2010/03/16(火)23:27
「激坂」ということば
あたたかい日で、ワイシャツに革ジャンという姿で寒くなかった。
むしろエアコンを効かせた室内が寒く、午後はジャンパーを羽織って仕事をした。
行きの電車でトム・ロブ・スミス著『グラーグ57』(新潮文庫)の下巻を読了。
スターリニズム時代のモスクワ、あるいはブダペストを舞台としたエンタテインメント小説を、ぼくはおそらく初めて読んだのではないかなぁ。
あらためてこの著者のデビュー作『チャイルド44』を読みたくなった。
一昨年の刊行時、ぼくは読み損なっちゃったんだよな、これ。
「寄り道オフィス」に入ったときには青戸さんがひとり、本を読んでいた。
きょうは早めに行ったからだ。
天気の話、夜来の雨の話、百草園の話。
天気については春の暖かさを述べ合い、雨については夜明けごろけっこう強い雨が降ったらしいという共通の報告。青戸さんは自転車通勤なので朝の雨に敏感なのだ(むろん夕方も)。
印象深いのは百草園の話で、日曜日にお子さんと行ったそうだ。
いい感じの親子散歩だなと思いながら聞いていた。
が、駅から百草園に行く道が途中から険しい急坂になるという。
青戸さんが驚くほどなのだから、かなりきつい傾斜なのだろう。
ぼくには上れない坂だなとすぐに判断できた。
いまさっきインターネットで、この道が百草園通りという名で、急な坂はよく知られていることを知った。
こういう急傾斜の道を、自転車好きが「激坂」と呼ぶそうで、百草園激坂を上がる動画サイトがあった。
傾斜角20度というが、いやすごい。
見ているだけで息が上がってしまったよ。
ぼくは中学のときにこのあたりをハイキングしたことがあり、そのとき百草園にも行ったと思うのだが、いまこうして動画を見るとまるっきり記憶にない。
別の道があるのではなかったかという話を青戸さんともしたのだが、とにかく、中学時代のハイキングにあれほどの坂の想い出はない。
もしかすると、あのとき百草園には行かなかったのだろうか。
一緒に行ったクラスメイトは青木くんといった。
いまはどうしているのか、卒業以来、消息をきかないが、百草園のことをたしかめたくなってきた。