ワイルドベアの日記

2006/12/21(木)23:13

コリアン・レポート 【6】

V. スピリット(72)

★セミコア・トーク: コリアン・レポート 【6】 土曜日1日、朝から夕方までで見て回れる場所は時間的に限られ ていた。もちろんヘリコプターでもチャーター出来れば、もっと行動範 囲が広がるが、そこまでする必要はない。北朝鮮との国境を見たい という強い思いなどは特になかった。 韓国の歴史の一部を学ぶことが出来た昌徳宮と同様に私の関心を ひいたのは「カジノ」である。断っておくが、私は賭け事は基本的に嫌 いである。もう少し正確に言うと、勝てる確率が極めて低いにも関わ らず、ほとんど実現し得ない高収益を狙うことを楽しいとは思わない。 自分や他者を利するために、結局、出来るのことが祈ることだけと いうのでは、真剣に取り組むかいがない。 アメリカで数年暮らしていたが、カジノのあるラスベガスやアトランティ ックシティに貴重な時間とお金を使って行こうとは思わなかったし、 そのような機会もなかった。 それでもカジノに電車や歩いて気軽に行けるとなるのであれば一度 見てみたいという気持ちになった。東京にもカジノを作ることが話題 になっていたりする。個人的にはカジノができると犯罪が増えたり、勤 勉な日本社会が損なわれたりするのではないかと、やや心配に思 う。韓国では外国人しか入場できないが、カジノが公に認められてい る。 昌徳宮からそれほど遠くないホテルに併設されたカジノへは歩いて いくことにした。実際歩いたことはないが、感覚的には上野から 東京駅まで歩くようなものだった。外国など、なじみのない街の 雰囲気を味わうには、歩くのが一番である。東京の山の手線沿線 を一周したことはないが、マンハッタンは自由の女神の見えるバッテ リィー・パークからセントラルパークまで歩いて、ニューヨーカー気分を 満喫したこともある。 カジノへ行く途中でお昼を食べることにした。しかし、適切な店が 見つからない。昔、フィラデルフィアに1年住んでいた時に、ご飯食 を求めて、毎日のように昼食か夕食に1度は食べていた「ビビンバ」 は、私の好物の一つである。S氏に「ビビンバを下さい」という韓国 語を紙に書いてもらい、持っていたが、残念ながら使う機会はなか った。代わりに私の注意をひいたのは、ソウルのビジネス街の西洋 文化を布教する大本山のように店を構えていた「バーガーキング」 だった。独特な炭火焼きの風味は時々食べてみたくなるものであ る。日本でも90年代後半に一時食べられたようだが、マクドナルド との激しい価格競争に敗れたのか、撤退してしまっていた。 マクドナルド同様、店に入るための精神的な敷居はとても 低い。どこでも同じメニューが、同じ味で、しかも手ごろな値段 で楽しめるのはうれしい。しかし、注文するのは一苦労だった。 バーガーキングの定番バーガーの「ワッパー」は何語で発音して もそれほど変わらないと思うが、全然通じない。「2番のセット を1つ」と英語で言って待っていたが、理解されていなかった ようだ。全然出てこない。学生のアルバイト風の男の店員は、 愛想が良くて、どこかとぼけていて、それでいて憎めない昔 会った韓国人の知人にどことなく似ていた。 何とか注文に成功して、出されたハンバーガーは、忘れかけて いたボリューム感があって改めて感動した。3階の禁煙席は白 と黒のタイルで内装を施されていて、全く韓国にいることを感じ させなかった。懐かしい、少々癖のあるハンバーガーを味わい ながら、頭の3分の1くらいで、なぜ、バーガーキングやカルフー ル(フランスの大型スーパー)は日本市場に定着しないのかを 考えた。しかし、言葉で簡単に説明できるような解答は出な い。これも結局はコミュニケーションの問題である。 昼食を済ませて、やや道に迷いながらたどり着いたカジノのある ホテルは、赤いはちまきを巻いたデモ集団に囲まれていた。 【次号に続く】 □□□□□□■□■□■■□■■□■■□■■□■□■□□□□□□ ※メールマガジン『次世代ビジネスリーダーのための「V.スピリット」』  のセミコア・トークを掲載しています。 ■メールマガジンの登録・解約:   「V.スピリット」は、まぐまぐ と melma を通して配信しています。  次のサイトでメールマガジンの登録・解除が出来ます。  http://www.wildbearcorp.com/mailmagazine.htm □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

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