2006/11/04(土)11:44
コミスジ(幼虫と前蛹)
今年の秋は少しおかしい。一寸した異変が起こっている。
蝶が少ないのである。昨年の今頃は、ツマグロヒョウモンの幼虫がいっぱい居てスミレが丸坊主になっていたが、今年は幼虫を1匹しか見ていない。殆どのスミレは青々とした葉を付けている。
ヤマトシジミも少ない。毎年「シオンの1種」が咲くと沢山やって来て乱舞するのだが、今年はチラホラという程度。
キチョウも少ない。成虫はある程度いるが、幼虫が居ない。今頃はハギにキチョウの幼虫が20匹位はいるのが普通で、昨年なんぞは戸外の温度では冬が来るのに間に合わない若齢幼虫が沢山いて、最後は部屋の中で飼育してやったくらいである。しかし、今年は殆ど、いや、まるで居ない。初齢幼虫位のごく小さい食痕はあるのだが、ただそれだけである。
ハギに食痕が無いのは我が家だけではなく、町中のハギに殆ど食痕がない。一体どうしたのだろうか?
その理由はさておき、ハギを調べていたら妙な幼虫を見付けた。体長2cm程度、棘状突起のある毛虫とも芋虫とも言い難い奇怪な幼虫である。
棘状突起のある幼虫(2006/10/09)
近づくと直ぐに警戒して、体を曲げて変な格好をする。しかも、体の前部を斜めにする。何となくロバを思わせる形。
体の前部を斜めにする(2006/10/09)
何の幼虫なのか、分からない。しかし、この幼虫、今まで我が家で出会ったことはないが、何となく見覚えがある。何処か、図鑑か写真集か何かで見たのであろう。
前蛹になる前日.逆さになっているが、まだ「足場」は作っていない(2006/10/13)
発見後から5日経った朝、例の如く幼虫を見に行くと、お尻をハギの枝にくっ付け、前蛹になって逆さにぶら下がっている。
タテハチョウ科の幼虫だ!!
コミスジの前蛹(2006/10/14)
コミスジの前蛹.反対側(2006/10/14)
何という蝶の幼虫かを理解するのに時間はかからなかった。次の条件式を満たす蝶は1種類しかいない。
(タテハチョウ科に属す && 我が家に来ることがある && ハギを食べる)
コミスジである。早速調べてみると・・・、当たり前だが、正解!!
我が家でコミスジが育っているのを見たのは、生まれてこの方、今回が初めてである。
最近は蛹になってから鳥に食べられてしまうことが多いので、早速保護することにした。
前蛹から蛹になり蝶になるまでは、また、次回のお楽しみ。