627153 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

白砂青松のブログ

PR

全13件 (13件中 1-10件目)

1 2 >

2012年07月06日
XML
カテゴリ:

原子力基本法を自民党が主導して、ドサクサ紛れに改訂しました。
「我が国の安全保障に資することを目的として」なんて言葉を挟み込みんだわけですが、これはもう、核武装を意図しているとみなされても仕方ないでしょう。

産経は、それを一生懸命糊塗しようとしています。

--
原子力基本法 「安全保障」明記は当然だ
2012.6.24 03:10 (1/2ページ)[主張]

 20日に成立した原子力規制委員会設置法の「付則」に記された、原子力基本法の一部改正が問題になっている。

 原子力基本法の基本方針を定めた第2条を改正し、「我が国の安全保障に資することを目的として」と明記した第2項が加えられたためだ。

 原子力利用の基本原則に「安全保障」の観点を明示するのは当然だ。だが、韓国メディアは日本の核武装を警戒する記事を掲載して反応した。国内のメディアでも「軍事利用への懸念」や、「核兵器開発の意図を疑われかねない表現」を論拠に、付則の削除を求める声が上がりつつある。

 原子力基本法第2条は、日本の原子力の研究開発の大原則である「民主・自主・公開」について定めた条文だ。そこに、軍事用語としても使われる「安全保障」という言葉が並ぶことに違和感を覚える向きがあるかもしれない。

 だが、第2条の第1項を再度、確認してもらいたい。「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として」と、しっかり規定されているではないか。

 この第1項を受けて続く第2項の「安全保障」が核兵器開発などに直結しないことは明々白々だ。エネルギー安全保障や核不拡散を強化する意味での用法と理解するのが順当な解釈である。

 単語を文脈から切り離し、負の意味を重ねて問題視する姿勢こそ問題だ。それでも、この件を単なる誤解や曲解として事態を軽視する対応は禁物だ。政府は国内外に対し、速やかに誤解を解くための手を打たねばならない。

 説明を怠れば、日本のエネルギー政策の基本が痛手を受けかねない。資源に乏しい日本は、使用済みの原子力燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを混合し、新たな燃料として有効利用するリサイクル計画に国の将来を託しているからである。

 日本は非核保有国として唯一、再処理が認められている。基本法の改定が核兵器製造に直結しないことを、世界に向けて改めて強調しておく必要がある。

 同時に、抑止力などの観点も含めて原子力技術を堅持することは日本の安全保障にとって不可欠である。非核三原則の見直しなどの論議も封殺してはなるまい。こうしたことも心に刻んでおく必要があるのは言うまでもない。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120624/plc12062403110004-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120624/plc12062403110004-n2.htm
--

『この第1項を受けて続く第2項の「安全保障」が核兵器開発などに直結しないことは明々白々だ。エネルギー安全保障や核不拡散を強化する意味での用法と理解するのが順当な解釈である。』

書いた当人すら、こんな話が通用するなんて思っていないんでしょうね。
だから、「明々白々」とか「順当」なんて言葉で誤魔化そうとしている。

第1項で「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として」と、しっかり規定されているなら、第2項に「我が国の安全保障に資することを目的として」なんてわざわざ書く必要は無い。
特にこの第2項には、憲法9条の第2項のように「前項の目的」云々なんて言葉は無いのですから、第1項と第2項は並列と考えることこそ「順当」。即ち、第2項は第1項だけでは書き切れなかったものを補ったのが「明々白々」です。

だいたい、「エネルギー安全保障や核不拡散を強化する」には、それは日本以外の国との関係が問題となってくるのですから、そもそも日本にしか通用しない原子力基本法の中に何か文言を挟んだところで全くの無意味です。
「我が国の安全保障に資することを目的として」と書いたら、例えばイランや北朝鮮が核開発を止めるとでも言うのでしょうか?

本気でそんなことを考えているなら、そんな脳内お花畑集団である自民党に政権を担わせるなんて、それこそ危険極まりない行為となってしまいます。

だいたい、第1項に「平和の目的に限り」と書いてあったって、仮想敵国がお互いに核兵器を持って睨み合っている、過去半世紀以上にわたって続いている状態だって、当事国同士は一応「平和」の状態を保てていると言えるのですから、第1項だって核武装を妨げているとは言えない
そして、隣国が核武装したら、この第2項に則って、日本も核武装すべきだと産経が言い出すのは必定です。


>説明を怠れば、日本のエネルギー政策の基本が痛手を受けかねない。資源に乏しい日本は、使用済みの原子力燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを混合し、新たな燃料として有効利用するリサイクル計画に国の将来を託しているからである。

だったら、そんな余計な言葉を入れなきゃよかったじゃないですか。


>日本は非核保有国として唯一、再処理が認められている。基本法の改定が核兵器製造に直結しないことを、世界に向けて改めて強調しておく必要がある。

それが通用するなら、今でもフセインはイラクの大統領であったでしょうね。


>同時に、抑止力などの観点も含めて原子力技術を堅持することは日本の安全保障にとって不可欠である。非核三原則の見直しなどの論議も封殺してはなるまい。こうしたことも心に刻んでおく必要があるのは言うまでもない。

で、結局「日本の安全保障にとって不可欠」な原子力技術とは、「抑止力」なんですよね。そして、「非核三原則の見直しなどの論議も封殺しては」ならないなら、それを知った世界が、日本は核武装をするために原子力基本法を改訂したと受け取るのは不可避ですね。

世界を相手につまみ食いや二枚舌を使おうったって、そうは問屋が卸しませんよ。






最終更新日  2012年07月06日 21時43分20秒
コメント(7) | コメントを書く


2010年03月12日
テーマ:戦争反対(1073)
カテゴリ:

日米間のいくつかの密約が認定されました。
それに対してまた産経新聞がおかしなことを書いてます。

--
密約暴くことが目的? 非核三原則見直さず
2010/03/09 22:33

 「外交に国民の信頼と理解を取り戻す」(岡田克也外相)とする民主党政権の下で、外務省の有識者委員会が米核搭載艦船の日本寄港などを「密約」と認定した。日本が“国是”とする非核三原則に抵触する中身だが、鳩山政権は従来の三原則を見直さないとしている。岡田外相は9日夜のNHK番組で、冷戦後に米国が核政策を転換したにもかかわらず密約を否定し続けた歴代自民党政権を「政治の怠慢」と批判したが、報告書で三原則の形骸(けいがい)化が明確になったにもかかわらず、見直さないことこそ怠慢といえるだろう。

 民主党政権は自民党政権が否定してきた密約を暴くことで、国民に真実を伝え、政権交代の歴史的意義を果たそうとしたといえなくない。もっとも、密約を公にすることによって生じるさまざまな外交・安全保障政策の変質をどこまで真剣に考えていたかは判然としない。

 今回、核持ち込み密約を認めた結果、「核を持ち込ませず」とした非核三原則の矛盾は明らかとなったものの、岡田氏は9日夕の記者会見で、「日米安保体制の運用に影響を及ぼす考えはない。非核三原則を見直す考えはない」と見直し議論を封印した。

 その理由について岡田氏は「(核持ち込みについて)日米で考え方が違う現状はあるが、平成3(1991)年以降、一時寄港の形で持ち込まれるということはない」と強調した。

 米国は同年に地上配備の戦術核兵器と海上配備の戦術核ミサイルの撤去を宣言しており、核搭載艦船などが日本に寄港することはありえないというわけだ。

 しかし、日本への寄港を必要としない戦略型原潜の事故などによる一時寄港や、朝鮮半島情勢が緊迫した際に核爆弾を装備した航空機が日本を一時通過する可能性は排除できない。

 日本有事に米軍が救援にくる際、核搭載艦船や航空機の展開を除外するよう日本側が提起できるのかという問題もある。

 その際日本が安保条約に基づく事前協議を持ちかけても、核兵器配備の有無を対外的に明らかにしない「NCND」政策を取る米国が応じる可能性は少ない。いまの状態を放置すると、新たな「密約」へとつながる危険すらはらんでいる。

 東アジアの安全保障環境は、朝鮮半島に冷戦構造が残る上、北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の急速な軍拡で、密約が結ばれた昭和35年当時よりも厳しさを増している。

 外務省や防衛省の当局者からは、米国の「核の傘」による抑止力を維持する観点から、「密約解明を機に有事に限定して核持ち込みを容認する『非核2・5原則』に改めるべきだ」との声も出ている。

 今後の日本の安全保障政策の行方を見据えず、今回の調査が密約の存否だけを論じ、「旧政権の密約を暴くことだけが目的だった」としたら、あまりにむなしいと言わざるをえない。(赤地真志帆)

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/366783/
--

『今回の調査が密約の存否だけを論じ、「旧政権の密約を暴くことだけが目的だった」としたら、あまりにむなしいと言わざるをえない。』って、今回の調査はそれが目的でしょ。

そんなもの当たり前だし、民主主義国家ならやられて当然のこと。だって、政府が国民を騙していたんですから。

今後の日本の安全保障政策がどうのなんて、そんなものを考えるのに過去の密約がどうのなんてどうでもいいこと。改めて、今これからをどうすべきかを論ずれば良いだけのことなんですから。

そもそも、非核三原則なんていうものは、日本政府と日本国民の間だけで成立していた了解事項。それをどう変えようと他国には一切関係ない。だから密約と非核三原則の間に摩擦が生ずるとしても、それは日本国内で完結していること。よって、

『密約を公にすることによって生じるさまざまな外交・安全保障政策の変質をどこまで真剣に考えていたかは判然としない。』

も何も、そんなものが「外交・安全保障政策の変質」に繋がるなんて事自体が有り得ないってこと。密約が公になったら日米同盟が弱体化するんだー、なんて主張は単なる自作自演に過ぎません。
だいたい、こんなものアメリカ側ではとっくの昔に公になってますから。

結局、自分達が贔屓していた者の悪事が暴かれた者が、結果オーライ(それが真のオーライか否かは不明)をもって免責せよと開き直っているだけ。
法治国家のマスコミがやることではありません。

結局は、民主党を叩くことだけが目的?

まさに自分のことのような、こんな記事書いて、それこそむなしくないですかね?








最終更新日  2010年03月12日 03時35分49秒
コメント(0) | コメントを書く
2009年08月14日
テーマ:戦争反対(1073)
カテゴリ:

麻生首相が、広島の原爆忌に続く記者会見で、核抑止の必要性を主張しています。

--
核攻撃狙っている国「隣にある」=北朝鮮を警戒、核抑止必要-麻生首相
8月6日13時36分配信 時事通信
 麻生太郎首相は6日午前の広島市での記者会見で、核廃絶への取り組みに関連し「核を持って攻撃しようという国がわれわれの隣にある」と述べ、北朝鮮への警戒が必要だとの考えを示した。
 その上で、首相は「核を持って抑止する力を持っている米国と日本は同盟を結んでいる現実を踏まえて話をしないと。一方的に誰かがやめれば、相手もきれいにやめてくれる世界ではない」と述べ、現状では米国の「核の傘」が必要との認識を強調した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090806-00000073-jij-pol
--

まあ、それ自体を殊更批判しようとも思いませんが、じゃあ、この人が式典で述べた挨拶は何だったんでしょう。

--
 我が国は、これまで十五年間にわたって、国連総会に核廃絶決議を提出してきました。こうした中で、昨今、米露両国は、核兵器の一層の削減を目指して交渉を進めています。G8サミットでは、先月のラクイラにおいて、初めて、「核兵器のない世界」に言及し、世界的な核軍縮・不拡散に関する気運の高まりを維持・強化するための力強いメッセージを表明しました。

 そして本日、私は、改めて日本が、今後も非核三原則を堅持し、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向けて、国際社会の先頭に立っていくことをお誓い申し上げます。
--

「核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向けて、国際社会の先頭に立っていくことをお誓い申し上げます」と言っておいて、その舌の根も乾かぬうちに、核抑止の必要性を訴える。
つまりは、この人の言葉はその場でのウケが良いようにコロコロ変えられるってことであって、それを真に受けたらバカを見ると考えた方が良いってことでしょう。

ちなみに、この核廃絶に関する部分の挨拶は、広島も長崎も全く一緒。
それどころか他の部分もほとんど同じ。
3日間の間に場所を変えただけでほとんど同じ挨拶をする気しかなかったのなら、両方出ることなかったんじゃありませんか?








最終更新日  2009年08月14日 02時49分54秒
コメント(0) | コメントを書く
2009年07月09日
テーマ:戦争反対(1073)
カテゴリ:

昨日のエントリに、天野次期IAEA事務総長に後ろから弾を撃ちかける古森という自称ジャーナリストんぼことを書きましたが、そのエントリにアンレッド@さんからコメントがあり、ニュークリア・シェアリングならNPTも日米安保もクリアできる、田母神元空幕長の言っているのもそういうことではないかとの指摘がありました。

実は3年前に中川(酒)大臣や、当時の麻生外相がそう言ったネタをペラペラしゃべった時に、産経新聞に以下のような社説(主張)が載り、私もそれをこの場で紹介しています。

--
『核抑止に「レンタル核」の勧め』

■NPT、非核三原則問題もクリア

 ≪タブー抜きの自由な論議≫

 北朝鮮の核実験から1カ月余が経過した。この間に実験したが成功か失敗だったかに始まって、小型核弾頭の有無、金正日体制の実情、経済制裁の有効性から関係6カ国の温度差に至るまでさまざまな論が乱れ飛び、「百家争鳴」の観を呈しているが、10年、20年前と変わらず、すっきりした結論は出そうにない。

 あえていえば、ひとつだけコンセンサス(合意)がある。「重大かつ深刻」(安倍首相の観艦式訓示)な北の「軍事的脅威」に対し、わが国単独では有効な軍事的対抗手段がないということだ。アメリカの「核の傘」があるじゃないかといわれそうだが、この傘を本当にあてにしてよいのか、不安に思う人は少なくない。

 同じ「核の傘」の下にいる韓国の世論調査では65%(中央日報など)が自前の核武装を支持し、ソウルでは退避訓練を実施したという。そこで気になったのはわが国の世論だが、日本の核武装について問うたのは本紙(10月16日付)の小規模な電話調査での賛成13・8%、反対82・4%のみ。他の大新聞はなぜか調査してみる意欲もないようだ。

 なにしろ中川昭一自民党政調会長が「(日本に)核があることで攻められる可能性は低いという論理はありうるわけだから、議論はあっていい」と発言しただけで「あまりに軽率」(朝日新聞社説)とか「北の核保有よりショッキング」(加藤紘一氏)といった拒絶反応が起きるくらいだから「触らぬ神に祟(たた)りなし」の心境なのかもしれない。

 投書欄を眺めても「核兵器の議論 全廃を前提に」とか「じっくり考えて正しい解決への努力を」とか「非核三原則を堅持しよう」といった当たりさわりのない建前論ばかりで、中川氏が期待するタブー抜きの自由な言論は見あたらぬ。

 大学のゼミナールや居酒屋では大声で核論議が交わされているのを見聞きしている私は、近いうちに核武装の支持率は韓国並みになるのではないかと予想しているが、とりあえず私のゼミ(大学院)で出た北の核に対する対抗策を紹介しよう。

 ≪所有権と管理権は米国に≫

 「もはや打つ手はない。イギリスの友人に部屋借りを頼んだからいつでも逃げられる」というのがA君、「座して死を待つ覚悟だが、せめて核爆発の瞬間を味わうため崖上へかけあがる」というB君、「同じだが、僕は地下室へ退避します」というC君、ところが「作っている余裕はないから核ミサイルを米国からレンタルしては」とD君が言いだすや名案かもと意見が一致したので、この案を検討してみた。

 そのさい(1)北朝鮮が核兵器の保有と改良を放棄する見込みはない(2)国連の経済制裁は抜け穴だらけで実効はあまり期待できぬ(3)北朝鮮が標的とする周辺諸国の筆頭は日本-という認識を前提条件とした。要点は次の通り。

 レンタル契約方式で平時は米国に置き、危急の時に米国の合意を得て日本へ持ち込む▽所有権も管理権も米国が持つから、核拡散防止条約(NPT)に違反しない▽非核三原則の「持ち込ませず」は米国の都合で持ち込まれる事態を想定しているので、日本が主体的に持ち込む場合は抵触しないと解する-。

 ≪3度目の被爆抑止の権利≫

 核武装というと、内外ともに日本が自前で製造し配備する方式をイメージするようだが、これだと時間と経費がかかりすぎる、NPTからの脱退が必要、国内の反核勢力による妨害がありうる。開発中に先制攻撃を受けるリスクがあるうえ、核実験場もないといった難点があって、実現の見込みは低い。レンタル核方式には、こうした難点はないが、果たして米国が応じるか、他の諸国が猛反対するのではと懸念する人もいよう。

 しかし調べてみると、当の北朝鮮を含め日本の核武装に正面から反対を表明した国はない。たとえ出てきたとしても、唯一の被爆国としてわが国には3発目の被爆を抑止する権利があるはずだと説得すればよい。米国の立場は微妙だが、日本が自前の核へ走るよりはレンタル契約を結ぶ方がベターと考えるはずだ。

 ここまで書いてきたところへ、北のおばさんアナウンサーがテレビに登場、おなじみの重々しい口調で「米国の一つの州に他ならない日本があえて地方代表として6カ国協議に参加する必要はない」とのたまった。核クラブ入りした自信からくる放言だろうが、この種の恫喝(どうかつ)に一喜一憂しないですむ体制づくりが急務であるまいか。そのうえでわが国が理想(空想?)とする核軍縮の実現をめざそう。

http://www.sankei.co.jp/news/061117/sir000.htm
--

この「レンタル核」と「ニュークリア・シェアリング」の違いは、平時にどこに核があるかという点。

で、この「レンタル核」は単に非核三原則に抵触することを回避したいという小さい動機から考えられたものですから(実際には「持たず」の抵触を回避できていない)、現代のようにアメリカの核の運搬手段に特段の制約が無い状況では、所有権も管理権もアメリカにある核を日本にわざわざ持ち込む意味など全く無いということに気がついていない、お粗末な案に過ぎないと、既に指摘済み。

一方「ニュークリア・シェアリング」の方は、平時から核を日本に置いておいて、有事には日本の意思で使えるようにするというものですから、まだ意味はあるでしょう。
でも、それでは日本に核があるということを公言するわけですから、非核三原則の「持たず」「持ち込ませず」、どちらもアウトですね。

そして、そもそも現実の「ニュークリア・シェアリング」とはどういう意味のものかと言えば、旧東側陣営から大規模な攻撃を受けた時に、通常戦力で劣勢のNATO諸国がそれを跳ね返すために戦術核を使えるようにするもの。
ミサイルで撃ち込まれる戦略核に対抗する手段じゃありません。

ですから、現実問題として他国からの核攻撃といえば戦略核ミサイルとなる海に囲まれた日本が、そういうものを持ってもあまり意味がない。
仮に、中国や北朝鮮のような国が「核を撃ち込むぞ」と脅して来たとして、「やれるものならやってみろ、こっちも撃つぞ」と言うためには、彼の地まで届くミサイルに搭載された戦略核が必要なのであり、「ニュークリア・シェアリング」で提供される戦術核では役に立たない。

そして、アメリカも戦略核の使用権限を他国に委ねるなんて危険なことはしない。そんなことをしてもし使われてしまったら、今度は自分のところに戦略核が撃ち返されて来るのは自明のことですから。だから「撃たれたときは、私が代わりに撃ってあげますから」ってことで、アメリカが使用権限をあくまでも握っているわけです。

そもそも戦略核は「有事」になる前段階でブラフとして使うためのものなのですから、仮に「ニュークリア・シェアリング」に含まれたとしても、参加国が使用できる状況が起こり得ないんですけどね。

====================

ということで、田母神元空幕長が仮に彼が主張する核武装とは「ニュークリア・シェアリング」のことだと言っているのだとしたら、彼はそのシェアリングの対象に戦略核は含まれないという素人並の知識しか持ち合わせていないのか、わかっていて人々を欺こうとしているのかのどちらかってこと。

何しろ、彼は「中国に対抗する勢力を作り、それを中国に認めさせるためには、日本が自立した国となり核武装を行うことが必要なのかもしれない」(Wikipedia)という意味で核武装を主張しているんですから、いくら戦術核を持ってもそんなことは達成できないなんて自明ですからね。

どっちにしても、真に受けるべきものじゃありません。

ちなみに、日本会議は今回の講演日程変更要請に対して「私達は市長以上に核廃絶を願っている」と言っていたそうですけど、田母神氏が「ニュークリア・シェアリング」を主張しているなら、これは真っ赤な嘘ってことです。









最終更新日  2009年07月10日 02時04分58秒
コメント(11) | コメントを書く
2009年07月08日
カテゴリ:

産経新聞が、次期IAEA事務総長選出に関して、以下のような社説(主張)を掲げています。
--
【主張】核の番人 不拡散に強力な指導力を
2009/07/04 08:18更新

 国際原子力機関(IAEA、本部・ウィーン)の次期事務局長(任期4年)に、ウィーン国際機関日本政府代表部大使の天野之弥(ゆきや)氏が選出された。エルバラダイ現事務局長の後を継ぎ、12月に就任する。

 IAEAは原子力の平和利用促進と軍事転用防止を担う。「核の番人」と呼ばれる重要な国際機関のトップにアジアから初めて、唯一の被爆国である日本から原子力・軍縮を専門とする外交官が選ばれた意義は大きい。

 IAEAは1957年に発足した。当初52だった加盟国は現在146を数える。事務局長の下に核不拡散を担当する保障措置局など6局が置かれ、2300人のスタッフを擁する専門家集団だ。しかし、核物質の軍事転用に目を光らせ、核拡散を防ぐ保障措置協定には強制力が欠ける。組織の予算や人員も十分とはいえない。

 核拡散防止条約(NPT)運用検討会議第1回準備委員会議長を務めた天野氏には、そうした核の番人の弱点を改善し、機能や能力を強化する役割を期待したい。

 決着をみなかった3月の事務局長選のやり直しとなった今回の再選挙でも、天野氏は規定による投票繰り返しの末に選ばれた。ぎりぎり当選の背景には、すでに原子力技術を持ち、核不拡散を重視する先進国と、原子力利用の制限を嫌う途上国の反目がある。

 IAEAにとって継続中の難題は、北朝鮮とイランだ。

 北朝鮮は5月に2度目の核実験を行っただけでなく、使用済み核燃料棒再処理やウラン濃縮の着手まで表明した。核施設の無能力化作業を監視していたIAEA要員は4月に退去させられたままだ。核兵器の開発疑惑がもたれるイランは「核平和利用の権利」を主張してウラン濃縮を続けている。

 むろん、米英仏中露の核保有5大国の間にも意見の違いがある。とくにイランに関しては、「平和利用ならば」と理解を示す途上国もある。IAEAのかじ取りは一筋縄ではいかない。

 一方、石油資源の枯渇が視野に入ってきた今、地球温暖化対策と相まって原子力エネルギーへの期待が高まっている。戦後一貫して平和利用に徹し、原発と核燃料サイクル事業に実績を持つ日本の代表として、天野氏には存在感を示してほしい。一部に聞こえる「指導力に欠ける」との批判をはね返す実行力も時には必要だ。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/273939/
--

そんなにはしゃぐようなことかとも思いますけど、まあそういう期待をするのもわからなくはありません。

ところが、その同じ日にこんなことを書いているのが産経新聞の身内に居るっていうのはどうなのよ。

--
「日本の核武装」はいまや国際的な論題となった
2009/07/04 14:23

 つい数日前、ジョージタウン大学内にある「ワシントン柔道クラブ」に練習に出かけると、いつも参加する元連邦検事の友人が北朝鮮の核兵器開発についての話題を持ち出してきました。
 練習が始まる雑談の際に、です。
 国際問題にとくに詳しいわけではないけれど、知識人とはいえる人物です。その彼がこんなことを述べました。

 「北朝鮮に核兵器を放棄させる最善の方法は日本が核武装の宣言をすることだと思いますよ。そうすれば、まず中国が困る。そして北朝鮮に本気で圧力をかけて、核兵器を放棄させるでしょう。素人の推測ですけどね」

 雑談のなかで出た軽い話でした。もっともこちらは軽い話ではすませられませんでした。

 なぜこんなことを書くかというと、ワシントンではこれほど簡単に「日本の核武装」という言葉が出てくることを伝えたかったためです。

 日本ではとにかく「日本の核武装」という言葉はたとえ反対を前提に述べたとしても、悪魔のささやき扱いをされます。

 しかし日本列島の外では、「日本の核武装」という可能性や仮定はアジアの安全保障、北朝鮮の核兵器開発、中国の軍拡など、真剣な安全保障問題の論議の過程で、ごく頻繁に言及されています。

 とにかく口にしてはいけない、という日本での態度はなにか思考停止を思わせます。日本の常識は世界の非常識とまではいかないでしょうが、たいへんなギャップなのです。
 
 そのへんの内外の違いを先日のアメリカ議会公聴会でまたまた痛感させられました。

 その実例を以下の記事で報告します。

 7月4日の産経新聞に出た記事です。


■【緯度経度】ワシントン・古森義久 米公聴会での日本核武装論議

 「日本の変化する役割」と題する6月25日の公聴会はオバマ政権が登場して以来、初めての米国議会での日本だけに焦点をしぼった討論の場として注視された。
 下院外交委員会のアジア太平洋・地球環境小委員会が主宰し、日本や日米関係に詳しい専門家4人が証言した。

 論題は日本の安保から政治、経済と、広範にわたったが、安全保障に関連して「日本の核武装」が頻繁に論じられたのには驚いた。

 単に米国の核戦力による日本防衛の核抑止だけでなく日本自体の核武装の可能性の有無までが何度も自由な討論の対象となったのだ。

 この点は仮定に仮定を重ねても核武装を論じることはタブーだとする日本側の年来の禁忌とはあまりに対照的だった。

 日本国内では自国の安全保障での核を語ることもためらう間に、外部ではこれほど議論が進んでいるのだ。

 巨大なギャップを実感させられた。その内外の落差を示すためにこの公聴会での「日本の核武装」についての発言を紹介しよう。

 まずこの公聴会の議長となったエニ・ファレオマベガ同小委員長の冒頭発言である。

 ちなみに民主党の同氏は米領サモア選出の代議員で、小委員長とはいえ下院での投票権がない。

 「北朝鮮の核兵器が日本への脅威となると、日本も核戦力を開発する必要があるという議論がどうしても出てくるだろう」

 「日本は核兵器を製造する能力がないわけではない。もし日本が核武装するとなると、アジア太平洋地域全体、とくに中国にとっての軍事戦略情勢が完全に変わってしまう」

 「韓国の有力紙も5月の社説で韓国の核武装を説く一方、日本の核武装への懸念を示した。ロシアの通信社も6月、自国の外務省筋が日本も北朝鮮の核開発に対応して核兵器を保有する展望への懸念を伝えた」

 「中国外務省関連の雑誌も、中国の当局者が北朝鮮の核兵器保持で日本も核武装に走ることへ深刻な懸念を抱いていると報じる記事を載せた。ロシア、韓国、中国の日本の核武装の野心へのこうした懸念は過剰な反応かもしれないが、認識が政策決定で致命的な役割を果たすことがある」

 証人として公聴会に登場したハーバード大学のジョセフ・ナイ教授も同じ課題に触れた。同教授も民主党系の人物である。

 「日本は自ら欲するならば核兵器を保有する能力を持っている。だが米国が核抑止力を提供しているために、日本は独自の核戦力開発の必要性をこれまでのところ感じていない」

 ブッシュ前政権の国家安全保障会議(NSC)アジア担当上級部長だったマイケル・グリーン氏も日本国内での核兵器配備の可能性について証言した。

 このシナリオも一種の日本の核武装だった。

 「北朝鮮の核の脅威に対して日米両国は核ドクトリンを再考すべきだろう。日本側の責任ある立場の人たちは米国が1980年代にソ連のSS20ミサイル配備に対抗して西欧で取ったと同じような措置をいまや日本も考慮すべきではないかと問うようになった」

 米国が80年代に西欧で取った措置とは、ソ連の核ミサイルに対抗して西ドイツやオランダに巡航ミサイルと弾道ミサイルのパーシングII合計572基を配備することだった。

 その配備の決定が結局はソ連を大幅に後退させた。グリーン氏は日本の場合、米国の核ミサイルを日本領土に配備して北朝鮮の核への抑止とする可能性に言及しているのだった。

 その背後には核の脅威を押さえ込むには相手に核の脅威を感じさせる能力、つまり核抑止力を持つことが有効だという国際的な現実認識が存在する。

 同盟国の米国からみても日本をめぐる核の課題はこれほど切迫しているわけだ。

 だが日本では核抑止も核武装も真剣な論題とはならない。この内外の断層をどうみるか。

 核兵器を安全保障ではない面からだけ語る8月がまたやってくる。
            =====

http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/1115843/
--

つまり、産経新聞は一方では新しい事務総長に期待するようなことを書いて、同じ日に、その事務総長の顔に泥を塗るようなことをやるべきだなんて記事を平気で載せていたってこと。

日本が核武装するということは現在のNPTからの脱退を意味し、そんなことをすれば「核の番人」たるIAEA事務総長の面子は丸潰れなんて、容易にわかりそうなものなのに。

だいたい日本では核武装の議論がタブー視されているとか言う者に、NPTをどうするのと聞いても、まともに答えが返ってきたことがない。核武装をするならNPT脱退かその改定が前提となるのに、かつて中川(酒)議員がそんなことを言った時も、彼は「非核三原則、日米安保、NPT体制」が前提だとかわけのわからないことを言っていた。

古森なる御仁は、

--
 だが日本では核抑止も核武装も真剣な論題とはならない。この内外の断層をどうみるか。

 核兵器を安全保障ではない面からだけ語る8月がまたやってくる。
--

なんて書いてますけど、肝心要のNPT体制をどうするのという議論の必要性を隠しての「核武装の議論」など、それこそ、自分に都合の良いところだけをつまみ食いしようとする「悪魔のささやき」に過ぎない。
実は「真剣な論題」とすることから逃げているのは、「議論すべきだ」などと主張している方だってこと。この人のやっていることなどは、「核兵器を安全保障ではない面」から語るの最たるもの。この人の目的は単に自分はすごいんだと自意識を膨らませたいだけだってことですね。

で、産経新聞さんには、
--
戦後一貫して平和利用に徹し、原発と核燃料サイクル事業に実績を持つ日本の代表として、天野氏には存在感を示してほしい。一部に聞こえる「指導力に欠ける」との批判をはね返す実行力も時には必要だ。
--
是非この言葉を自らに向けていただいて、こういうおかしな身内に対する「番人」として「指導力」を発揮していただきたいものですな。








最終更新日  2009年07月08日 22時40分47秒
コメント(2) | コメントを書く
2009年07月04日
カテゴリ:

あの田母神元空幕長が、8月6日に広島で「広島の平和を疑う」とかいう講演会をやるとか。
で、日付をずらして欲しいと市長が言ったら言論弾圧だ~とか主催者が騒いでいるとか。

いい加減にして下さいってとこですね。

別に言いたいことがあるなら言えばいい。
でも、なんでそれをその日にその場所でやらなきゃならないんですかね?

結局、日本会議のやっていることは、成人式で大声上げて騒いでいた若者と同じレベルってことじゃありませんか。

こういう団体が、教育だの徳育だのなんてお題目を並べること自体が冗談にしかなっていません。

彼らの言う言論の自由とは、所詮は自分達の言論の自由だけを認めろってこと。言い換えれば、下々の者は自分達の言うことを聞けという選民意識。

それがよくわかる一件です。








最終更新日  2009年07月05日 02時31分33秒
コメント(3) | コメントを書く
2008年08月06日
テーマ:戦争反対(1073)
カテゴリ:

今日は原爆の日。
それによって平和が守られているという現実があるとしても、やはりあんなものは使っちゃいけない。

現実がどうであろうと、理想を語るのに何の躊躇が必要でしょうや。
今生きている者が核兵器廃絶を諦めてどうするのってことでしょうね。

先日、アメリカのシーファー大使が日本の高校生に対して原爆投下を正当化したとか。
まあ、それはそうでしょうね。
大使がその意義を否定することは有り得ない。
それがアメリカの国益であり、アメリカ大使はその国益のために働くのですから。

つまり、アメリカ人の命の方が日本人の命よりもアメリカにとっては大事という当たり前の話が浮き彫りになっただけのこと。

彼の発言を批判する必要は全くない。むしろ同盟国とは言ってもそれが本音、何でもかんでもアメリカが日本を助けてくれると考えるのは大間違いと我々日本人が認識する良い機会と言えると思います。








最終更新日  2008年08月06日 03時01分02秒
コメント(8) | コメントを書く
2007年08月06日
テーマ:戦争反対(1073)
カテゴリ:

8月6日は62年前に広島に原爆が投下された日。

日本がアメリカの核の傘の下にあるのは事実としても、被爆国日本として、核兵器の廃絶を訴え続けなければならない。それがあの原爆で命を落とした人々から託された我々の使命だと思います。

折りしも現首相は、かつて日本は核兵器を持てると発言し、今また原爆を「しょうがない」と言える者を防衛大臣に任命し、またその発言自体を問題視しない姿勢を見せた人。

彼は首相になって初めての原爆の日に、果たして何を語るのでしょうか。







最終更新日  2007年08月06日 00時24分35秒
コメント(1) | コメントを書く
2007年01月08日
カテゴリ:

いつもは論旨が不明だったり矛盾していることの多い産経新聞の「正論」ですが、昨年12月23日付けの屋山太郎氏の書いたものは、言いたいことがよく伝わってくるものでした。

久間防衛庁長官の更迭の是非はともかく、彼のイラク戦争は首相個人としての支持という発言がいただけなかったのはその通りだし、NPT脱退を想起するとの談話という手段も、確かに現在の日本がとり得る選択肢の一つでもあります。
中川氏のようにNPT堅持は大前提などと言って、脱退の議論を回避しておいて、核の議論をするかのようなポーズを示すよりはずっとまともです。

--
【正論】政治評論家・屋山太郎 久間防衛庁長官の更迭を求む
 ■国家安全保障への認識あまりに低い

 ≪いつ周辺事態と認定≫

 久間章生氏は防衛省昇格後の初代防衛大臣となる予定だが、これほど戦略思考もなく国際情勢認識もない人物が防衛大臣になっていいのか。小泉純一郎氏は田中真紀子氏を外相に起用し、その立ち居振る舞いや外交的非常識で日本の国際的評価を貶(おとし)めた。これに匹敵する下策が久間氏の防衛庁長官起用だ。

 久間氏は北朝鮮の核実験実施について「核実験をやっただけでは周辺事態認定にならない。緊張状態が高まってくれば認定できる」と述べた。これに先立って7月、北朝鮮は7発のミサイル実験を行っている。その改良と並行して核の小型化を進めていることは歴然だろう。久間氏の発想だと“核ミサイル”が完成したと判明したのちに周辺事態に認定するというのか。「北」はそれを武器に新たな脅迫をしてくることは間違いない。「周辺事態認定や国連の制裁決議を解除しなければ撃つぞ」とこられた時、久間氏はどうするのか。

 イラク戦争について久間長官は「政府は米国の戦争を支持すると公式に言ったわけではない」(7日)と述べた。小泉前首相が個人的に支持したと思い込んでいたようだが、翌日「認識不足だった」と発言を撤回した。発言の間違いや撤回をあげつらうつもりはないが、この勘違いはあまりにも重大である。

 ≪脅迫に宥和政策の愚≫

 日本が米国に軍事的に協力しているのは日米安保体制を強化したいためである。日本は軍事的危険を一切負わないが、日本の危急の場合は米軍が保証してくれ、というような調子の良い軍事同盟がいつまで続くと思っているのか。米国の保証を確実にするために日本はテロ対策特措法など種々の立法を行って補強してきた。結局、最後に残るのは集団的自衛権の「行使」だというのが、防衛政策の究極の問題だ。「北」から撃たれた弾道ミサイルをキャッチする情報網は米国に負っている。日本向けは日米両軍の連携によって撃ち落とすが、「米国に向かっているミサイルを撃ち落とすことはできない。憲法を改正しないと難しい」と久間長官はいう。

 日本が行う憲法改正の作業は国内問題である。日本国内の事情で同盟国に何も協力できないというジレンマに歴代内閣は苦しんできた。久間氏は国内事情、憲法解釈を口実に軍事的コミットを避けようとしているとしか思えない。

 中川昭一自民党政調会長が提起した「核論議」について久間氏は「議論すること自体が他国に間違ったメッセージを送ることになるのではないか」という。山崎拓氏や加藤紘一氏も同様のことをいうが、クリントン政権は宥和(ゆうわ)政策をとり、コメも重油も原子炉もカネも差し出したが、これで「北」は10年の歳月を稼ぎ、核実験までたどりついた。久間氏はあと何年を「北」にやろうというのか。独裁国家の脅迫に対して宥和政策をとって成功した試しはない。ヒトラーに譲歩したチェンバレンしかりである。

 核拡散防止条約(NPT)第10条は「異常な事態が自国の至高の利益を危うくしていると認める場合には…脱退する権利を有する」との脱退条項がある。日本は「北朝鮮が核保有国として認められる事態になった時には第10条を想起する」との談話でも発表したらどうか。これでもっとも慌てる国は中国とロシアだろう。その証拠に媚中派の雄・二階俊博国対委員長は麻生外相の「核論議是認論」に対して「任命権者の責任だ」と安倍首相の責任まで厳しく追及している。二階発言は中国がどれくらい気にしているかのバロメーターでもある。

 国連は北朝鮮に対する経済制裁を決議したが、この制裁についてもっとも有効な手段をもっているのは中国だ。「北」の全石油輸入量の90%、食糧の50万トンは中国から入っている。中国は日本に核武装の口実を与えるなら、「北」の核を潰そうと真剣に考えるはずだ。アメリカは中国が計算の結果を出すまで、日本の動きを見守るだろう。

 ≪「核を持たない力」とは≫

 かつてフランスはドゴール時代、ピエールガロワ将軍が「中級国家の核理論」を唱えて核武装した。「ソ連がパリを攻撃した時、アメリカがニューヨークを犠牲にしてまでソ連に報復してくれるとは思えない。自ら10発持ち、やられたらモスクワをやり返す」というのだ。民主党の岡田克也氏は「核を持たない『力』を示せ」という論者だが、国際政治や軍事の世界に「持たない力」などあるわけがない。安倍首相よ、省昇格に当たって久間氏を更迭せよ。久間氏は長崎に帰って県議にでもなったらどうか。(ややま たろう)

(2006/12/23 05:16)

http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/seiron/061223/srn061223000.htm
--

まあ、ここに書かれている「結論」には久間氏の問題点以外は全く賛成しませんけど。

現在の日米同盟に対し「調子の良い軍事同盟がいつまで続くと思っているのか」とおっしゃるが、それを続けるのが政治家の力量なのではないのか。
そのためにも重要なのがアメリカが作った憲法9条を守ること。これがあるがためにアメリカは「調子の良い軍事同盟」を自らの責任で維持する必要性が生じているのですから。
で、それにも関らずアメリカが続けたくないと言うなら、まず「普通の軍事同盟」を結ぶことの損得を日本国内で議論すべき。
今のアメリカと「普通の軍事同盟」を結んだら、入よりも出の方が大きくなりそうというのは、NATO諸国を見たら容易に類推できます。
イギリスは、何でイラクやアフガンであんなに国民の命を失わなければならなかったのでしょうってこと。

また屋山氏は「米国の保証を確実にするために日本はテロ対策特措法など種々の立法を行って補強してきた。」と言ってますけど、現在の日米安保に米国が日本の防衛を助けることが明記されているにも関らず、それが「保証」にならないと言うなら、どんな「補強」をしたところでそれもまた「保証を確実にする」ことになどならないでしょう。

他にもクリントン政権の対北朝鮮政策や、核を「持たない力」に対する評価など、私の結論は正反対と言っていいです。

でもこれらは、個人の価値観の相違の話。

いつも見られる牽強付会や支離滅裂が、今回のものにはほとんどみられない、その意味でまともな「正論」と言えるものだと思います。










最終更新日  2007年01月08日 01時44分40秒
コメント(0) | コメントを書く
2006年12月29日
テーマ:戦争反対(1073)
カテゴリ:

核保有の議論に関連して、現在は従来の非核三原則に加えて「しゃべらせず」「考えさせず」を加えた非核五原則になっている、などと言っている人がいるようです。

基本的にこういうことを言う人は詐欺師体質の持ち主なんでしょうね。
自分の利益のためには他人を騙すことも厭わない。

核武装を検討するなら、まずその前段としてNPTからの脱退もしくはNPT自身の改定が必要。
その議論を隠して、核武装の是非を論ずるかのようなフリをするのは、人口の上限という制約を隠して、ネズミ講が儲かるかのようなセールストークをするのと同じです。

そういう詐欺的商法の勧誘があった場合には「聞く耳持たず」が正しい対処の仕方と、警察なんかも言ってますよね。
なまじ話を聞くと上手く丸め込まれて騙されるって。

だから、NPTからの脱退もしくはその改定を隠した核武装議論のような、詐欺的商法の勧誘に類する話は、やはり「聞く耳持たず」が正しいってことです。

核保有の議論をしたいなら、まずNPT体制の是非を論じなさいと、私などは申しているだけ。
それを議論の封殺などと呼ぶ人は、自分達が議論から逃げている責任を他人に転嫁しているだけで、そもそも議論をしようという意志が最初からないってこと。

現在の核保有論者こそが、議論から逃避して自分達の気に入らない人々にネガティブなレッテル貼りをしているの現実。
そこには、核を日本の国防にどう活かすのかという意図は全く見られない。ただ、国内的に自分と意見が違う者よりも優位に立ちたいという極めて矮小な欲求があるだけで、そういう人々にとって核保有など最初からネタでしかないってこと。

核保有の議論をしたいなら、正々堂々NPTの是非を論じるべきです。

それを隠している限り、「賛成意見」などは最初から自分の欲望のために他人を騙す詐欺的行為にしか過ぎないのであって、我々国民がそんなものにお付き合いする必要はないし、付き合わないように勧める方が人としても正しいってことですね。










最終更新日  2006年12月29日 09時49分07秒
コメント(4) | コメントを書く

全13件 (13件中 1-10件目)

1 2 >


Copyright (c) 1997-2020 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.