12月のワイン、2023年度のワインライフ
BBRのサンセール。近年、BBRのワインをあれこ飲むようになりました。旧新世界、主要だったアペラシオンを網羅していて、特に需給のバランスがとれている地域では、昔ながらの付き合いがあるので、現時点でもかなりリーズナブルな値段で,BBRラベルがリリースされています。特にボルドーの有名シャトーものが、その名前を表向きは出さずに、若木とはいえ、びっくりする価格でオンリストされています。値段はセカンド以下で、味わいはセカンド以上。このサンセールも、クラシックなグラッシーさがありながら、熟度の十分でおいしかったです!ただBBRも、ブルゴーニュだけは制御できないようで、昔日の素晴らしいさはありません。。。このバンジャマン・ルルーの2020年も、やや煮詰めた赤系果実の要素の少ない味わい。前年はブルゴーニュ・ルージュ表記で少し値段も上だったので、それよりも格下の畑で仕込んだのかもしれません。バンジャマン、何かの記事で「契約は紙でなく握手。ブルゴーニュはそういうもの」というようなことを語っていましたが、世界的な需要の前では、そういう流儀が通用しないのかもしれません。このワインにもう少しだけ上の価格で、ボルドーならラスカーズが仕込んだ素晴らしいBBRサン・ジュリアンが買えるので。。。というわけでBBR、ブルシャン専科でなければ、とてもおすすめです。神の雫にも出た、キャンティ・クラシコ・レ・コルティと、ロワールのボノームのヴァン・クール・ブランは、10ヴィンテージ近く飲んでいる定番ですが、どちらも安定の味わい。レ・コルティのややソリッド感のある味わいも、ボノームのややガス感のある典型的なビオ白味も、なぜだか飽きません。特にイタリアは、価格上昇が穏やかなのが嬉しいです。初めて飲んだ酒井ワイナリー。四十雀は、デラウェアの醸しでした。赤ワインですが、オレンジワイン系の味わい。デラを普通に造るより、果皮の軽いえぐみがアクセントのこっちもほうが好ましいですね。お恥ずかしながら、1erのなったプイィ・フイッセを、初めて飲みました。ボーヌの白のリリースがすっかりなくなり、マコンとシャブリ系に集約されて、特に騒がれることもなくなったヴェルジェですが、改めて飲むと、やはり相当魅力的でした。このワインはリリースされているPFの中では上位銘柄ですが、ちょっと前に飲んだこのアペラシオンのっ知られていない造り手のものや、ヴェルジェのマコン、サン・ヴェラン、並シャブリと比して、2、3段上の味わいで、石を思わせるミネラル感と酸の伸びが秀逸で、例のヴェルジェ香も抑えめで、かなり秀逸な味わいだと思います。ルフレーヴより魅力的な気が^^ リピート候補です。シャブリも飲んでみましたが、これはプイィ・フイッセ以上に好みでした。ヴェルジェがシャブリ好きなのがよくわかる味わい。モンドミリューは、とても特色のある1級で、シャブリにしてエキゾチックな黄色系の果実味で、よく言われるヴィオニエらしさも、このワインはよく表現していました。ヴェルジェの造りとよく合った特徴のある1級だと思います。奥底にあるキリメリジャンのニュアンスも好ましい1本でした。この2本、コート・ド・ボーヌなら今やレジョナルしか買えない価格で、プルミエに充分なレイヤーがありました。頗るコスパが良かったです。毎年恒例の忘年会、その1は私がワイン担当。ベテランの某料理研究家のお宅での食事会では、今までは友人のYさんのショップから購入していたのですが、高騰するブルシャン中心なので、今年はネットのビオ系ショップにしました。アルコールを飲まない人もいたり、ふだんはビーラーだったり、ワインでも白しか飲まない、といったメンバーだったので。泡2、白2、赤1。以前も飲んだドイツの泡。オーストリアのロゼ泡。オーストリアの白。Gフェトリナーです。ロワールの白。SBです。ロワールの赤。CFです。コスパを考えた結果、オーストリアやドイツ、フランスだロワールということになりました。ビオ系歓迎のメンバーだったので、5本ともたいへん好評でした。泡は甘辛酸のバランスがよく、白はシンプルで酸がきれい。赤も青臭さがないプラム系のビオ味。買ったのは、ビオ系を探すときにいちばん使っているコチラ。https://www.rakuten.ne.jp/gold/morisawa/ビオ系は飲んだことがなくても、このショップの説明を読むと、ほぼ期待通りの味という結果になります。その2はいつものブルシャンの人々と。レ・フレール・ミニョン、ジャクソン、ヴァンサン&ソフィー・モレ、ドニ・ベルトー、アラン・ユドロ・ノエラ。さすがに旨い^^前日のビオたちとワインという飲料でありながら、違う飲み物ですね。価格を無視すれば、どちらも官能評価としての「美味しい」に上下はない気がしました。あと今年は夜に、近所のセブンイレブンで買ったロゼのシャンパーニュを飲んで終わりの予定です。今年はコンビニやカクヤスで買ったワインを別に、心して買ったワインは108本、飲んだワインは111本でした。ほぼ均衡。いちばん買ったり飲んだりした時期の40%くらい、6割減といったところです。相変わらず、ワインは好きだなあと思いますが、その時々で飲みたいものが変わるのも相変わらず。赤はブル、ボルドー、ロワール、ローヌ&南仏、キャンティ、リオハ系。白はブル、ロワール、アルザス、モーゼルのリーススリング辛口、イタリア自然派。泡は、シャンも非シャンも。今年は、理由はよくわかりませんが、新世界を飲むことがすごく減りました。昨日も、インバウンドや飲食店以外の家庭のワイン購買意欲が下がっている気がするという話が出ていましたが、私もそうですがワイン購買を支えていた一般層は、日本の人口動態と等しく高齢化が進み、購買力、体力、そして気力が下がり、日本のワイン業界は決して明るい展望ではないかもしれませんね。私も還暦を迎えたということもあり、肉体年齢を感じる年でした。その一方で、ほかのジャンルでは、新鮮に感じることが多い1年でもありました。私はアマゾンのアレクサ端末で音楽を聴くのが日常ですが、何かの曲をリクエストすると、その曲の後、勝手にリコメンドする楽曲を聴かせてくれます。そこで初めて聴いたのがきっかけで知ったバンドのライブに、今年は3組も行って、そのどれもがリピーターになること必至。AIごとき?に手の内を読まれているは悔しいのですが、そうでもなければ膨大な音楽の山から、出合うこともなかったでしょうから、これはもう人工知能に感謝!です。好みの音楽をつくっているバンドが、デビューしてもう何年も活動しているのを、知らなかったわけですから。おそらく音楽の世界は、聴き手が熟成しているからなのでしょう。というか、好きなものしか聴かないのが音楽ですから。ワインも同じようなリコメンドがありますが、試してみて音楽のような結果になったことが、あまりありません。もしかしてそれはワインはまだ、ブランド、有名、人気、売り切れなどなど、味わい以外の要素で飲んでいる人が多いからなのかもしれません。音楽のように、ワイン消費の世界も熟成して、人工知能が、自分の知らなけど知れば嵌るに違いないワインとの出合いへ誘ってくれるようになればいいなあと感じた、2023年でした。