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~ 今日の風 ~

~ 今日の風 ~

子育て自由律俳句

   
    =子育て自由律俳句=



 けいすけの思い出


  【幼長】

  雨の日は折り紙のカモメ部屋を飛ぶ
  
  ピンクのリボンでおかあさんの絵となる         (けいすけ

  魔法使いの声色も出して読み聞かせ

  盆踊りの浴衣で眠ってしまった

  子を預けて戻った家がこんなに暗い


  月見草の花だけ摘まんで母におみやげ            (けいすけ

  小さな手が花供えてる道祖神                (けいすけ

  人ごみに入るとどこか似てきて兄弟


  一番速いチーターとなって仮装行列の子           (けいすけ

  指先までピーンと伸びて組立体操              (けいすけ

  子の描いた母の笑顔に近づこうとする



  お母さんと結婚したい息子二人持つ

  順番に一気に聞かせる今日のこと

  せいいっぱい背伸びしてもカラスウリ             (けいすけ

  天井の響きおさまって子ら眠りについた


  子ら眠った後に時計の音

  手に余るわんぱくの寝顔にほおずり

  照れながら抱かれている子の重み               (けいすけ

  テーブルにしっかり残った子の歯型              (けいすけ

  どんぐりも石ころも捨てられずに飾り棚            (けいすけ

 
  鬼さん落ち葉かさこそ見つからぬように

  泥だんごカバンにしまってさよならする            (けいすけ


  たどたどしい文字でありがとうのメモ             (けいすけ


  もみじ葉を流れには落として走っていく


  T形の流木をピストルにしてかまえてる

  草の実いっぱいつけて走ってきた

  リス素早く子ら棒立ち


  暮れなずむ空に留守居の子の顔浮かんで

  わたしの影に子の影がすっぽり重なり消える道

  こだわりも抱けばゆるゆるとけていく



  ここまでもったちっぽけな歯を縁の下             (けいすけ


  ドーナツを粘土のように小さな手が並ぶ

  タンスにミニカーの傷のいくつも


  蜘蛛の巣かかった子の蜘蛛の巣をはずす

  何とか言っては抱かれに来る子のぬくもり

  いつの間に子の手を握って眠ってた


  大きめのスリッパの大きさにはしゃいでる

  カラスウリ腕いっぱいのまま手を合わせてる

  怪獣に形を変えた雲見ている影三つ



  はぐれた目が合ったら笑顔                  (けいすけ

  寝るのはもう厭きたという子の熱が下がらない         (けいすけ

となかいの角つかたままで通園バス降りてきた         (けいすけ
  
  通園バスから赤鬼青鬼降りてくる

  熱下がって元気な洗濯物がふえた

 母の歩幅に合わせてせいいっぱいの運動靴            (けいすけ

 父がいない夕餉で子らの好物が並ぶ         

 小さな背中のグリーンのバックが電車に消えた          (けいすけ

 玄関先の棒きれ三本と泥のおだんご               (けいすけ

 母へのお返しは30円で買った50円玉のチョコ         (けいすけ

 唐突に「刺身ちょうだい」とざりがにとり            (けいすけ

 すねた子にもう出ていた土筆一本手渡す             (けいすけ

 埃臭い男の子と石ころ積んで家路につく

 リュック三つ並んで外を見ている

 同じような顔と寝相で三人

 (卒園式)

 机の下にもぐりこんでなでしこ組とさようなら

 不器用な君のさよなら握手は左手で

 【けいすけが作った句】

 あさみえた山がみえなくなってあめがふりだした

 しずかにするときこえてくるむしのこえ

 むらさきをしろがかこんだシンビジューム

 まっくらなたんぼにあかりがひとつ

 やさしそうなおじぞうさまにおねがいする

 みずいろのそらがあおくなったときがゆうがただった

 おばあちゃんとおかあさんのおやこのしるしのほくろ

 まがりかどのくるまのライトがAのじになった

 いちょうがちってどうろもきいろ

 いっぱいのうめのはなのむこうにあおぞら

 三かくこうえんのちかくのひみつきちがくさの中

 おかあさんがなげるしろいたまからにげるゆきがっせん

 みどりの山のてっぺんでしろいくもがひとやすみ

 たかおに、どろのおだんご、いとうくん、たのしかったようちえん

 おかあさんのきいろいはなをせんせいがつけてくれてそつえんしき

 てづくりのクッキーにみんなのこころがはいってる

 きみどり みどり いろんなみどりで 山がみどり


 小1


 小さな肩で大きく息して検査受けてる           (けいすけ

 たんこぶつけて元気なただいま               (けいすけ

 息子から預かった蟻や蜘蛛気にしながらの買い物       (けいすけ

 小さな靴ぶら下げて今日の収穫蛙一匹            (けいすけ

 わびるように促す幼い兄の声をドア越しに聞く        (けいすけ

 蹴れば種はじける原っぱの運動靴              (けいすけ

 頑張ったこときいてもらって夕餉              

 海岸線くねくねと書き込む子の思いは海原          (けいすけ

 当たりくじ引くように引き抜くのは玉葱

 美容室帰りの母ほめる小さな紳士達

 点数つけてやれば何度でも逆立ちしている布団の上       (けいすけ

 豆腐屋の車も停めて見つめているカナヘビ           (けいすけ

 口では言えない子の畳に書いたことば             (けいすけ

 脚の届かないレンタサイクル土塀の細道抜けていく 《安芸》 (けいすけ

 走るといえばどこまでも走っていくこの炎天下に       (けいすけ

 背中焦がしながらいつまでも覗いている珊瑚の海 《西海鹿島》

 バックミラーにすねた子追いつくのを待つ旅の路上       (けいすけ

 子は部屋の中にテントを張ってもう三晩            (けいすけ

 あさがおに小さなじょうろ二つある夏休み            (けいすけ

 指しゃぶりそのままで一年生                 (けいすけ

 背丈ほどのスコップ持って甲虫の幼虫さがし          (けいすけ

 ふくらんだポケットの中はどんぐり              (けいすけ

 ただいまの前にどんぐり笛の音                (けいすけ

 小さな手が目玉焼き作れて注文をとる             (けいすけ

 道祖神に一輪供えてかけていく                 (けいすけ

 捻挫した足に肩でも頭でも貸してくれる

 縁の下に入れる歯メモにはりつけてある            (けいすけ

 三人三様の買い方で駄菓子屋の前

 子の寝息の横で眠る

 寝入った小さな指に伸びる間のない爪            (けいすけ

 木の実採って子らと戦闘開始

 背中掻けば快く目覚める子の布団に手を入れる         (けいすけ

 小さな三角のひなたで通園バスを待つ

 冷たい手でもさすってやれば寝入ってしまう          (けいすけ

 新入生の黄色いカバーもつぎはぎでもう三学期          (けいすけ

 イヴは二男のたどたどしいジングルベルで始まった        (けいすけ

 ひとまわり大きくなった子ら乗せて故郷への道

 小さな指が水平線なぞっていく岬の陽だまり      

 今日の遊びのみこんでいく洗濯槽の渦

 きびきび動く体操服のゼッケンさがしあてた         (けいすけ






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