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テーマ:日々自然観察(10014)
カテゴリ:昆虫(アブ、カ、ハエ)
ミバエの多くは、ハエとしては珍しく翅に独特の模様を持つ。写真のミバエは、クロハスジハマダラミバエ(Anomoia permunda)と非常に良く似た模様を持つが、体色が異なる。 Anomoia属は、九大の目録に拠ると、日本産11種で、本州に記録があるのはクロハスジ(「ハマダラミバエ」を省く、以下同じ)、クチジロハススジ、チャイロハススジ、ツマモンハススジ、オスグロハススジの5種だけである。この内、クロハスジ、チャイロハススジ、ツマモンハススジは圖鑑その他に情報があり、写真のミバエとは異なる様である。残るはクチジロかオスグロの2種、これならば種まで落ちるかも知れない。
其処で、例によって双翅目の掲示板「一寸の蠅にも五分の大和魂」に御伺いを立ててみた。すると早速、以前御世話になった市毛氏より「第1前縁室に透明な部分が見えるので,クチジロハススジハマダラミバエA. leucochilaの可能性があります」との御回答を賜った。 実は、写真を見るとこのミバエの口の辺りは白いので、これはクチジロではないか、と冗談半分に考えていたのだが、正に瓢箪から駒が出たと言うところ。 しかし、市毛氏は「・・・の可能性があります」とされているので、表題には疑問符を付け「クチジロハススジハマダラミバエ?」としておいた。
ところで、注意深い読者はこのハススジハマダラミバエ類の和名が少しおかしいことに気が付かれたに違いない。と言うのは、クロハスジハマダラミバエでは「クロハスジ・・・」と「ス」が1文字しか入っていないのに対し、その他の種では「・・・ハススジ・・・」と2文字入っているからである。「ハスジ」ならば「八筋」、「ハススジ」ならば「斜筋」だろうから意味が全然違ってしまう。 この点も先の掲示板で御伺いを立てたのだが、「ここらへんは歴史的な経緯を知っている専門家に聞かないと難しそうです」との御回答であった。まァ、和名は大した権威が無いので、何方でも宜しい様な気もするが・・・。
ところが、このクロハスジハマダラミバエは学名の方も少しおかしいのである。日本のサイトや文献ではAnomoia permundaとなっているが、外国のサイトを調べるとA. purmundaとしている所が多い。また、A. permundaはA. purmundaの誤記としているサイトもあれば、別種の様に書いている所もある。 其処で、これに関しても御伺いを立てた。市毛氏からも御回答を賜ったが、以前「ショウジョウバエの1種」で御世話になったアノニモミイア氏より詳細な御回答があり、それに拠るとpermundaかpurmundaかは文献により様々であり、何とも判断のしようがない状態の様である。
今日は和名と学名の混乱についての話になってしまった。和名は兎も角、権威があるはずの学名にも混乱があることを知っていただければ幸いである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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