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テーマ:日々自然観察(9868)
カテゴリ:昆虫(芋虫、毛虫)
実は、これらの写真を撮った9月3日には、1頭を残して他はみな3齢に達していた。その1頭の2齢幼虫も、後で分かったことだが脱皮直前、しかも僅か30程前、既に古い表皮が浮き始めている状態であった。一寸2齢幼虫の例としては相応しくないので、庭に残した2齢幼虫の写真をまず上に示しておく。庭には飼育箱に移さなかった4頭余りが残っているが、昨日9月7日現在で一番生長しているのが3齢、この写真を撮った9月3日では全て2齢であった。最近は最低気温が20~21℃にまで下がっているので、その気温の差が生長速度の違いを生じているのであろう。 上の2齢幼虫の体長は、体が曲がっているので分かりづらいが1cm程度。初齢では棘と言うよりは剛毛と言った方が良い様な各1本の棘が生えていたが、2齢では明らかな棘状突起となり、途中から枝分かれが生じている。
上は脱皮直前の2齢幼虫である。表皮がパンパンに膨れている。撮った時は脱皮直前であるとは気が付かなかったのだが、何回撮っても妙な写り方をする。体の周辺部を見ると、下の葉っぱが反射で写っている。まるで、甲虫の様な光り方である。普通の幼虫とは感じが随分異なる。 上の写真を撮った後、飼育箱の清掃と食草の交換をし、撮った写真を現像してから幼虫を見に行くと、先程居た筈の黒っぽい2齢幼虫が居ない。探してみると、同じ位の大きさ(約1cm)だが頭が茶色の幼虫が盛んに歩き回っている。どうやらあの黒っぽい妙な光り方をしていた幼虫が脱皮して、この頭が黄茶色の幼虫になったらしい。頭は、当然暫くすれば、また黒くなる筈である。 脱皮殻は無い。脱皮後に食べてしまったらしい。上と下の写真の時間差は1時間弱、上の写真は正に脱皮直前だったのである。
脱皮したて幼虫は、やがて歩くのを止め、葉っぱの基部近くで動かなくなった。歩いているときは体が少し長かったが、御休中は体が縮んで、何かウミウシの様な感じ。ストロボの光に反応するのか、時々頭を左右に振る。
この幼虫、何となく可愛いので、もう1枚貼っておく。
下はもうシッカリ生長した3齢幼虫、体長は20mm位ある。2齢と較べて、棘が随分とシッカリしており、長さも胴体の太さと同じ位長くなっている。一見固く、触ると刺さりそうにも見えるが、ツマグロヒョウモンの棘と同じでかなり柔らかい。
最後に3齢の別個体を示す。一部の棘が曲がっているが、脱皮後に何かに接していて、曲がったまま固まってしまったのだろう。左端に見える固まりは、幼虫君の排泄物である。
今日(9月8日)の朝、飼育箱を見てみると、終齢と思しき個体は2頭に増えている。その一方で、まだ3齢の個体が1頭おり、残りは全て4齢である。かなり差が付いているが、庭の方に残してあるのを見ると、脱皮直後と思われる4齢が2頭、一番小さいのは体長12mm位の3齢幼虫である。飼育条件の良い方が生長の差が激しい様に思われる。好条件下では、個体差が増幅されるのかも知れない。 [追記]これらの幼虫は全て無事成長し成虫に羽化した。以前、以降の記録は下記の通り。 内 容 掲載日 卵と初齢幼虫 8月29日 4齢幼虫 9月18日 5齢(終齢)幼虫 10月 6日 前蛹、蛹と成虫 10月19日 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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