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テーマ:日々自然観察(9828)
カテゴリ:昆虫(甲虫)
この辺りにいるコガネムシ(スジコガネ亜科、コフキコガネ亜科)と言えば、このセマダラコガネの他にアオドウガネ、マメコガネ、ビロウドコガネ、コフキコガネが居る位なもので種類は非常に少ない。尤も、基本的に見付け次第捕殺してしまうので、キチンと形態を観察していないし(マメコガネを除いて類似種が居る)、余り興味のあるグループではないので関心が薄く、コガネムシ、ドウガネブイブイ、クロコガネ等も居た様な気もするが、記憶が定かでない。なお、ハナムグリやカナブンはハナムグリ亜科に属し、その幼虫は、カブトムシと同じで腐植を餌とし、生きた植物の根を食べることはない。
コガネムシ類は、幼虫が植物の根を食害するだけでなく、成虫も葉を食害するものが多い。我が家の近くに並木として植えられたサクラの若木があるが、昨年は何故かその1本にアオドウガネが集まり、殆ど丸坊主にしてしまった。 マメコガネは1916年にアメリカ合衆国で日本からの帰化が確認され、Japanese beetleと名付けられた。この虫は新天地で急速に分布を拡大し、多くの有用植物の葉を食害して甚大な被害を与えた。それは、大東亜戦争時に反日宣伝に使われたくらい酷いものであったと言う。
このセマダラコガネ(米国では、oriental beetle、或いは、Asiatic beetleと呼ばれている)はどうかと言うと、幼虫は多くは草本植物の根を食べるとのこと。最近は、ゴルフ場の芝に被害を与えるのでかなりの問題になっている様だが、まァ、私としては、ゴルフ場なんぞはどうなっても宜しい。しかし、我が家にあった「祖先伝来」のフウチソウ(戦前からあったらしい)を枯らした犯人は、このセマダラコガネである可能性が高い(マメコガネも容疑者候補、共犯かも知れない)。 成虫はどうかと言うと、何故か、日本国内では成虫の食性に関してキチンと書いたサイトが見つからない。そこで、外国のサイトを参照すると、バラやタチアオイ、ペチュニア等の花を多少食害することがあるらしい。しかし、「Adults feed very little」とか「adult beetles apparently do little feeding」と書かれて居り、花卉以外への被害は殆ど問題にならない様である。
・・・と言う訳で、写真のセマダラコガネ君、我が家ではフウチソウを枯らした犯人として「かなり黒に近い灰色」と見なされているが、コフキコガネと同様触角が大きく(雌では小さい)、中々愛嬌のある虫ではある。後脚を突っ張るマメコガネと異なり、1~4番目の写真の様に少し上向きで遠くを眺める様な姿勢をとることが多い。この格好をしているときに、真っ正面、少し下側から撮ると面白い写真が撮れるのだが、残念ながら障害物があって、斜め前からしか撮れなかった。 何とか真っ正面から撮れないかと思って枝を動かしたりしていたら、セマダラ君、警戒してマメコガネの様に葉っぱに這いつくばってしまった。仕方なく、その姿勢を真ん前から撮ったのが下の写真。何だか、複眼や口の周りがハッキリしないが、別にボケている訳ではない。細かい毛があって、輪郭が不明瞭になっているらしい。
梅雨も明け、此処3日程、真夏の太陽が照りつけている。この分では、我が家の庭はいずれ「夏枯れ」状態になるものと予想される。しかし、6月下旬以降に撮った写真がまだかなりある。ネタ切れの心配は、暫くの間は無用と思われる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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