がそんな要求に応じるもんですか。
以下にあなたの病んだ発想(私への嫌がらせでしょう)からのコメントを貼り付けておきます。
自分でえらそうに勝手な答えを出しておいて、なにがご回答か、ですよ。
なにが「書いてはいけません」か。笑わせるな、ですよ。
--

ですって。
おそらくは本人も筆が滑ったという自覚があるから、こんな反応を示しているんじゃないでしょうか。

その点、私のところの「常連」さんが、自分の矛盾が顕になった時に示す幼児性と非常に良く似ています。

===================================

私は、民主党がオバマ候補を選んだ時から、人種がマイナスの効果になるとずっと思っていました。
結果的に彼が大統領になれたとしても、政策ではなく人種を理由にマケインに投票するというアメリカ人は必ず現れる。それは避けがたいことです。

真っ当なアメリカ人は人前では人種で人を区別するような話はしないし、自分は人種的偏見など持っていないという姿勢をアピールしようとします。おそらく世論調査で聞かれてもそう答える人が大多数でしょう。
でも、選挙の投票では、そういう外向きの意思表示は必要ない。自分の本音で投票すればいい。
その時に、政策よりも人種という本音で投票する人が必ず現れる。

ですから、今回の選挙に関しては世論調査の数字でオバマ有利と出ていても、開票が終わるまで民主党は気を抜けないだろうと私は思っています。
その点、ヒラリーの方がそういうブレは少なかったでしょう。

そして、アメリカは過去にそういう鋭い人種対立を経験した国であり、アメリカのメディア関係者は自分達が人種に触れることは、そういう対立を煽る可能性があると自覚している。だから敢えてそういうことは報じないのではないでしょうか。
最近でも、ルワンダの虐殺においてメディアが人種対立を煽ったのが虐殺を引き起こした一因と言われていますし。

メディアがそういう問題意識を持って、あのような報道を行っているのかもしれないのに、外国の新聞の論説委員の肩書きを持つものが、無邪気にも「大手メディアがオバマ氏のケニア人の父親やインドネシア人の義父についてほとんど報じず」なんて書きたて、それを「偏向」とまで断ずるのは、真っ当なアメリカ人からみたらアメリカを分裂させようとする一種のテロ行為にしか見えないのではないでしょうか。

私の目にも、古森さんの記述は配慮不足に映りました。








最終更新日  2008年09月23日 03時02分02秒
コメント(0) | コメントを書く


2008年08月30日
カテゴリ:海外の話

どうやら、中国と台湾の間では共同で尖閣諸島海域の油田開発をしようと談合を進めているようです。

--
日本けん制、中台連携で尖閣諸島での共同油田開発か

 中国の対台湾窓口である海峡両岸関係協会の陳雲林会長と台湾の対本土窓口である海峡交流基金会の江丙坤理事長が、10月にも再び会談を行う見込みだ。議題は、両者による共同油田開発で、開発予定地域には尖閣諸島(中国名:釣魚島)も含まれている。台海網などが伝えた。

 台湾の報道によれば、今年3月の台湾総統選以降、台湾の中国石油の潘文炎董事長がお忍びで何度も中国を訪れ、中国と台湾による共同での油田開発について協議してきており、今回大筋で合意に達したという。

 主な合意事項は、台湾の中国石油が北京に事務所を設立、中国の石油メジャーである中国海洋石油(CNOOC)や中国石油化工(シノペック)もそれぞれ台湾に事務所を設立、これらの連携を通じて、海外油田の探査や、尖閣諸島海域での油田開発で協力していく、というもの。

 中国現地報道では、中国側が今回、台湾との共同開発を進めたのは、「聯台制日」という思惑があったためと指摘している。「聯台制日」は台湾と連携して、日本をけん制する、という意味で、尖閣諸島海域でのエネルギー開発において、日本の権益を少しでも低めたい考えだという。(編集担当:鈴木義純)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080829-00000039-scn-cn
--

台湾の人々にとっての最優先事項はイデオロギーではなく自身の経済的繁栄の持続なんですから、このような動きは当然あってしかるべき。

しかし、こういった事実があったとしても、相変わらず台湾有事で台湾を日本が軍事支援するんだ~~なんてゲームシナリオのような未来を夢見ている日本人は、泥の中に頭を突っ込んで見ないふりをするんでしょうね。

困ったものです。

実際にこの動きが具体的な油田開発活動にどうつながって行くのかは不明ですが、十分な自前のエネルギー源を持たない台湾としては、尖閣諸島海域で油田がみつかるとしたら非常に大きな意味を持ちます。
それを確保するためには日本を何らかの形で後退させなければならないのですから、そのためには中国と手を結ぶというのは当然の成り行きと言えましょうか。

石油公団を潰したことで、日本は国として石油開発はやらないというメッセージを発信した。
そのツケがここにも回ってきたと言えましょうか。









最終更新日  2008年08月31日 02時39分00秒
コメント(2) | コメントを書く
2008年08月28日
カテゴリ:海外の話

11月に行われるアメリカ大統領選挙の民主党候補者にオバマ上院議員が指名されました。

まあ、通常は党大会前に大統領候補自体は確定しているので、どちらかと言えば本選挙に向けて党の結束を示すためのセレモニーであり、むしろ注目されるのは副大統領に誰がなるか。
今回、オバマ候補はバイデン上院議員を選びました。

外交経験豊富で知られるバイデン議員を選んだのは、予備選中に経験不足と言われた点への答えであるとともに、やはり白人層の黒人に対する忌避感をやわらげる効果を狙ったものであろうと考えられます。

このバイデン上院議員に対して忌避感を顕にしているのは、彼に「対北宥和派」だとかレッテルを貼っているあの島田教授をはじめとする人々。マケインに勝ってもらわないとなんて言うのは勝手ですけど、そんなことを日本語のブログに書いて何の意味があるのでしょうね。
そもそもアメリカの政治家にとって北朝鮮の最大の問題は「核」であって、それ以外は「些末」な出来事なんですから、それが当然。それを、そもそも日本人が解決しなければいけない問題をアメリカに解決してもらおうなんて事を考えているから、ああいう頓珍漢な反応を示すんでしょね。

そういえば、ここに出入りしているオーストリッチ症候群の方が、台湾関係法においてアメリカが台湾を軍事支援する義務はないというのが現在の法解釈というウィキペディアの記載が、誰が言ったかわからないとか強弁してましたけど、以前のエントリに書いた通りバイデン上院議員はそれを言った一人。
これで民主党政権が誕生すれば、あれは「副大統領が言ったこと」となる。

まあ、もともとそれがアメリカのスタンスではあるんですけど、前民主党大統領候補の言ったことでも頬被りする人に、「さすがにわかるでしょ」と言えるようになるのは、ああいう人に粘着されているブログ主としてはありがたいことと言えます。

いずれにしろ、民主党政権になると、アメリカは早期にイラクやアフガンから手を引く可能性が高い。
そして中国をより重要なパートナーとして東アジア地域の安定をはかる可能性も高い。

今後は、アメリカがそういう行動に出た時に梯子を外されないように気をつける必要があるということですが、それはある意味正常な2国間関係であり、親米保守の皆さんがアメリカに盲従しなくなることで日本の今後にもプラスになるのではないかと私は期待しています。







最終更新日  2008年08月29日 06時11分49秒
コメント(0) | コメントを書く
2008年08月18日
テーマ:戦争反対(1066)
カテゴリ:海外の話

南オセチアを巡るグルジアとロシアの間の今回の紛争は、グルジアは攻め込んだはいいが、ロシアに追い返されて、結局人命と戦力を失っただけで終わりそうです。

当該地域の分離独立問題については、いろいろな考え方があるのでしょうが、最終的にはロシアの思惑に則った線に落ち着く可能性が、この紛争の結果として高まったと言えるかと思います。

そもそもグルジアという小国がロシアなんかに戦争を仕掛けて勝てるはずがない。
にも関わらず攻め込んだのは、自国が親欧米路線をとっているから、それらの国々が介入してくれるはずだと考えていたことはまず間違いないでしょう。

おそらくは南オセチアを占拠してしまい、英米仏などの後押しを得てそれを既成事実化しようというハラだったのでしょうけれど、ロシアの反撃があまりにも強く、また安保理常任理事国であるロシアが相手では、英米仏もその軍事行動を止めさせることもできず、直接軍事介入することもできなかったということでしょう。
アメリカなどは南オセチアの主権はグルジアにあると口では言うものの、その実効を得るための支援はなく、できることはグルジア領内まで進攻したロシアを撤退させるために牽制することぐらいです。
しかも、今回はグルジア側の「先制攻撃」。これがロシアが侵攻したというなら、他国の反応はもっと違っていたでしょう。

やはり戦いは「後の先」だということです。

==============================

で、このグルジアは総兵力2万強の国ですが、その小国がイラクに2千人もの要員を派遣していた点が注目に値するところ。
ロシアと領土紛争を抱えたグルジアが、何故総兵力の1割もの要員をイラクに送っていたかと言えば、これはもう自国に安全保障上の危険が迫った時に、英米の支援を受けることを期待していたとしか解釈しようがありません。

でも、残念ながら結果は伴わなかった。

そして、これは日本にとってもよい反面教師となったと言えるのではないでしょうか。
日本が自衛隊をイラクに派遣するにあたって、それを正当化するために、中国や北朝鮮の武力侵攻が起きた時にアメリカの支援を受けるためという言説がまかり通っていましたが、それは当てにならないということ。

いくらイラクでアメリカを助けても、それはそれ、これはこれ。
まあ、日本の場合は安保条約という明示された約束がありますからまだマシですけど、中国やロシアのような安保理常任理事国が相手では、アメリカにできることは限られている。
そして、一旦派遣したら簡単に呼び戻すことはできないってこと。だから、アメリカが日本に自衛隊の派遣を要請し、日本がそれに応えたら、自衛隊を増強しない限り、その分日本の防御が薄くなることを意味するということ。
加えて先に手を出すのは、やめた方がいい。

日本が何をやってもアメリカが助けてくれると思い込んで、中国相手に勇ましいことを言う人がウヨウヨしてますけど、現実はそんなに甘くないってことです。








最終更新日  2008年08月18日 11時29分54秒
コメント(2) | コメントを書く
2008年05月26日
テーマ:戦争反対(1066)
カテゴリ:海外の話

(1)では中国による台湾の武力統一の蓋然性について、(2)では中国やアメリカの強硬姿勢が国内向けのポーズであるという点について述べました。

では、今後台湾問題はどうなって行くのか。

もちろん、私は預言者ではないので、必ずこうなるなんてことは言いません。
しかしながら、

「中国が台湾を武力侵攻したところで、共産党(もしくはその首脳陣)の権力維持以上のメリットは無い。」
「台湾では民進党が立法院選挙、総統選挙で惨敗し、国民党政権が成立している。」
「アメリカの台湾関係法は国内法であり、台湾を軍事支援する義務は無い。」
「米中が戦争したところでどちらも完全に勝利することは不可能。」
「アメリカの対中貿易は対日貿易を上回る規模に拡大している。」
「中国の対米貿易も対日貿易を上回る規模に拡大している。」

これらの点を前提に考えれば、一部のネット右翼さんが夢想している、中国が台湾に武力侵攻し、アメリカが台湾救援に駆けつけて米中間で戦争が起きるなんて図式は描きようがないとは言えます(偶発的に起きる可能性は否定しませんが)。

となると、どういうシナリオが考えられるか。

==============================

(A)平和的統一ケース

台湾で国民党政権が誕生したこともあり、今後中国と台湾との間での対話は進むでしょう。
しかしながら、現状ではそれが簡単に統一に至るとは考えにくい。

これは中国側に「一つの中国」政策の見直しの兆候が出てこないと、話は進まないでしょう。
その点、これまでにも台湾側からはいろんな形で「一つの中国、一つの台湾」や香港のような「一国二制度」を模索するような動きは出ています。前政権のような「台湾独立」とまではいかなくとも、ほとんどの台湾人は、中国にそのまま飲み込まれるよりも現在の政治体制の方がマシと考えているはずであり、その「独立性」が守られる確証が得られれば、独立でもない併合でもない形での台湾の地位確定に進む可能性は大いにあると考えます。

いずれにしろ、このケースが実現するためには中国に何らかの変化が起きないとダメ。
でも、その変化は今回の四川地震のような天変地異であっても起こし得る(政情不安が発生し、台湾と事を構える余裕が無くなる等)ものではあるので、一気に動く可能性も無いわけじゃないですね。

==============================

(B)武力侵攻ケース

(2)で述べたように、中国の対台湾強硬姿勢は、もっぱら国内向けのポーズ。
現状で武力侵攻をしたって台湾を併合するメリットよりもデメリットの方が大きい。

従って、実際に中国が武力侵攻するとしたら、

*武力侵攻しても台湾の人々の反発が大きく無いという見通しがたった時。
*そして、アメリカがそれを黙認するという見通しがたった時。

この条件を満たした時です。

後者は現在のアメリカの実力と米中関係を考えれば何時成立してもおかしくない。
現に昨年、アメリカは台湾独立にはっきり反対した。それを無視して独立に走り中国の武力侵攻を招いたとしたら、「警告を無視した自業自得」となるのは自明。アメリカは台湾が自分達を守るなら助けるつもりはあるけど、台湾がそうやって自爆するのに付き合うつもりはない。
別の意味(アメリカが武器を売ると言ってもなかなか予算計上しない)ではありますけど、台湾に自分を守る気が無いなら助ける必要はない、という発言は既にアメリカの議会からは上がっています。

問題は前者の条件。
台湾の人民が中国による武力侵攻を容認することはあるのか。
何の反発もないということはないでしょが、「仕方ない」となる可能性はないわけじゃない。
例えば今回立法院選挙で民進党が惨敗した。つまり直近の民意は独立反対だった。にもかかわらず総統がそれを無視する形で台湾独立を宣言し、それが中国の武力侵攻を引き起こしたら、台湾人の中でも「仕方ない」と考える者がそれなりの比率になったことが考えられます。

しかしながら、私が一番ありそうだと思うのは、やはり政情不安による治安悪化。台湾の治安が悪化し、台湾当局にそれをコントロールする力が無いとなった時、台湾人民の安全を確保するためと称して、中国は台湾に軍を送り込むだろうと私は予想しています。
現状よりも安全な暮らしが確保されるという期待があれば、政治体制が変わっても台湾人はそれを受け入れる可能性が高いし、アメリカもそれに異を唱えることは難しいでしょう。

で、そういう政情不安はどういう場合に起きるかと言うと、一つにはやはり天災が考えられます。今回の四川地震のようなものが台北を直撃し、台湾当局が機能不全に陥ったところで救援目的で軍を送り込む。ただこれはあくまでも運任せ。

もう一つは独立派と非独立派がテロの応酬を始めること。
私は、もし中国が台湾に武力侵攻をする気なら、まずここから手をつけるだろうと予想しています。即ち、どちらかもしくは両派に入り込んで、そういうテロ行為をするように煽る。そうやって治安が悪化したところで、中国軍が「人民の安全確保」のためと称して進駐する。ミエミエの手ではありますけど。

逆に言えば、台湾でそのような治安悪化が生じるまでは、中国の武力侵攻は差し迫っていないと言えると、私は考えています。

そして、中国が武力侵攻をするのは、アメリカの黙認が得られることと台湾側の反発が制御できると見極められた時。
その見通しが立たなければ、台湾に武力侵攻する意味がありません。

==============================

(C)中台並立ケース

これは結局、現状が当分続くというケース。
はっきり言って、今の中国、台湾にとってこれが一番メリットが大きいシナリオでしょう。

統一なんて無駄なことはせず、お互いに経済的利益を享受すべく交流する。
でも、隣には敵国が居るとふれまわることで、政権への求心力を維持する。

中国、台湾とも、人々が合理的な損得勘定をすれば、こういう方向に向かうと私は予想しています。
問題は、お互いの面子を保つための行動によって、相手の反応を制御しきれなくなる可能性があること。

今回の台湾独立の動きはその一例でしょう。
台湾の民進党としては、国民党との違いを打ち出すためにも、台湾独立に言及せざるを得ない。
中国共産党首脳としては、それを許したら自分達が失脚しかねない。

だからその一線を越えないように、自由と民主主義を標榜しているはずのアメリカが「公民投票」にさえ反対した。

そして、台湾の人々は冷静に損得を考えて、今回は国民党に勝たせた。
よほど特別な環境変化でもない限り、この状況が両国にとってメリットが大きいという点は簡単には変わらないだろうと思います。

==============================

で、これのシナリオにどのように日本が絡んでくるかとなれば軍事的にはほとんどやることは無いってこと。

(A)ではお互いの合意の下での統一。
(B)でも中国の侵攻を黙認しているアメリカは救援になど来ない。
(C)も日本には関係ない話。

いずれにしろこの問題で米中台は手を結んでいる。その状況で、外野の日本が自分の思惑で中国を敵視の言動を繰り返すなど、ピエロもいいところでしょう。

最後にもう一度繰り返しますが、中国が台湾に武力侵攻するということは、彼らは台湾を安定化させなければならない。
彼らには、イラクにおけるアメリカのように「傀儡政権」樹立で勝って撤収という出口は存在しない、撤退即敗北です。
アメリカの黙認もなく、台湾人の反発をコントロールできる見通しもなく、闇雲に武力行使したって、中国には何のメリットも無い。だからそんなことはやらない。

どこかの誰かさん達が思い描いているような、台湾海峡で中国と台湾が衝突して、アメリカの空母艦隊が太平洋から救援に駆けつけて、それを中国軍が阻止しようと沖縄近海で「封鎖」にかかる、それを自衛隊が排除する、なんて事態が発生することなどまず考えられない。
こんな現実味の薄いシナリオは、所詮は自分(日本)が一番格好の良いヒーローになるためにはこうあって欲しい、という願望でしかありません。
また中国が、その程度の損得判断もできずに台湾に武力侵攻するなどというのも、相手がそういうお間抜けさんであって欲しいという願望の現われでしかないでしょう。

でも、それは現実じゃない。

今回の選挙で台湾の人々は、リスクをコントロールしながら現在の生活を維持あるいは更なる経済発展を求めて、国民党を勝利させた。それは、彼らが本当の台湾の現実を肌で感じているからでしょう。

それに対して、先日の台湾島の地球儀問題のような自分勝手な思い込みにも見られた、一部の日本人の現実感覚の希薄さには正直言って頭が痛くなります。

自分がそれでよい気分に浸っているだけならどうということもないのですけど、現実世界にそれを持ち込んで中国を挑発したり、台湾に勝手な役割を押し付けたり、そういう迷惑なことは本当に止めて欲しいものだと思っています。

以上で台湾問題については一区切りとします。







最終更新日  2008年05月27日 02時40分10秒
コメント(0) | コメントを書く
2008年05月23日
テーマ:戦争反対(1066)
カテゴリ:海外の話

(1)では中国による台湾の武力統一の蓋然性について述べました。
私はそれは非常に小さいと考えていますが、中国がそのような「脅し」をしているのは事実。台湾がそれに応じた軍備を整えているのも事実。そして、アメリカが台湾関係法という国内法を定め、また台湾で政治イベントがあると軍を台湾海峡に派遣しているのも事実です。

では、何故そのようなことをするのか。

それは専ら国内向けのポーズってことです。

外交というのはもちろん他国との関係をどうするかということであるわけですが、それを担う政治家にとって大事なのは、自国と他国との関係そのものよりも、それを自国民がどう評価するかでしょう。

結局政権を担当する者にとって何よりも大事なのは自分の評価。国民の生命財産を護るためとか言っていようとも、究極的にはそうすることができる自分が皆から評価されることを期待しているのです。
だから、アメリカに散々盾突いてきたサダム・フセインのような独裁者が、「これ以上続けたら本当に攻撃される、ヤバイ」と頭では理解したとしても、だからと言って簡単に頭を下げるようなことはできない状態に陥る。
攻撃されることの損が目に見えて来ていても、これまで散々自分が言ってきたことを翻すのは、自分の評価を下げることになる。そちらの方が怖いから、頭を下げることができない。そういう話です。本当のフセイン大統領がそういう心理状態だったのかはわかりませんが。

これが、合議制の部分がある国ではさらに顕著となります。
冷静に考えれば損だとわかっていることでも、周囲の「空気」を読んで反対できないなんてよくある話。
特に安全保障関係になると「臆病者」と言われるようなことは避けたいという心理状態も働きますから、日本が太平洋戦争に突入する前に、肝心要のところで海軍大臣が反対しなかったという事例からもわかる通り、こういうことは起き易くなると言えるでしょう。

==============================

で、これを現在の中台関係に当てはめますと、台湾としては中国に飲み込まれるという選択肢はとれない。これは純粋な損得勘定からしても同じ結論が得られるでしょう。
でも、中国側が台湾の独立に神経を尖らせるのは何故か。
もちろん、それが他の地域に波及する可能性というのも無いわけじゃないでしょうけど、実際に台湾が独立したところで、中国という国にはほとんどデメリットというものは無いと言えます。

でも、中国政府首脳の立場から見ると、話は全く別。
例えば、現在の国家主席が台湾を武力で統一したって意味が無い、独立してもデメリットは小さい、と考えたとします。
でも、それが自分達の「譲歩」を伴う以上、彼はそれを自分の口からは言い出せない。なぜなら、それを口にすれば政府内のライバルから裏切り者扱いされ、<b>自分の権力を失うリスクが増大するというデメリットが大きいからです。
そのような政策転換はまた中国共産党の権威を失墜させ、一党独裁体制を危うくするものだという判断もあるでしょう。
これが、外に対して強面で当たるという方向での転換なら、あるいは外部環境の変化があれば比較的簡単にできるのですけれど、主体的に融和的な姿勢に転換するのはなかなか難しい。

==============================

これは日本でも同じ。
北朝鮮に小泉首相が行き、拉致被害者の一部を「一時帰国」の形で日本に連れてくることに成功した。おそらくは、融和路線からの国交正常化、そして拉致被害者全員帰国というその後の筋書きもできていたのだと思いますが、「一時帰国」などとんでもないと言い出す安倍晋三のような者がわさわさと現れ、結局拉致被害者を北朝鮮に戻さず、その筋書きを壊してしまった。
一旦そうなってしまえば、今度はなかなか話を戻せない。まあ小泉再訪朝という裏ワザで連れ帰った被害者の家族は呼び寄せましたけど、おそらく死んだと言われている被害者の多くは北朝鮮国内で留め置かれたままなのでしょう。
それはわかっていても、北朝鮮との「融和」を口にすれば「媚朝」などと攻撃される現状では、誰もそれを言い出せなくなってしまった。
一方、話をぶち壊して名を売り総理にまで駆け上った安倍晋三は、結局何もせずに政権を放り出し、あれ以来一人の被害者も帰って来ない。
結局これも、本当の利益よりも自分の評価を政治家が優先させた結果です。

ただ、本来なら自分の評価がどうなろうと国民にとっての本当の利益は何かを考えるが政治家の役目なのでしょうが、一方ではそれは「独善」に陥る危険性もあるわけであり、実はどうするのが正解というものは無い。
つまり、こういうことは、多くの人が集まって組織、コミュニティーを作れば必ず起きる現象であって、組織は、その構成員やトップが望んでいる方向に必ずしも進むとは限らないということを認識しておくことが大事なのだと、私は考えています。

そして、国の方向を決めるにあたって、上に述べたように外に対して強面であたるような転換は簡単で、融和するような転換は難しいという性質がある以上、国と国は、意識的に友好を深めようとせずに放っておけば、段々と戦争しなければ収まらない関係に近づいて行くのだと私は考えています。

==============================

台湾が独立しようとしている。
その時中国政府の首脳が考えるのは、「台湾が独立した場合の中国のデメリット」ではなく、「台湾独立を放置していいのかと自分が責められるリスク」。だから武力侵攻を匂わせるし、節目節目でミサイル実験のようなこともする。
一方、アメリカ政府の首脳としても考えるのは、「中国の威嚇を放置していいのかと自分が責められるリスク」。だから空母を派遣したりする。

でも、お互いにそれはポーズなのであって、本気で戦争をするつもりはないし相手もそうだと認識している。
逆に言えば「戦争になるリスク」を考慮する必要が無いから、そういう国内向けのポーズを優先できているということです。

今のところは台湾は独立していない。
だからこの程度で済んでいるわけですが、これが現状のまま本当に独立に至ったら、お互いに抑制が効かなくなる可能性もあります。

で、台湾問題はどうなって行くのか。
(3)に続きます。







最終更新日  2008年05月27日 02時34分17秒
コメント(5) | コメントを書く
2008年05月19日
テーマ:戦争反対(1066)
カテゴリ:海外の話
先日の日記で、台湾に対する一部日本人の偏愛っぷりについて述べましたが、もう少しリアルな話として、そもそもの台湾問題についての米中台のスタンスについて考えます。

まずは中国による台湾の武力統一の可能性について。

確かに、中国(中華人民共和国)と台湾(中華民国)はどちらも中国は1つという立場を維持しており、現状では国連常任理事国の地位を占め、世界の大多数の国の承認を得ている中国の方が優勢となっています。そして、中国は台湾との統一にあたって武力侵攻を排除しておらず、また台湾もそれを警戒して国家予算の2割超を割り当てて軍備の維持に努めています。

で、その中国と台湾の間の関係をもって、今にも台湾有事が起きるかのごとき宣伝をする人がいます。

でも、本当にそんなことが起きるのでしょうか?
もちろん、可能性はゼロじゃない。
しかしながら、中国の目的が台湾との統一であるなら、それは中国は武力侵攻をした後の台湾にずっととどまるということを意味している訳です。そういう場所に武力侵攻なんかして、そこに住む人々を殺して、それで安定化させられるというのでしょうか?
現実には、そんなことは不可能に近いでしょう。

イラクに侵攻したアメリカが住民の抵抗に手を焼いているように、台湾に侵攻して現政権を排除したところで、そこに住む人々に抵抗されたら、ただ自国のリソースを浪費するだけってことになる。特に、アメリカのイラク侵攻は最終的にはイラク人に国を任せて自分達は出てゆくというシナリオだったから、多少の恨みを買ったところで、後は空間の壁が自分達を護ってくれるという見通しが立てられたのに対し、<b>中国が「自分達は出てゆく」というシナリオを台湾に対して持った上で侵攻するなんて、それこそ有り得ません。

多数の住民を殺して、恐怖支配で反発を押さえ込めば、武力侵攻した後も安定した統治ができるという手段も考えられなくはありませんが、今どきそんな手法を採り得るとは思えないし、そんなことをすれば今の台湾の発展を支えている民生部門の産業の担い手が逃げ出してしまうことは火を見るよりも明らか。

それでは統一した意味などないと言うことになります。

==============================

こう書くと、中国はチベットに侵攻し、今も支配し続けているではないかという反論が来そうです。
でもそれは、それこそ時代が違うというものでしょう。
中国がチベットに侵攻したのは1949年に国共内戦に勝利した翌年のこと。言ってみれば、武力で国内を統一した余勢を駆ってというようなものであり、具体的にチベットに侵攻した後にどんな統治をするなんて、考えていたとは思えない。もともと中国もチベットも民主国家などではなかったのですから、占領して支配者を挿げ替えるだけのことだという認識だったのだと思います。
それは、1950年という時代を考えれば、あながち間違った手法とは言えないものであったと思います。

でも、それから半世紀以上たってもチベットは相変わらず安定化していない。
今、中国はチベットを支配することで何を得ているのでしょうか?
多額のインフラ投資をし、人民解放軍を貼りつかせるハメになってなお、人権弾圧国家というレッテルを貼られるネタにされている。

最近では、チベットは地下資源の宝庫なんていう話も伝わって来ますが、

『青蔵鉄道建設に先立ち、その沿線地域において政府地質調査団が広範囲にわたり探鉱した結果、銅、鉛、亜鉛、鉄鉱石の鉱床が発見された。これら資源の価値は1250億ドルと評価されている(Interfax-China)。銅が2000万トン、鉛・亜鉛が1000万トンで、1カ所の銅鉱床で確認された埋蔵鉱量789万トンは、中国全土で2番目の規模である。 』

http://news.goo.ne.jp/article/nbonline/business/nbonline-152118-01.html

数字を見るとそれほどのものじゃない。
例えば、先日丸紅が30%の権益を取得したチリの銅鉱山の規模(可採鉱量)は、

Esperanza: 480百万トン
Telegrafo Norte:404百万トン
Telegrafo Sur: 898百万トン
El Tesoro: 127百万トン

http://www.japancorp.net/japan/article.asp?Art_ID=43543

桁が違います。
1250億ドルと言えば、中東なら普通の油田一つ分くらい。でも、フセインがクウェート侵攻の口実にしたルメイラ油田の埋蔵量(240億バレル)の価値はやはりその1桁上。

1950年にそんな資源の存在はわかっていなかったという点には目をつぶるとしても、どうみても中国は損をしていると言ってよいと思います。

はっきり言って、今のチベットは中国にとってお荷物でしかない。
半世紀以上前の内戦に勝った熱狂に駆られて手を広げ、その時の中国指導部は大変満足であったことでしょうけど、今の中国政府がそのツケを払わされているということ。
無理な侵攻などせず、衛星国家として遇してインドとの緩衝地帯にすればよかったものをと、内心後悔している者もかなりいるのではと、私は推測しています。

==============================

で、台湾に話を戻しますが、台湾も天然資源と呼べるようなものは少なく、人と技術で発展しているところ。天然資源は誰に採掘されても文句は言いませんが、人は違う。
そんなところに武力侵攻したって、折角の台湾の強みが失われるだけで、逆に非道な国との悪評がたてられる。

ということで、半世紀前ならいざ知らず、これだけ他国との貿易関係を築いている中国が、わざわざ台湾を武力侵攻なんてしたって、利益なんてほとんどなかろうというのが私の考え。
よって、常識で考えれば中国が台湾を攻撃するなんて言うのは口だけのことと言えます。

まあ、そういった損得勘定ができない者が中国のトップに立って、武力侵攻してしまう可能性はゼロじゃないですけどね。

では、何故中国は武力侵攻を口にするのか、また台湾はそれに応じた軍備を整えるのか、そしてアメリカは台湾を軍事支援するようなポーズを示すのか。

それについては(2)で述べます。








最終更新日  2008年05月27日 02時29分17秒
コメント(0) | コメントを書く
2008年04月17日
テーマ:戦争反対(1066)
カテゴリ:海外の話

11日付の産経新聞の「正論」に防衛大名誉教授の佐瀬昌盛氏が「コソボ独立の見えざる背景」という文章を書いています。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/136798/

その中で佐瀬氏は、コソボの独立にあたって彼らが民族自決権を強調していない点を指摘し、そこに現在の国際秩序の維持と民族自決権の間にある矛盾をが透けて見えていることを示しています。

----
 独立宣言派やアハティサーリは「人民の自決の原則」を否定したのか。無論、そうではない。彼らは同原則の強調ではなく、非強調の道を選んだまでだ。では、なぜ非強調なのか。国連憲章中のいくつかの理念は、個々にはいかに高尚なものだろうと、脉絡(みゃくらく)なくそれぞれを強調すれば、今日では結果として深刻な相互矛盾を生む。好例が、憲章第1条1の「国際の平和及び安全」の維持と同条2の「人民自決」原則の関係だ。後者の絶叫は前者を危うくする。
----

確かにその通りなのであって、民族の独自性を強調すれば、それは国家という枠組みを否定することに繋がりかねず、実際に分割となればそれが経済的な格差を生み出す可能性も高く、そこで武力紛争を引き起こすことにもなるわけです。
そして、佐瀬氏は以下のように結んでいます。

----
 国際政治の場が無原則であってはならない。が、そこでの現実問題は同じものが2つとはなく、すべて個別的だ。ならば、原則を忘却せず、しかし原則を絶叫するのではなく、個別主義的に最適解を探すこと。世界各地域の分離独立志向を扱うにはこれしかない。
----

具体性に乏しい結論ですけど、それが現実なんでしょう。
そういう意味で、この記事はこの問題の難しさを敢えて指摘したものであったと言えましょう。

===================================

で、それに対してチベット問題では産経はどのようなスタンスを取っているのでしょうね。
もちろん、中国のチベットに対する態度はいただけないと私も思うのですが、自治だの独立だのといった問題を安易に扱ってもいいものなんですかね?

何しろ、産経さんは朝日新聞がミャンマー軍政への抗議のための活動を紹介したら、
----
 朝日読者はいざ知らず、産経読者なら疑問に思うはず。なぜチベットでなくビルマなのかと。いま「世界なめんなよ!」と抗議すべきは北京政府でしょう。
----
もちろん「チベットに自由を」のTシャツも作りますよね。朝日も大宣伝し、北京政府の度肝を抜くんですよね。
----
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/dan/133344

なんてコラムを書いていたくらいなんですけど。

「チベットに自由を」が本当に「個別主義的に最適解を探すこと」をやった結果ですか?
私には「原則を絶叫」しているだけにしか見えませんが。







最終更新日  2008年04月18日 02時30分38秒
コメント(0) | コメントを書く
2008年04月01日
テーマ:戦争反対(1066)
カテゴリ:海外の話

アメリカによる侵攻から5年が過ぎたイラクですが、その状況はどうなっているのでしょう。

昨年アメリカ軍が増派を行い、その後米兵の死者数が減少したことから、イラクの治安は改善されたとする見方はかなり強くなされていました。

この点で特に熱心だったのが産経新聞の古森氏。
増派を主張していたマケイン氏が大統領候補に指名されたことにからめて、イラクの治安改善が同氏を候補者に押し上げたと繰り返し主張しています。これはまあ、マケイン氏の先見の明を賞賛しているのではなくご自身の「恥辱の殿堂」入りを避けるための必死の行為なんだろうなということは誰の目にも明らかなんですけど、実際死者数が減っていたのも事実。

ところが、5周年を迎えたあたりからまた報道されているイラク情勢には変化があらわれているようにも思えます。
特に、同じ産経新聞が伝えることによれば、

----
イラク政府軍のバスラ攻略、「単独作戦」失敗鮮明に

【カイロ=村上大介】イラクのマリキ政権が南部バスラで開始したイスラム教シーア派民兵に対する掃討作戦は29日、5日目に入り、イラク政府軍の威信をかけた「単独作戦」の失敗が鮮明となりつつある。米軍は29日も前日に続き、空爆、昨年12月にバスラの治安権限をイラク側に移譲した英軍も作戦・情報面で政府軍への支援を開始した。しかし、民兵側は依然、バスラ中心部を支配下に置き、戦闘は中南部シーア派地域に広がっている。治安能力の限界を露呈したマリキ政権が自力で争乱を収拾できる可能性は少ないとみられる。

 政府軍は25日、イラク第2の都市、バスラのかなりの部分を支配下に置くシーア派の反米強硬派指導者、ムクタダ・サドル師派の民兵組織マフディー軍の影響力排除を目的に掃討作戦に着手。だが、マフディー軍側は予想以上に強固な抵抗を見せ、マリキ首相は28日、「同日深夜まで」とした民兵側への武装解除の最後通告期限を4月8日まで延期せざるを得なかった。

 バスラ攻略戦への関与を控えていた米軍は28日、戦闘機による限定的な空爆で直接介入に踏み切り、民兵に押され気味の政府軍の支援を始めた。イラクのジャーシム国防相は28日の記者会見で、「抵抗の強さに驚いている」と認めた。
(略)

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/133751/
----

だそうで。

つまり、米兵の死者数という尺度でみれば、米軍の増派によってイラクの治安が一時的に改善されたのは事実だったのでしょうけど、それはイラク政府自身の手で維持できるような代物ではないということなのでしょう。

今のところ、この戦闘はサドル師がマフディー軍に停戦を命じて沈静化しているようですが、武装解除という目的は達成できなかったということ。そして、政府とサドル師のどちらが治安の鍵を握っているかも明らかとなり、政府の威信は傷つき、サドル師の株が上がった。

結局、イラクの治安を維持するためには米軍が撤退することはできないということであって、アメリカが今後もイラクで犠牲者を出し続けるのか、あるいは責任放棄して逃げ出すのかの2つに1つしか道はないって状況は、増派によっても何も変わっていないということですね。

このバスラの状況をスルーして、古森氏がまた「マケイン待望」の記事をどこかに書くようなら、その本意はやはり自己保身ということが、ますます明らかになることでしょう。







最終更新日  2008年04月02日 01時41分34秒
コメント(0) | コメントを書く
2008年02月07日
カテゴリ:海外の話

今回の予備選を見ていて、昔読んだ小説を思い出しました。

ジェフリー・アーチャーの小説「ロフノフスキ家の娘」(1982年)

今、その本は手元にないんですけど、初の女性大統領を目指す主人公が立候補した時の年齢は確か58才くらいで上院議員2期目だったはず、クリントン氏とよく似ています。選挙区は奇しくもオバマ氏と同じイリノイ州。でもその政治家としてのライバルももう一人のイリノイ選出上院議員ですから、オバマ氏はそっちになぞらえるべきなんでしょうかね。

その中で主人公は、予備選(設定では1992年でした)で現職副大統領との一騎打ちとなり、決着がつかず党大会でデッドロック状態になって、といったシーンがありましたけど、現実もそれに近い状態になるのかもしれません。








最終更新日  2008年02月07日 02時21分19秒
コメント(0) | コメントを書く

全52件 (52件中 11-20件目)

< 1 2 3 4 5 6 >


© Rakuten Group, Inc.