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カテゴリ:植物(木本)
幹生花は熱帯の植物に多い。幹生花は生長して幹生果となる。ドリアン、ジャックフルーツ、カカオ、パパイア等の他、余り有名ではないがランサ(Langsat:Lansium domesticum)、アメダマノキ(Star gooseberry:Phyllanthus acidus)なども幹生果である。 また、熱帯にはイチジク属の植物が多いが、その多くは幹生果を着ける。幹に隙間無くビッシリと果実を着けた様は一寸不気味ですらある。
ハナズオウはバラ目マメ科ジャケツイバラ亜科、或いは、マメ目ジャケツイバラ科に属す。 日本で馴染みの多くのマメ科植物(或いはマメ科マメ亜科)は複葉を着けるが、ハナズオウの葉は複葉ではなく心臓形で、多くの人は葉だけを見せてこれがマメ科だと言うと驚く。しかし、果実は正に豆である。 ハナズオウの属すジャケツイバラ亜科には、先端の窪んだ「蝶の様な形」の葉を着けるハマカズラ属(Bauhinia)の様なグループもあり、また、ジャケツイバラ亜科の多くは豆の花(蝶形花冠)をしていない方が普通で、ハナズオウの様な一見蝶形の花を着けるものは多くない。 (因みに、「この樹何の樹、気になる樹・・・」で有名になったSamanea saman、東南アジアで食用にする巨木に成るマメ「ネジレフサマメ」の仲間(Parkia spp.)、アカシア(Acacia)属、ネムノキ(Albizia)属等が属すマメ科ネムノキ亜科(マメ目ネムノキ科)は、蝶形ではなく、放射相称の花を着ける。Parkia属の花などは、長いコードの先に裸電球が付いた様な形でぶら下がり、およそマメ科の花とは思えないが、果実は典型的な豆である)
しかし、ハナズオウの花を良く見てみると、典型的な蝶形花冠とは少し異なっている。蝶形花冠(先日の「フジ」を参照)では、上側に大きな旗弁が1枚、その下の左右に翼弁が1枚ずつあり、更にその下に2枚の竜骨弁(舟弁)がある。ハナズオウでは、下の写真で見るように、上側に3枚、下側に2枚で、翼弁が旗弁の外側に回って上に出、竜骨弁が左右に開いた形になっている。
この様にハナズオウは中々面白い花なのだが、我が家では全く人気がない。昔は余り花を着けなかったせいもあり、母などは生前「彼処に生えている木、一体あれなァに?」などと言っていた位で、殆ど邪魔者扱いであった。 しかし、最近は写真の様に矢鱈と沢山花を着ける様になり、少しは注目される様になってきた。折角の珍しい幹生花である。来年はハナズオウの花芽がどんな風にして幹から現れて来るのかを観察してみたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.04.20 10:30:50
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