|
カテゴリ:植物(草本)
御覧の通り、冴えない草である。9月頃であればもう少し花が着いていたと思うが、まァ、それでも精々花穂当たり3個着けば良い方で、今は平均1個程度。花自体は後で見る様に悪くはないが、小さいし、数が余りに少な過ぎる。
子供の頃は祖母の命令で庭の草取りをさせられていた。だから、庭にどういう雑草が生えるかは、たとえ名前は知らなくても、姿はよく知っている。しかし、このキツネノマゴ、昔見た記憶がない。そこで、これは最近入って来た帰化種だと思っていた。しかも、花穂はシソの穂に似ているし、葉は対生で茎は4角、てっきりシソ科と信じ込んでいた。 しかし、帰化植物図鑑のシソ科を調べてみると該当する種は無い。その他の科も当たってみたがやはり無い。当たり前である。 そこで普通の植物図鑑を引っ張り出す。しかし、日本産のシソ科の中にも見当たらない。仕方なくその周辺を探して、やっと見つかった。何と、キツネノマゴであった。キツネノマゴ科もキツネノマゴも、名前はよく知っているのに、実物を知らなかったのである。
キツネノマゴ科は、図鑑には5属7種しか載っていないが、解説によると世界に約240属2200種(Wikipediaに拠れば約250属2500種)、主に熱帯に分布するとのこと。昔見た記憶がないのに、今方々で眼にするのは、ヤブミョウガと同じく、温暖化による北上と思われる。 写真を見れば分かる通り、外見的にはシソ科やゴマノハグサ科に似た植物である。図鑑に拠れば、「茎が4角で花が唇形で外見はシソ科に似ているが、子房が深く4つに分かれていないので大いにちがう」とある。こちとらは、こんな小さな花をバラして子房の形を見たりはしないから、間違えるのも無理はない。
図鑑に拠ると、キツネノマゴ科の雄蕊は4本ないし2本で、花筒にくっ付いているとのこと。ゴマノハグサ科やシソ科も同様である。このキツネノマゴでは2本で、写真で花の上部に見えるのがそれであろう。
別の花の上部をピクセル等倍まで拡大したものを下に示した。これは、まだ咲き始めの花らしい。丸くて黄色っぽいのが葯であることは明らかである。しかし、その他はどうなっているのか、まるで分からない。
図鑑には「葯は2室で1室はほぼそれと同長の距がある」とも書いてある。真ん中の2つに分かれた部分が距で、真ん中に見える白い半透明のが雌蕊なのか、それとも花柱の先端が2つに分かれているのか。また、葯から斜め下に伸びている半透明の構造は何なのか・・・。先に示した他の花の写真と比較すると、更に分からなくなる。 この様な普通に撮った写真では、何とも判断し難い。そこで、花を分解してみようと思ったが、今の時期は花も小さく幅約4.5m、一寸やってみたが、やはりこれは実体顕微鏡下でなければ出来るものではない。 何とも中途半端な記事になってしまったが、実体顕微鏡は無いし、等倍マクロ撮影だけではこれが限界の様である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[植物(草本)] カテゴリの最新記事
おぉ~!キツネノマゴがこんなでっかく。
普通はルーペで見るところ、 流石はアーチャーンさんの。 お陰でおしべがこんなアーチを、が見れて嬉しいです♪ しかしそうなると2つの葯の真ん中にある透明のもの。 あれが花柱? 一体この構造ってどうなってるのだろう、、?? (2008.10.14 12:51:43)
やくの中に花粉らしいものが見えます!
おぉ~でっかく。 胡麻のような種もできるらしくキツネノゴマ?と間違えてしましそうです。 花ベンの紫色も美しいですね。 (2008.10.14 18:25:48)
キツネノマゴは、名前は知っていましたが、
実物を「キツネノマゴだ~っ。」と思いながら拝見した経験がありません。 でっかく撮ってくださったお写真を拝見して、 実物を見てみたい、と、思いました。 蛇が口を大きく開いた時のような、 不思議な形をしていますね☆^^☆ 今日の日記の冒頭近い部分に登場する、 「ダンドボロギク」という名前に、大笑いしてしまいました。 ボロギクとは、悲惨なお名前ですね。しかも、茎がひ弱で倒れてしまったなんて・・・ぷぷぷ*^^* (2008.10.14 20:23:35)
snowrun29さん
>おぉ~!キツネノマゴがこんなでっかく。 >普通はルーペで見るところ、 >流石はアーチャーンさんの。 ----- 他に撮るものが無いので・・・。 >お陰でおしべがこんなアーチを、が見れて嬉しいです♪ >しかしそうなると2つの葯の真ん中にある透明のもの。 >あれが花柱? >一体この構造ってどうなってるのだろう、、?? ----- 余り面倒な花は撮らない方が気が楽です。 (2008.10.15 11:19:18)
るる555さん
>胡麻のような種もできるらしくキツネノゴマ?と間違えてしましそうです。 >花ベンの紫色も美しいですね。 ----- ゴマ科とも近縁ですから、間違える人が多い様です。私も昔「狐の胡麻」だと思っていました。 (2008.10.15 11:22:28)
夢のはしさん
>キツネノマゴは、名前は知っていましたが、 >実物を「キツネノマゴだ~っ。」と思いながら拝見した経験がありません。 >でっかく撮ってくださったお写真を拝見して、 >実物を見てみたい、と、思いました。 ----- 南方系のグループですから、東北には無い可能性が高いと思います。 >蛇が口を大きく開いた時のような、 >不思議な形をしていますね☆^^☆ ----- 唇形と呼ばれる形で、シソ科やゴマノハグサ科、その近縁種では花筒の長短はありますが、似た様な花を着けます。 >今日の日記の冒頭近い部分に登場する、 >「ダンドボロギク」という名前に、大笑いしてしまいました。 >ボロギクとは、悲惨なお名前ですね。しかも、茎がひ弱で倒れてしまったなんて・・・ぷぷぷ*^^* ----- ダンドボロギクもノボロギクも、花弁状に見える舌状花がなく、ヒジョーに冴えない花です。特にダンドボロギクは、咲いていても開花しているのが分からない程で、蕾が少し膨らんだかと思うと、いきなりタンポポ状の果実が開きます。そう言う意味で、面白い草とも言えます。 (2008.10.15 11:33:14) |