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2008.06.14
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カテゴリ:植物(木本)


 我が家の外庭には、何種類かの花木を植え込みにした部分がある。そこで一番繁茂しているのは我が家では評判の宜しくないアベリアで、他にユキヤナギ、コデマリ、シモツケ等のSpiraea属の花木が有るのだが、ユキヤナギ以外は何処に咲いているのか分からない程威勢が悪い。特にこのシモツケは、毎年穂先にアブラムシが付いて咲く前に花穂が萎れてしまうので、春先に薬を撒かない限り花を見る機会は少ない。

 今年はその薬を撒く人が海外に出ていて居なかったから、花は到底望めないものと思っていたのだが、先日見てみると、健気にもリッパに咲いていた。


シモツケ1
シモツケの花.上から見ると色の薄い花弁の相対面積が増えるので

白っぽく見える(2008/05/28)



 しかし、株はかなり歪な格好をしているし、風が吹き抜ける場所で揺れが止まらないので、全体の写真を紹介するのは止めにした。また、例によって花だけである。

 こう言う花の写真を撮ると、往々にして花弁が白く写る。実際はどうなのか現物を見に行ったら、薄いがチャンと桃色をしている。しかし、上から見ると色の薄い花弁の面積が多くなるので白っぽく見え(上の写真)、横から撮ると(下の写真)色の濃い花糸(雄蕊の支柱)の相対面積が増えるのでより赤く感じられる。

シモツケ2
横から見ると、色の濃い花糸の相対面積が増すので赤味が強く見える(2008/05/28)



 此処に掲載した写真では花弁はチャンと桃色になっている。しかし、これは画像処理で桃色にしたのであって、原画では白である。

 白い花を画像処理によって桃色にする方法は2通りある。何れも赤、緑、青の3原色のトーンカーブを独立に調節出来るソフトウェアを使う必要がある。赤が飽和していない場合は、赤の高輝度の部分だけを少し持ち上げてやれば良い。この方法は昨年「日本シャクナゲ」を紹介したとき使っている。写真では微かに桃色を帯びているが、原画では真っ白であった。

 3色とも飽和している場合は、赤を持ち上げようがないから、高輝度の緑を少し落とす。この時、青も僅かだが落とさないと青みがかった桃色になってしまう。今日の写真では赤が殆ど飽和していたので、この方法で色補正をした。何れも高輝度のごく一部分だけを調節するのであって、赤全体を上げたら(或いは緑と青を落としたら)、緑色の葉っぱが茶色になってしまう。

 色々なサイトで掲載されている桃色の花を見ると、この色は再現が中々難しい様である。白っぽくなったり、酷く赤くなったり、妙に紫色になった写真が多い。何れの場合も、トーンカーブを調節することで色補正することが出来る。・・・しかし、まァ、色補正の話はこれ位にしておこう。

シモツケ3
花1つを拡大.花糸が入り乱れてよく見えない(2008/05/28)



 ところで、これだけ沢山の花が集まっていると、花の1つひとつがどうなっているのか見てみたくなる。花の真上から等倍接写して、その中の花1つを拡大してみた。何だか、ラッフルシァの花と少し似ている。

 しかし、雌蕊の数も雄蕊の数も、隣の花の花糸が邪魔になって、幾つだか分からない。


シモツケ4
1つだけ離れた花を見ると、雌蕊は5、花糸は25程度ある(2008/05/28)



 其処で、花数の少ない穂の横に1つだけ他と離れて咲いている花を撮ってみた。雌蕊と思われるものが5つ見える。しかし、雄蕊が一体何本有るのかは、勘定してもよく分からない。25本前後の様に見えるが、バラ科だから5の倍数の25本だろうか?

 こう言うときは、図鑑の記載を見た方が早い。保育社の「原色日本植物図鑑木本編」を参照してみると、ユキヤナギもコデマリも「雄ずいは20」とあるのに、シモツケは・・・「雄ずいは多数」!!。変種が多いからこう書いたのだろうか? それにしても、こちとらとしては、些かムッとした。







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最終更新日  2008.06.14 17:35:01
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