2006/06/18(日)14:37
医療現場で泣く…。
忙しくて泣ける時がありますが…まあ、実際には泣いたりしませんよね。
ですが…医療の現場だけに…色々あります。
テレビドラマは嘘っぽすぎて、白けます。
ドキュメンタリーは、綺麗ごとだけをとりあげちゃってる気がします。
私、涙もろいです。
以前もアンビュー押しながら泣いてたことがありますが…。
夜中にCPA(心肺停止)が来るから、応援に来て!…と言われました。
病棟が忙しくても容赦ありません…。
救急車を待ちます。
小児科医が集まってました。
赤ちゃんでした。
まだおっぱい飲んでるくらいの。
丸々とした子でした。
小さな体を大勢で取り囲んでできる限りのことをしました。
1時間以上。
大人なら、そこまではしません…。
子供なら、あるいは…ということがあるようで…
皆必死でした。
小さな体にどれだけの薬を使ったことか…。
DC(除細動です。所謂電気ショック?)にも、反応はありません。
…とても戻ってきそうな様子はありませんでした。
1時間が過ぎて…両親が呼ばれました。
赤ちゃんのお姉ちゃんも一緒です。
まだ、心臓マッサージをしています。アンビューも押してます。
両親に納得をして貰わないといけないのです。
赤ちゃん…。
数ヶ月前に生まれたばかりの赤ちゃんなんです。
赤ちゃんのいる家庭って、賑やかで明るくて、希望に溢れている感じです。
両親が赤ちゃんの死を納得するのはホントに難しいと思います…。
きっとそんなことがあっていい筈がない、納得できないという気持ちです…。
「だって、さっきまで泣いてたのに…頑張って!」
お母さんは赤ちゃんを励ましますが…
もう、心臓が止まってしまってから一時間以上経っています。
心臓マッサージもやめています。
ただ、気持ちが納得できないお母さんのために、アンビューだけ押し続けます。
その状況で…女性スタッフで泣いてない人はいませんでした…。
泣くなという方が無理です…。
気持ちがへこんだまま病棟に戻ると…まだみんな忙しそうな雰囲気でしたが…手伝うことはもうないよ…ということで…
何となく、取り残されたような気持ちで…
大抵、こんなだったよ、あんなだったよと喋りまくるのですが…
「赤ちゃん…ダメでした」
と、ぽつりぽつりと言うのが精一杯。
ブルーな気持ちのまま帰路に着きました。