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2008.12.11
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 今日は、「出し惜しみ」をしていた虫の写真を出すことにする。シマバエ科のHomoneura属の1種と思われるハエである。11月の中頃に我が家の庭に2日余り逗留していた。

 肉眼的には殆ど真っ赤に見えたが、写真にしてみると少し茶色を帯びている。尤も、赤~褐色~緑間の色調変化は、モニターの色調整で微妙に違って見えるので、読者諸氏のモニターでどの様な色に映っているかは知り得ない(尚、ここに掲載している写真は最大限圧縮してあるので、原画よりも彩度がやや低下し、緑が少し赤味を帯びる。また、このWeblogの設定では写真の周囲を薄い緑色にしているので、補色の関係で更に赤っぽく見える)。


シマバエ科Homoneura属の1種1
シマバエ科のHomoneura属の1種?

(2008/11/16)



 一見したところ、以前掲載した「ショウジョウバエ属の1種」と似ている。しかし、当然のことながら、種々の点でショウジョウバエとは異なる。先ず、大きさがまるで違う。このシマバエ科のハエは体長約4.5mm、翅端まで6mmだが、ショウジョウバエの方はずっと小さく体長約2.5mm、約1/2である。ハエと言うのは面白い虫で、体長が10倍近く違っても体の形は殆ど変わらないことが屡々ある。

シマバエ科Homoneura属の1種2
この程度に剛毛がハッキリ見えると検索が出来る

(2008/11/15)



 決定的に違うのが、頭部や胸部に生えている剛毛の配置である。これが非常に重要で、双翅目の科の検索は、主にこの剛毛配列と翅脈の走り方を参照して行われる。

 このハエの様に翅を重ねて留まる種類の場合、翅の先端近くの翅脈は見えても、検索で重要となる基部に近い部分の翅脈は殆ど見えない。それ故、私の様な写真しか撮らない者は、剛毛の配置を中心に科の検索を行うことになる。


シマバエ科Homoneura属の1種3
頭部の諸剛毛の有無を始め、前腿節下面の剛毛列、脛節端の剛毛

胸部側面の剛毛などによりシマバエ科と判断される

(2008/11/16)



 しかし、毛の有無だけでは不安が残る。そこで、このハエの場合も双翅目のBBS「一寸のハエにも五分の大和魂」に御伺いを立ててみた。やはり、翅脈が問題となった。しかし、アノニモミイア氏が助け船を出して下さり、学術論文ではないので、シマバエ科のハエとすることと相成った。

 Homoneura属への検索は、(株)エコリスが載せている「日本のシマバエ科 属への検索試案」に従った。このページは、前書きに拠れば、「環境省目録発行後,日本産シマバエ科の属数は倍以上に増加した」ので作成されたそうで、Homoneura属には33種が属すと記されている。しかし、「一寸のハエにも五分の大和魂」に参加されている市毛氏のお話では、Homoneura属は既に40種以上記録されているそうで、シマバエ科の検索は現時点ではかなり困難とのこと。まァ、これも学術論文ではないとの理由で、「Homoneura属の1種?」としたのである。

シマバエ科Homoneura属の1種4
身繕い中.動き回らないので写真が撮り易い

(2008/11/16)



 どうもハエの話となると、最近はこう言う無味乾燥な検索の話が主になってしまう。何とも困ったものであるが、ハエと言う虫は一寸見ただけでは全く所属の分からない虫なのである。シマバエ科にはこの写真の様なハエもいれば、まるでミバエ(例えばツマホシケブカミバエ)の様な翅に複雑な斑紋を持つHomoneura属の近縁種もいる。更にシマバエ科の未記載種Steganopsis sp.に至っては、遠目には甲虫かカスミカメムシと間違えるような外見をしている。

 同属の近縁種とはまるで外観が異なるが、別科或いは別属の遠縁の種にはよく似ている、と言うことがハエの世界では屡々起こるのである。全く厄介な連中だが、容易に分からないが故に、また面白いとも言える。

シマバエ科Homoneura属の1種5
手を擦っているハエ

(2008/11/16)



 我が家は、東京都23区内のある私鉄駅前商店街から僅か150mの場所にある。庭の広さは猫の額の如し。その狭い庭にやって来る虫は、当然多くはない。大きな目立つ種類は最早紹介し尽くしてしまった感がある。

 しかし、ハエ類だけはまだ掲載していない種類が沢山ある。種類が容易に分からないから敬遠しているのである。来年はそう言うややこしい連中を相手に奮闘することになるのだろうか。







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最終更新日  2008.12.11 18:16:50
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Re:シマバエ科(Homoneura sp.)(12/11)   ukon6624 さん
はぁ~~ため息がでます・・
こんなに立派な写真を撮られても?とは・・・

検索のレベルが月とスッポンなのに不鮮明な写真で同定してもらったりしたのが恥ずかしいです・・
(2008.12.11 15:47:53)

シマバエ科   るる555 さん
脚にも頭にも 剛毛があり アメイロの体は、きれいですね。翅の脈は、シマシマでしょうか。シマバエ科のシマは、翅脈からでしょうか。
お口の形も面白い形ですね~ (2008.12.11 16:07:50)

Re[1]:シマバエ科(Homoneura sp.)(12/11)   アーチャーン さん
ukon6624さん
>はぁ~~ため息がでます・・
>こんなに立派な写真を撮られても?とは・・・
>検索のレベルが月とスッポンなのに不鮮明な写真で同定してもらったりしたのが恥ずかしいです・・
-----
 ハエは難しい相手です。特にヤドリバエ科、クロバエ科、イエバエ科、ニクバエ科等の種名は、余程信頼できるサイトのもの以外は間違っていると思っていた方が安全でしょう。また、翅脈や剛毛で区別が出来なくても、交尾器を見れば別種と言う場合も沢山あります。
 ハエ以外でも、例えばオサムシ類は交尾器を見ないと分かりません。外見だけでは区別のつかない種類は結構多いのです。



(2008.12.12 07:17:07)

Re:シマバエ科(12/11)   アーチャーン さん
るる555さん
>脚にも頭にも 剛毛があり アメイロの体は、きれいですね。
-----
 肉眼では良く分からない程小さいハエで非常に綺麗な種類は結構あります。しかし、写真を撮っても中々種類、と言うより科すら分からない場合が多くて困ります。

>翅の脈は、シマシマでしょうか。シマバエ科のシマは、翅脈からでしょうか。
-----
 この科には翅に模様のある種類があるので縞蠅と名が付いたのだと思います。

>お口の形も面白い形ですね~
-----
 3番目の写真だと思いますが、これは口器の出し入れ途中の瞬間です。伸ばせばこの数倍になります。
(2008.12.12 07:24:11)

思わず^^;   snowrun29 さん
1枚目の写真を拝見して
「はぁ~これがハエ…なんと美しい」と。
翅脈の模様のすっきりとセンスのよいこと!
(って人間に言われても、でしょうが)
あの剛毛には「!」ですが
ショウジョウバエにもある訳ですし、、
最後の「手をこすってる」図でホッとしたりして?

しかし検索されてゆく過程を見て「………」です。
アーチャーンさんなればこそ、なのでしょうが
私はおぉっとよろけて3歩(どころか)以上は下がらないと、、

ここまで鮮明なればこそ、の詳細さ。
そして安易に「○○」と同定されないその市姿勢。
辛抱強くない私はひたすら「!!!!」です。 (2008.12.12 14:27:27)

あれ?   snowrun29 さん
すみません!
最後から2行目のは勿論「姿勢」です。
変換ミス、申し訳ないです<(__)> (2008.12.12 14:29:30)

Re:シマバエ科(Homoneura sp.?)(12/11)   夢のはし さん
ごめんなさい、前々から、面白いタイトルだなぁ~と思っておりました、「一寸のハエにも五分の大和魂」、
風邪薬が変に効果があったのか(と、言い訳をする^^;)
今日は特別に面白く思えて、ごほごほと笑ってしまいました^^;

毛の生え方が重要、というのは、
ハエの話になるたびに、アーチャーンさんから伺っておりましたけれども、
その例を、こうして具体的に見せていただきますと、
なるほど、と、納得してしまいます。すごいですね~。

ハエにも、いろんな種類がありますが、
圧倒的に、「毛深くて、手をこすり合わせている」という印象が強いですね。
(2008.12.12 17:53:10)

Re:思わず^^;(12/11)   アーチャーン さん
snowrun29さん
>1枚目の写真を拝見して
>「はぁ~これがハエ…なんと美しい」と。
>翅脈の模様のすっきりとセンスのよいこと!
>(って人間に言われても、でしょうが)
-----
 この手のスッキリした翅脈は無弁類(触角第2節の上外面に縦溝がない、胸弁、前胸弁が発達しない)では普通です。問題になるのは、写真では見えない基部に近いゴチャゴチャした部分なのです。

>あの剛毛には「!」ですが
>ショウジョウバエにもある訳ですし、、
>最後の「手をこすってる」図でホッとしたりして?
-----
 このハエの剛毛はかなり強力で、しかも地が赤いので見易いです。地が黒く剛毛も黒い場合は大いに困ります。

>しかし検索されてゆく過程を見て「………」です。
>アーチャーンさんなればこそ、なのでしょうが
>私はおぉっとよろけて3歩(どころか)以上は下がらないと、、
>ここまで鮮明なればこそ、の詳細さ。
>そして安易に「○○」と同定されないその市姿勢。
>辛抱強くない私はひたすら「!!!!」です。
-----
 ハエはヘタをすると科を間違えると言う大間違いをしてしまう可能性があるのです。全く厄介な連中です。
(2008.12.12 20:18:36)

Re[1]:シマバエ科(Homoneura sp.?)(12/11)   アーチャーン さん
夢のはしさん
>ごめんなさい、前々から、面白いタイトルだなぁ~と思っておりました、「一寸のハエにも五分の大和魂」、
>風邪薬が変に効果があったのか(と、言い訳をする^^;)
>今日は特別に面白く思えて、ごほごほと笑ってしまいました^^;
-----
 風邪に罹っている方が多い様です。御自愛を。

>毛の生え方が重要、というのは、
>ハエの話になるたびに、アーチャーンさんから伺っておりましたけれども、
>その例を、こうして具体的に見せていただきますと、
>なるほど、と、納得してしまいます。すごいですね~。
-----
 この文章で分かった感じになられては些か困ります。剛毛にはみな名前が付いています。検索表式に書くと・・・、
 2対の後ろ向きの強い額眼縁刺毛があり、鬚剛毛はこれを欠き、1対の後頭頂剛毛は互いに交叉し、触角第2節背面に1本の剛毛があり、1~2本の胸腹側剛毛と1本の中胸側剛毛を持つ。前腿節下面には鋭い剛毛が間隔を保って数本並び、脛節末端近くの背面には孤立した剛毛がある・・・、と言う具合です。

>ハエにも、いろんな種類がありますが、
>圧倒的に、「毛深くて、手をこすり合わせている」という印象が強いですね。
-----
 身繕いはハエもハナアブ(実はアブ類ではなくハエの仲間です)も良くします。身繕いの最中は動かないので、写真を撮るには良い機会です。
(2008.12.12 20:31:02)


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