2008/08/24(日)23:20
過去のデータ その2
そして、卒塾生して早もう5ヶ月が過ぎようとしていることに驚きの9期生。
彼らは一転して男の子が多かった学年。
勝気な生徒が多く、チームとしての結束力もあったが、
どちらかというと味方をライバルとして
自らの技量を高めていく生徒が多かったように思う。
また、塾としては、校風・伝統の力が本物かどうか、
前年度が偶然なのか必然なのか試される大事な学年となった。
【 第8期生 計28名 平均偏差値60.9 】
選抜クラス 12名 ※5教科偏差値順 左から3科・5科
1 68 71
2 71 69
3 70 69
4 68 69
5 67 66
6 65 66
7 66 65
8 65 63
9 61 62
10 60 62
11 64 61
12 57 56
平均 65 65
普通クラス 16名 ※5教科偏差値順 左から3科・5科
1 65 65
2 67 64
3 63 62
4 62 61
5 59 61
6 61 60
7 57 59
57 59
9 57 58
10 57 54
11 54 54
12 55 53
13 52 52
14 51 52
15 55 51
16 52 49
平均 58 57
結果としては、ご覧のとおり、
2年連続でものすごい実績を出すことができた。
進学先だけを見ると、男の子が多かったせいか、
7期生に比べ難関校への挑戦を楽しんでいたような感があったように思う。
1つおもしろい話がある。
塾内2位の生徒と塾内3位の生徒の話。
学力的には2人とも県内最高峰の一角、川越高校も可能という位置にいた。
しかし、冒険はせずに無難に市内のトップ校である所沢北にと、
まずは前期(定員の25%となる狭き門)で受けることにしたのだが、
結果としては、塾内2位の生徒は合格し、3位の生徒は不合格となった。
「落ちたら川越高校にしようと思っていたのに」と、
微妙な顔を作りながらも、まんざらでもない2位の生徒。
その日の後、よほど悔しかったのだろう、3位の生徒がこう言い出した。
「志望校を川越高校にします」
入試本番10日前くらいのことだ。
「今から!? 絶対に県立じゃなかったのかい?」
そう聞く私に、彼はこう言った。
「後期で所沢北に受かっても、○○(←2位の生徒)に負けたことになる。
でも、これでオレが川越に受かればアイツはきっと悔しがる」
結果は見事合格!
他にも熱い奴らがいっぱいいた。
彼らもまた最高のチームだった。
蛇足だが、この2つのデータでおもしろいことがわかる。
それは、2年連続して、
選抜クラスの下位層よりも、普通クラスの上位層の方が
学力だけを見ると上回っているということ。
もちろん中2終了時のクラス編成の際には、
学力別に分けているわけだから、この結果は非常に興味深い。
※ ウィルでは選抜クラスも普通クラスも担当講師は同じ。カリキュラムもほとんど同じ。使うテキストもほとんど同じ。要するにクラスの生徒層が違うだけです。
有名な2:6:2の法則という組織論があるが、
少し眉唾であったこの考えもこれを見るとある程度納得せざるを得ない。
とはいえ、上位層の下位の2割が落ちるというわけではないようだ。
伸び悩むという表現が正しいように思う。
一方で、下位層の上位の2割は2年連続で大きく伸びている。
どうやら偶然ではなさそうだ。
では、これをうまく利用する方法は無いか?
そこで今年の9期生は、この法則を基に考えたアプローチを用いて、
下位層も上位の意識を持つような作戦を打っている。
果たしてうまく行くかどうか。
こうやって毎年いろいろな分野の本を読み、
改良を重ねていく毎に、生徒の結果にも変化が現れる。
塾を自ら創る者の醍醐味の一つがここにあると思う。
なお、この結果は高校選びをする上でも非常に参考になると思う。
ただ、そこで注意して欲しいのは、
上位層の下位は確かに学力は伸び悩むかもしれないが、
周囲の影響を受けるだけに意識は高くなっていくということ。
学び方や、学ぶ内容、これも周囲の影響でやはり高いものを求めるようになる。
下位層の上位よりも、上位層の下位の方が進学校を選ぶ傾向が高い。
このことが、それを如実に表していると思う。
話を戻します。
この高い偏差値をご覧になられると、よく勘違いされることがある。
「学力の高い子ばかりを集めているのではないか」と。
ここは声を大にして言いたいのですが、
ウィルはどんな学力の生徒でも基本的に受け付けています。
入塾する際に学力における基準などは設けておりません。
完全なる先着順です。
ですから、学力的にかなり低い子も毎年入ってきます。
入塾の時点で、模試をやらせてみて
100点満点で10点も行かないような生徒もざらにいます。
今年も小学生の2割くらいが100点満点で30点未満です。
そんな状況の生徒たちでも、このような高い実績が2年連続して出せたこと、
これは決して偶然ではない、講師の個人技でもない、
7期生から始めたアプローチの成果だと私は思っています。
なぜなら、6期生に当たる生徒たちはこれほどの高い実績は上げられなかった。
いや、6期生以前も同じです。
確かに、爆発的に伸びた生徒も多かったです。
ただ、全体の層はここまでは上がらない。
もちろん、6期生以前と7期生以後、講師は変わっていません。
創立メンバーである私たち3人がずっと教えていました。
その上、生徒数は昔の方が少ないのですから、
一人に掛ける時間は昔の方が多かったはずです。
そう、直接教えている時間はむしろ今の方が短い。
(昔は深夜2時くらいまで授業していたりしました)
宿題や小テストのようなものも年々減っていった。
(今年の中2から試験制度が変わるため、その制度変更の詳細がわかるまでは定期テストの比重がどうなるか不安なので、2年以下の学年には課題を出すようにしましたが)
なのに、なぜこうも結果が違うのか?
変わったのはそう、くどいですが校風や伝統といった類のもの、
塾内に充満する『当たり前感』。
これこそが生徒を伸ばしているのだと私は思っています。
やはりよく言われることですが、
本当の意味で学力を伸ばすためには「教え過ぎ」てはいけないのでしょう。
知識よりも意識、自分で学ぼうとする意識を育てなければ。
そして、学ぼうとする意識は人に言われても育ちません。
意識は自分で気づかなければ決して変わりません。
では、自分で気づくように仕向けるにはどうしたらいいか?
それが伝統とか、校風とか言うものではないかと思うのです。
その力に比べれば、講師の力量なんかたかが知れている。
確かに、講師の力量や課題の量では、一時的に伸ばすことができるでしょう。
昔の私たちがそうだったように。
でも、それは伸ばしてあげた学力であって、伸びた学力ではない。
伸ばしてあげた学力は、その外的要因がなくなれば何も残らない。
(合格した高校のステータスと仲間は残りますから、そこから影響を受けることを期待するのみ)
私たちは私たちの塾で本当の学力を身に付けさせてあげたい。
ウィルの特長、伝統の力とは、言い換えれば、
生徒の意識に働きかけ、生徒の気づきに期待するということです。
自分で動き出した生徒たちは、極めて要領よく、短い時間で成長していきます。
「1日に何時間の勉強時間を。」
「1日に○ページを。」
そんなの馬鹿げてますよ。
勉強は時間じゃない。
何を求め、何を気づき、どれだけ変わったかが大事なはず。
そのことに気づいてもらう。
ただ、それだけで後はもう何もせずとも大丈夫。
今年は、今まで共に同じ場で生徒指導に当たっていた
同志2人が、新所沢へ移動しました。
東所沢の講師は塾長である私以外、昨年とは異なっています。
私の仮説がどこまで正しいのか、
今までの高い実績は伝統の力なのか、
それとも私たち3人の個人技だったのか?
それを9月の北辰の結果で判断したいと思います。
7期生の9月の北辰結果は、平均ss60.2
8期生の9月の北辰結果は、平均ss58.2
そして、9期生の9月の北辰結果は・・・。