グレイスの泡
グレイス・エクストラ・ブリュット[2011]昨夜は、カウンター貸切で、神楽坂の小室さんで鮎の会。いろいろ入手できるようになったということで、6つの川の天然の鮎を食べ比べてみるという趣向。昨夜が初めての試みだとのことでした。先付、八寸、あい変わらず絶品の鱧のお椀などなどの後、活けの鮎の洗いをはさんで、塩焼きが6連発。三重1、福井2、京都1、高知1。だんだんと香りが強いものになる順に出していただきました。ちなみにトリ前が京都の美山、トリが高知の四万十川のもの。一度に食べると、違いがはっきりわかるものですね。よき体験でした。合わせたお酒、ビールも日本酒も飲みましたが、8人で5本も開けてしまったのが、ついこの前のデカンター・アワードで受賞した中央葡萄酒、グレイスの泡。1362本限定だそうですが、小室さんは4ダース入手したとのこと。この泡、確かに日本の泡としては高価ですが、すこぶる美味しいブラン・ド・ブランでした。泡、酒質のふくらみ、余韻の長さとも上々。熟度しっかりのシャルドネはナチュラル&スムース、尖った酸もなく、生成りの木材から造られたよう。高級というより、上質と言いたくなる味わいで、シャンパーニュとは一線を画した味わいながら、ある意味遜色のないレベル。流通価格以上の味わいだと思いました。その日は、綺麗な味わいの鮎と泡だったので、小室さんから、「この後、牛肉と花山椒のしゃぶしゃぶもご用意していたのですが、せっかくの香りの余韻が消えてしますから、やめておきましょうか?」と言われ、誰からも異論が出ませんでした。たしかに口の中には、香りと綺麗な苦みのアフターが、長い間残っていました。