2009/06/13(土)18:57
あるトンカツ屋
このところ毎日、くもり空だ。
きょうが梅雨入りだというから、それももっともなことか。
今朝は私的ニュースがふたつあった。
いつもの7時発京王線通勤快速に乗っていったのだが、明大前乗り換えでふだんは乗れない7時53分発の吉祥寺行きに乗れたのだ。
よく乗るのがこの次の7時55分発富士見ヶ丘行きだからひと電車早い。ぼくの通勤状態にあって高井戸にもっとも早く到着する電車と
いうことになる。京王八王子7時発の通勤快速を利用するようになってから初めてのことだった。
もうひとつは西永福駅でのこと。
父が生きていたころ好んで出かけていったトンカツ屋「とん太郎」が店を閉じていたのだ。
いつ閉めたのかは分からない。
考えてみると、このごろ井の頭線に乗ると進行方向左側に座ることが多く、西永福駅の南側を眺める機会がほとんどないのだった。
きょうは上に書いたように通常よりひとつ前の吉祥寺行きに乗ったせいで空いた座席がなく、ドア脇に立っていたおかげで西永福駅南側を見ることができた。
永福町を過ぎ、家並みのようすは変わっているにせよ線路沿いの道から南に向かう道路や小路はむかしのままで、何となくノスタルジックな気分になるころ電車が西永福駅に到着する。目の前の光景をぼんやり見つめ、角の本屋がなくなっているだのあんなところに見たこともない店ができているだのと昔日の記憶を重ね合わせるうちに発車、ほどなく「とん太郎」の前を通ることになる。
で、驚いた。
この間までむかしの通りにあった店なのに看板がない。大きな木の板に「とん太郎」という黒い文字を彫り浮かばせていた看板で、なかなかよかったのだ。それが消えている。
ぼんやり気分がふいに飛び去り、あの店に父と行った最後の場面を想い出していた。
何回も出かけていった中で、その晩は初めて父とぼくの2人きりでとんかつを食べに行ったのだった。カウンター席の奥に座った記憶があるがたしかではない。いつも通りに2人ともロースカツを注文したのだった。
父は、トンカツ屋に入ると好んでロースカツを選んだものだ。
ぼくは場合に応じてヒレカツをとることもあったが父はロースカツ一辺倒。よく「トンカツ屋で喰うならロースカツだ」といっていた。
父が西永福駅前の「とん太郎」が気に入ったのも「ロースカツがうまいから」だった。
最後に行った晩のことで想い出すのは、やはり2人でロースカツを食べたことで、そのときどんな話をしたのか、とにかく20年以上も前のことだからなぁ、なにも想い出せないよ。
その店が閉じてしまうのか。
もっとも考えようによっては、父が行っていたころからいままで、よく持ちこたえてやってきたものだとも思う。駅前のようすが大きく変わったのはさまざまな食べ物屋ができたからで、そのどれもがいわゆるディスカウント居酒屋なのだ。
ああいう中で「とん太郎」がやってこられたのはあのジュウシィなロースカツの力だったのだと、事実はどうあれそう思うことにする。
ひと電車早いおかげで高井戸駅からの徒歩時間に余裕をもてる。
環八沿いにテニスクラブがあり、壁際に花壇がしつらえられてい、いま紫陽花の季節。ぼくはちょうど見ごろとなった紫陽花を見ながらゆっくり歩いた。
上の写真がその紫陽花である。
夕方、帰宅すると先日受けた健康診断の結果が届いていた。
血圧は「124~78」、BMI(体格指数)が「21」、どれも正常値だ。
糖尿っけもなし、胃は健康度A、ほかも問題なく、いたって健康。
よかった。
夕食に添えられた鶏スープが絶品だったのは作ったばかりの新鮮さゆえか。
塩を少々に黒こしょうを加えるだけのいつもの味つけで、じつに3杯も飲んだぜ。