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テーマ:日々自然観察(9833)
カテゴリ:昆虫(キジラミ)
昨年6月に「キジラミの1種(不可解な踊り)」と言う記事を掲載した。この「不可解な踊り」と言うのは、逆立ちに近い状態で、体を左右に周期的に振る行動のことである。ゲッケイジュの葉裏にいたのは、昨年掲載したそのキジラミとよく似たトガリキジラミの1種で、やはり「不可解な踊り」をやっていた。しかも、其処にいたキジラミ全部が同じ様に踊っていた。ただし、各個体の踊りは同期されては居らず、バラバラである(熱帯のホタルの中には、一本の木に無数に集まって同期して光る種類が居るとのこと)。
1頭を拡大したのが上の写真。昨年掲載のキジラミと腹部の模様は似ているが、ずっと色が濃く、また、胸部の模様も異なる。 テネラル(teneral:羽化直後のまだ外骨格が固まらず、色も定まっていない状態)と思われる個体も沢山居たが、やや赤味を帯びた淡い色をしている。昨年6月のトガリキジラミは黄褐色で、このゲッケイジュの葉裏にいたトガリキジラミの成虫とテネラルの中間とも思えない。別種であろう。
ゲッケイジュはクスノキ科である。トガリキジラミの仲間には、クスノキに寄生するクストガリキジラミという種があるが、今日のキジラミは様々な観点からクストガリキジラミとは考えられない。かえって、昨年掲載した方がクストガリキジラミに似ている。例によって、キジラミの種類は分からない、と言うことと相成る。
テネラルの個体も、みな「不可解な踊り」を踊っていた。多数の個体がみな踊っていると、かなり遠くからでも目に付く。やはり、同種への信号なのだろうか。 ところで、写真には、キジラミ成虫の他に白いろう(←漢字が使えない、野蛮なシステムだ)物質様のものを被った変な形の虫が沢山写っている。これは、このキジラミの終齢幼虫(擬蛹?)とその脱皮殻の様である。若齢幼虫と思われるものは全く見られなかった。少し時期が遅かったらしい(キジラミ幼虫の形態は変化に富んでおり、普通の不完全変態なのか、或いは、仮変態(新変態)をするのか、調べてみたがよく分からない。仮変態とすれば擬蛹の段階がある)
終齢幼虫(擬蛹?)と思われるものを拡大してみた。ろう物質のない側の先端が鋏の様に開いているのは、脱皮殻らしい。下の写真では、丁度中心線に沿って割れが入り、その間に艶のある小さな丸い物が見える。成虫の頭部が出て来たところかも知れない。
上2枚の写真は些か鮮鋭度が足りない。先日紹介した「新接写システム」を使えば、もう少し鮮明な画像が得られる筈である。幼虫から成虫への経過を「新システム」による写真で紹介出来れば、と思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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