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テーマ:日々自然観察(9833)
カテゴリ:昆虫(アブラムシ)
有翅形を初めて見たときは、アブラムシとは思えなかった。アブラバチの様な捕食寄生性の昆虫と一緒にいたので、これもアブラムシを捕食するか、或いは、寄生の為に産卵に来ているのかと考えた位である。 しかし、どう見ても捕食性の昆虫の様な精悍さがない。ナヨナヨしている。第一、ハチではないし、ハエでもない。一体何目(分類単位の目)に属す昆虫か?
虫全体の体付きを見ると、以前紹介した「謎の虫」=オオワラジカイガラムシの雄成虫に似ている。・・・と言うことは、アブラムシの有翅形かもしれない、と思って「日本原色アブラムシ図鑑」を調べてみたら、ソックリなのがあった。 ヤノイスフシアブラムシ、確証はないがこれであろう。
このヤノイスフシアブラムシは、冬~春期はイスノキに寄生して虫えい(虫こぶ、「えい」の漢字は機種依存で使用できない。全く困ったものである。IT関連の人間は国語力に欠ける人物が多いのでこう言うことになるのか?)を作り、夏になるとコナラの葉裏に移住するとのこと。この仲間でコナラに二次寄生するのはヤノイスフシアブラムシだけらしい。イスノキは暖地性の大型木本で、この辺りで見た記憶はないが、何処かの家の庭にでも植わっているのだろう。 コナラの葉裏では無翅形が繁殖を繰り返し、晩秋に有翅形が出てイスノキに戻る、と書いてある。
幼虫は、これもアブラムシとしては変な形である。上から見ると楕円形、乃至、コバン型で、触角は短く、何処にあるかよく分からない。背中に4列の赤色斑があり、そこに数本のやや長い毛が生えている(今日の写真は成虫も幼虫も総て同一倍率)。 かなり毛深い様だが、葉裏に居るとコナラの毛と一緒になってよく見えない。そこで、灰色のボール紙の上に落として写真を撮ってみた。赤い斑点から毛が出ているのが分かるであろう。なお、頭は、上の写真では下側、下の写真では左側である。 無翅形の成虫はどんな形をしているのか分からない。図鑑には出ていないし、コナラの葉裏に居たのは、有翅形とこの幼虫だけである。もう少し早い時期に葉裏を見れば、恐らく居たのであろう。幼虫と殆ど変わらない形をしていると思われる。
あと何回か掲載すれば、葉裏の話も終わる。その後、ネタ切れに陥るのは必定、この春や、それ以前に撮った写真を出すことになりそうである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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