我が家の辺り(東京都世田谷区)では、今年の初秋にチャドクガが大発生し、町を歩くと丸坊主になった哀れなツバキやサザンカが至る所で目に付く。
我が家に発生したチャドクガの幼虫は先日(2006/09/16)紹介した後、直ちに駆除したが、昨日、我が家と隣との境にある塀にチャドクガの成虫が3匹とまっているのを見付けた。今日の朝も、家の網戸に1匹とまっていたし、今この原稿ご書き始めてからもう一度見に行ったら、また一匹いた。
何れも例によってジェット・アースで即刻退治したが、写真はチャンと撮っておいた。何れも羽毛状の触角が見えないから全部雌ではないかと思う。蛾や蝶の雌は、飛翔力の弱い種類では食草の近くを離れないことが多いのである。
チャドクガの成虫(雌).真ん丸の腹が見えている.
卵が詰まっているらしい(2006/10/18)
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我が家にいたチャドクガの幼虫は悉く殲滅したので、此奴らは管理の悪い隣の家から来たに違いない。チャドクガのとまっていた塀の向こう側にツバキの木が数本植えられていることは、隣家とはいえ、良く分かっている。数年前、この家のチャドクガを我が家の側から退治してやったことがある位で、全く困った家(個人宅ではない)である。
チャドクガ.別個体(2006/10/18)
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チャドクガによるカブレの原因は、幼虫の毒針毛である。幼虫が繭を作るとき、毒針毛を繭に付け、成虫が羽化してくるときにまたこの毒針毛を付けて来るので、成虫でもカブレを起こす可能性はある。
しかし、多くは成虫が羽ばたく時に吹き飛んでしまうらしく、成虫の「毒」は大したことはない。昔、チャドクガ成虫をネットで採集して、チャンと展翅標本にしたが、何ともなかった。
チャドクガ.別個体(2006/10/19)
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だから、この写真の蛾を見付けたら、躊躇することなく、可及的速やかに殺虫剤で駆除していただきたい。人的被害の減少ばかりでなく、ツバキやサザンカの貴重な品種を絶滅から守ることにもなる。
上の個体の頭部を等倍接写.毒針毛はこの毛だらけの部分ではなく
腹の先に付けているとのこと(2006/10/19)
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ただし、ツバキやサザンカの木の近くで新鮮な個体を見たら、まだ毒針毛が付いている可能性があるので要注意。洗剤を薄めて吹きかければ、蛾の気門を塞いで死に至らしめる以外に毒針毛の飛散も抑えられると思うが、まだ試したことがない。