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テーマ:日々自然観察(9834)
カテゴリ:昆虫(テントウムシ)
上の写真は一昨年(2007年)の5月中旬に撮ったものである。クチナシの若葉に付いたアブラムシが目当てでやって来たらしい。体長は、約2.1mm、ブワブワした衣で被われているので正確な体長が分からないが、まだかなり小さい。左側に居るアブラムシが萎びているのは、このコクロヒメテントウの幼虫に少し囓られたのかも知れない。
次の写真は、毎回拙サイトを御覧になっている読者諸氏にはお分かりのことと思うが、以前ハリブトシリアゲアリを掲載したときに一寸写っていた個体である。アリマキを捕食者から守るはずのアリと一緒に歩いている。体長は約2.2mm、余り綿状の衣が発達していないところを見ると、脱皮してからまだ日が浅いのかも知れない(別種の可能性もある)。 佐々治寛之著「テントウムシの自然史」に拠れば、この綿状の物は幼虫自身が分泌する蝋物質で、物質的にはワタフキカイガラムシ類のものと相同だそうである。
上の写真も一昨年に撮ったもので、体長は約5.5mm、終齢幼虫であろう。珍しく草本植物であるカクトラノオの上を忙しく歩き回っていた。それを横から撮ったのが、下の写真。口、3本の脚、腹部の体節が見えている。 捕まえて、蝋物質を剥がしたり、裏返しにしてみれば、もっと良く体の構造が分かるのだが、気の毒なので止めておいた。
幼虫はかなり特異な形をしているが、成虫の方はどうかと言うと、体長2mm前後、暗色でお尻の辺りだけが茶色い目立たない甲虫である。ヒメテントウ類は、名前の如く一般に小型で2mmを越える種類は少なく、また、普通のテントウムシよりもずっと縦長なので、一般の人が見てもテントウムシとは思えないかも知れない。 ヒメテントウ類は、庭を「探索」している間にそれらしき姿を見かけることがある。しかし、何時も写真を撮る前に逃げられてしまう。尤も、写真を撮っても、それだけではヒメテントウ類の同定は難しいだろう。 尚、前述の文献に拠れば、ヒメテントウ族の幼虫の大部分は、綿状の蝋物質を出すとのこと。写真の幼虫は最普通種である「コクロヒメテントウの幼虫」として置いたが、或いは、別のヒメテントウの幼虫である可能性も否定は出来ない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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