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テーマ:日々自然観察(9792)
カテゴリ:昆虫(カマキリ)
さて、開花中のセイタカアワダチソウにやって来たハラビロカマキリの「カマちゃん」、回りにキンケの雌が沢山居るので、キョロキョロと彼方此方に頭を向けていたが、やがてその内の1頭が、目の前にある隣の花穂に留まった。早速、体を徐々に伸ばしながら、キンケに迫る。
一瞬の内に、キンケはカマちゃんに掴まってしまった。チャンと刺されない様に背側から翅を押さえている。キンケの方は、不思議なことに毒針を出していない。この写真では、些か分かり辛いが、セイタカアワダチソウの花粉かキンケの毛らしき粉が飛び散っているのが、下の方に写っている。
その後、カマちゃんは体を回転させた。14秒後が上の写真である。キンケは背側から翅を押さえられて、為す術を知らず、と言う感じであった。 しかし、お尻の方から食べるのは一寸マズくないか。頭から食べなければ、ハチは容易に死なず、刺されたり噛みつかれたりする可能性が残る。
しかし3秒後、キンケの外骨格に鎌のトゲが刺さっていないせいか、キンケが鎌の間からずれて来た。キンケは体を捻り、強大な大顎を思いっきり拡げて、カマキリに噛みつこうとする。
次の瞬間、余りに一瞬の事なので何が起こったのかよく解らなかったが、キンケは逃げてしまった。悔しがる?カマちゃん(上)。その前の写真を見ると、お尻の先端近くにカマちゃんの頭があるから、顔を刺されそうになったのかも知れないし、或いは、単にキンケがスルリと抜け出たのかも知れない。しかし、やはりあの大顎で噛みつかれたのではないだろうか。
実を言うと、この日私が見ている間にカマちゃんがキンケの雌を獲り逃がすのはこれが2回目で、また直ぐ後にも1頭を獲り逃がした。やはりハラナガツチバチの様な外骨格の硬い虫は容易に掴まらない様である。 その後、カマちゃんは「腕」を舐める様な行動を暫く取っていた(上)。キンケに攻撃され何らかの傷を受けたのかも知れない。「腕」に付着したキンケの毛を食べている様には見えなかった。 不思議なことに、キンケは上のどの写真を見ても毒針を出していない。しかし、別の個体で毒針を出している写真が1枚だけあった(下)。カマちゃんは、その毒針で刺されるのを巧く回避している様に見える。刺されない様なハチの扱い方を、本能的に知っているのであろう。
この原稿を書いている間に、一服しにベランダに出た。今、カマちゃんはセイタカアワダチソウの隣に置いてある北米原産の赤紫色のシオン(友禅菊)の方に移って居る。どうしているかと思って花の間を探してみると、何と、キンケの雌を捕らえて食べていた。キンケを背側から頭部を上にして確保している。やはり、この態勢でないと逃げられてしまうのだろう。もう、頭は殆どないが、それでもまだキンケは動いており、お尻の先を時々カマちゃんの方に向ける。しかし、そのお尻はカマちゃんには全然届かない様であった。 以上を書き終わってからまた一服しに出た。カマちゃんはもう先程のキンケを食べ終わって、次の獲物を狙っていた。すると、小型のキンケが目の前に留まった。今日は久しぶりの晴天のせいか、実に沢山の虫がいるのである。カマちゃんは、勿論攻撃を仕掛けたが、捕まえた次の瞬間、サッと身を引いてキンケを放してしまった(上の回数に入れていない)。どうも、腹側から捕らえたので噛みつかれるか刺されそうになったらしい。暫くすると、今度は非常に大型のキンケがやって来た。しかし、それがワサワサと目の前を通るにも拘わらず、カマちゃんは全く手を出さない。やはり、相手の大きさを見て攻撃するか否かを判断しているらしい。 オオスカシバはこの大型のキンケよりもずっと大きい。しかし、以前掲載した様に、容易にハラビロカマキリの餌食になってしまう。・・・と言うことは、カマキリはハチが危険な相手であることをチャンと知っているのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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