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都立中高一貫校の入学適性検査も無事終了したようですが、今年は3回目となり、各校のカラーも少しずつ鮮明になって来たようです。一昨年はシリーズで取上げましたが、今回は何校かの適性検査問題を取上げてみます。最初に桜修館の問題を取上げますが、この学校は小石川のような注目度はないものの、「論理力の育成」を理念に掲げ、毎回スマートな問題が出ております。
詳細は同校HPの「適性検査」ページを御覧戴きますが、適性検査の最後の設問につき解説を加えてみます。 <大問2-問題5:要旨> 11から50までの全ての整数を、個別に入力して電卓で和を求めていたが、途中で2回「+」キーを押さなかったので、答が10031となった。本来の答は1220だが、押し忘れはどの数とどの数の後で起こったか答えよ。但し、解答は一通りではないので、どれか一組を答えること。 この問題、難易度から言えば御三家クラスには及ばないと思いますが、中々ユニークです。切り口が分からないと、頭を抱えてしまうでしょう。しかも、45分間の適性検査で最後の問題ですから、正解者は非常に少なかったのではないでしょうか。まあ、7割取れれば合格圏内に入っていると思われますので、出来なくても大勢に影響はなかったと思います。では、そのポイントを整理しましょう。 ------------------------------- ポイント-1. 例えば、18と19の間で「+」キーを押さなかった場合 この数付近での和は、「・・・・+17+1819+20+・・・・」となり、「19」は加えられるが、「18」は加えられず、その代わりに「1800」が加えられたことになる。同様のことが、もう1ヶ所で起きている。 ポイント-2. 押し忘れの場所が分かっている場合、合計は? もう1ヶ所を例えば32と33の間で起きたとすると、「33」は加えられるが、「32」は加えられず、その代わりに「3200」が加えられたことになる。 この場合、合計=1220+1800+3200-18-32=6170 となる。 ポイント-3. 本来の合計(1220)と、間違えた合計(6170)の関係は? 両者の差を取ってみると、6170-1220=1800-18+3200-32となる。 これは更に、18*(100-1)+32*(100-1)=(18+32)*99となる。 ここまで解明出来れば、もう8割方解けたも同然であって、「両方の合計の差は99の倍数であり、その商は押し忘れた前の数の和に等しい」、ということである。 ------------------------------- 従って、この問題の答えは次のようになります。 <解答例> 両方の合計の差=10031-1220=8811 この差は、「+」キーを押し忘れた前の数の和を99倍したものに等しい。8811÷99=89 となる。 11から50までの間で和が89になる数の組合せは、(39,50)、(40,49)、(41,48)、(42,47)、(43,46)、(44,45)の6とおりあるが、(44,45)は連続した数なので除外する。(押し忘れが1回しか生じなくなるため)また、(39,50)は50の後で「+」キーを押さないので、こちらも除外する。 従って、上記残り4組のどれかが答えてあれば正解となる。 例:40と49 ------------------------------- 次回(その2)では、この種の問題への対応方法を書いてみます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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