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カテゴリ:小アルカナ(マイナーアルカナ)
こんばんは、トキワです。(^^)/
2009年に入って久しく・・・ 北海道十勝では、凍てつく寒さに襲われたり、かと思ったら、大雪に見舞われたりと、新年からドタドタとしております。 トキワも地味に忙しいィー! まぁ、お仕事を頂けているのですから、有り難く思わないといけませんよね。(^^) さて、本日の御題です。 前回更新の時に、エトワールさんから、小アルカナについてご質問を頂きましたので、それを題材に、お話して行こうかと思います。 【小アルカナを正しく理解する方法は無いものか?】と言う問い合わせです。 ・・・難しいお題です。(--; エトワールさんは、とても勉強熱心な方なので、色々なタロットの本を読みながら、比較検討して見たようです。 本によって、小アルカナの解釈は随分と違うと言う感覚を持たれたようですね。 これは、トキワもそう思います。 本によって解釈が違う。勿論、トキワの小アルカナ解釈も、一般刊行されている書籍と、全く(とまでは言わないが)違う。 この命題に対して、【明確な答え】と言えるモノを持っている訳ではありませんが、その背景に触れつつ、トキワなりの考えを紹介したいと思います。 まず、【小アルカナ】が、【プレイングカード(日本で言うトランプ)】と似ていると言う指摘がありますが、歴史的に見ると、元々【プレイングカード】が発展して【小アルカナ】になっているので、勿論似ています。 そして【タロットカード】も、元々【占い】の道具では無く、【遊戯用カード】です。 後世(18世紀頃)になって、初めて【占い道具】として活用研究が始まるのです。 この折、一つの【大本】が有り、一つの系統として現在に流れて来ている訳では無い、と言う点が注目に値するでしょう。 【タロットカード】を【オカルト道具】へと発展させた【仕掛け人】は、確かに限られた人物です。例えば、アントニオ・クール・ド・ジェブラン。タロットをオカルトに結び付けた仕掛け人です。アルフォンス・ルイ・コンスタン(エリファス・レビ)。タロットとオカルトを結び付けて、体系化させた第一人者です。エッティラ。タロットカードを、初めて占いに用いたフランスの占い師です。こう言った人が【引き金】となっています。 しかし、その【引き金】によって、研究を始めて、後に成果を残していった人は、もっと多くの人達で、同時に、別々の理論体系を持った人達でした。 西欧圏で発展したモノでもあり、フランスやらイギリスやら、それぞれのお国柄も有った事でしょう。 その為、どの流れに属しているのかによって、タロットの捉え方は、随分と異なるのです。 タロットを【カバラー】に結び付ける事を主流とする一派も居れば、タロットと【カバラー】が結び付くなんてナンセンスとする一派もいます。ピタゴラス辺りの数秘術を参考にする一派も居ますし、アーサー王の聖杯神話に結び付ける一派も居ます。 まずこの時点で、【統一された解釈】が成立しづらいのです。 更に言えば・・・・ そう言った流派が、それぞれしっかりと一本道で後世に伝えられていれば良いのですが、これらの流派の中で、交流もあった為、微妙に交じり合っている部分もあります。 故に、その【流派】と言うものハッキリしていない。【流派】をハッキリしているように見えても、結局【交じり合い】の中で、同じ流派を主張する人の間でも【差異】が存在してしまうと言う有様。 これについては、東洋と西洋の、伝統継承形式の違いにも理由があるのでしょう。 東洋は【師から弟子へ】と言う形式が強いです。ハッキリとした流派があり、その中でトップダウン形式の伝統継承が行われます。 西洋は【師から弟子へ】と言う形式が無い訳では有りませんが、どちらかと言えば【フラタニティ】。つまり、先生と生徒と言う【学校形式】での伝統継承が行われる傾向にあるのです。【師匠:弟子】と【先生:生徒】と言うのは、同じように見えて、かなり違います。 【師弟関係】と言うのは、有る意味で【父子】と言った【家族】のような形式。 【先生と生徒】と言うのは、【学校】と言う公共の場で行われるような【家族】とは異なる【他人同士のコミュニティ】なのです。 東洋占術の場合、結構【流派】がハッキリしており、その【流派内】であれば、比較的に知識:技術は一本化されています。 しかし、西洋占術の場合は、【流派のようなモノ】はあっても、ハッキリしているとは言えず、その【流派のようなモノの中】であっても、その知識:技術は、必ずしも一本化されていないのです。 そんなこんなで・・・ 【小アルカナ】の解釈が、本によって異なると言うのは、正に西洋占術タロットらしい現象でもあるのです。 そして、その為に・・・【正しく理解する】と言うのも、ある意味では難しい。 と言うのも、何を【正しい】と定義するか。 そもそも、タロットの解釈に【正しいモノ】が存在するのか。 で、ここからがトキワの考えなのですが。 結局は、先人達の残した知恵:知識を参考にしながらも、最終的には、自分なりの経験と研究考察の中で、【正しいモノ】を見出さなければならないと考えています。 特に、タロットの場合は、その傾向が特徴的に強いと言えるでしょう。 タロットと言うのは、他の占術体系とは異なり、【理論の中に生じた技術】では無く、【混沌の中に見出した技術】なのです。 多くの占術は、その背景に、哲学や思想(と当時の科学)持っています。例えば、占星術は、その背景に天文学が存在します。占星術が先に生まれたのでは無く、天文学の中に占星術が構築されたのです。東洋の易やら四柱推命やらも同じです。陰陽五行の思想の中に、それらが構築されたのです。 しかし、タロットは、先にタロットが出来てしまい、その後に思想や哲学を【見出した】のです。 この時、タロットの欠点は、その基盤となる伝統的:理論的:哲学的:思想的背景が存在しない為、中心点を定める事が出来ないと言う点。 そして、タロットの長所は、そう言った中心点が無い為に、返って【混沌としたモノ】へのアプローチが、他の占術に比べて、比較的容易であると言う点です。 タロットは、本来【理論先行型】では無い為、【矛盾】を扱う事が出来ると言う特徴と、分類定義を根本としない為、言葉で定める事の出来ない【グラデーション】を捉える事が出来ると言う特徴を持ちます。 これは、人間の【心】の様子に極めて近い。 その為、他占術よりも、揺れ動く【心】を扱い易いと言う特徴があります。 その為に、タロットには【正解】が存在しない。同時に、【不正解】も存在しない。 中心点が無い為、【正解】の基準が無いのです。 この時、タロットに取り組む人にとって、かなり悩ましい問題が生まれて来ます。 タロットを扱う時点で、既に【矛盾】を孕むと言う点です。 先程【自分なりの正解を見出さなければならない】と書きましたが、その時点で、タロットの本質から、恐らく少しズレているのです。 ・・・とは言え(^^; これは占い師が人間である以上、仕方が無いんですよねぇ。 例えば、タロットが孕む矛盾は、元より色々と指摘する事が出来ます。 中心点が存在しない。混沌としている部分にこそ、タロットの本質的な力がある・・・と言いながら、矛盾を超えられない占い師(人間)にとって、やはり基準点が欲しい為に、カバラやら占星術やら数秘術やら錬金術やら何やらを結び付けて、解釈の糸口としている。 例えば、小アルカナの【5】は、総じて悪いカードと見做される傾向にあるのですが、この理由と言うのは、占星術の【火星】と結び付ける傾向があるからです。【火星】は、伝統的に数字の【5】と結び付けられると同時に、【火星】は戦いを暗示する【凶兆】と見做されています。簡単に言えば、日本で【4】を【死】と結び付け、【9】を【苦】に結び付けて避ける傾向があるように、西洋の伝統の中で【5】を【不吉】と見做す傾向があるのです。(但し、 これは一側面であり、5と言う数字には、神聖な定義も存在したりします)。 このように、単に【混沌をそのまま受け入れている】訳では無く、【混沌の中に、人間が理解し易いようなルールを設定しよう】と言う、矛盾そのものがタロットの扱いには存在しているのです。 まあ、こんな理由で、世界中のタロット占い師や研究達は、未だに四苦八苦しています。トキワも四苦八苦しています。恐らく、これからも四苦八苦して行く事でしょう。 例えば、タロットには厳密不可変の理論がある! 固めに入る占い師さんや研究者、組織もあると思います。これも、有効な手段の一つではあるでしょう。 しかし、固めた瞬間に、その固めた範囲内でのみ有効性を発揮し、その外側では、全く以って【無効】になると言うジレンマを負います。 結局は、タロットの有効性:可能性を信じて、タロットの矛盾に苦労しながら付き合って行くのか。或いは、占い師(人間)を基準にして、タロットを型に当て嵌めて行くのかと言う問題になって来ますね。 そして、個人のレベルで言えば、自分が納得出来る中間点を探り、さ迷う中で、感覚的に【これで良い】と思えるモノを、幾つ見出して行くかと言うテーマになると思います。 そんな訳で・・・エトワールさん(^^; タロット小アルカナ(ひいては、タロット全般)を正しく理解する方法と言うのは、画一的な意味で【存在しない】と言うお答えになるのです。(--; 【長々と書いて、結局それかよ!】と言うお怒りの言葉が聞こえて来そうな心境です。 もう少し単純に考えるならば、一番大切なのは、インスピレーションと言うモノを大切にするのが、タロットの特性に最も適した理解の方法かと思います。 インスピレーションとは、根拠無き発想と言うよりも、人間がこれまで生きて来た中で積み重ねた無形の知恵:知識:経験が、心と言う、ある種混沌を旨としたブラックボックスの中で処理された【知性】とも言えます。それは、矛盾を自然体の中で孕む【心の知性】である以上、タロットとの親和性は、【限られた論理性】よりも高いと言えるでしょう。 取り合えず、一つ目のご質問へのお答えは、以上とします。 ・・・一つ目・・・ そう、まだあるのです。 ここまでで、文字数約4500。 10000文字までは入力可能なので、勢いに乗って、もう二つ行きます。 ・・・と思ったのですが、半角で10000文字である為、実際には5000文字が限界なのですね。(^^; エラー出たよ! 以下の文を切り取り、もう一つでアップします。読み易いように。時間的には、前後がズレマス。 取り合えず・・・ここまで読めた方は、素晴らしい! (^^)/ トゥービーコンティニュー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/01/13 03:35:41 AM
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