4543938 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カテゴリ

カレンダー

バックナンバー

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12
2023.11
2023.10
2023.09
2023.08
2023.07

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

生き物観察が趣味の者です@東京@ Re:コマユバチ(繭と成虫)(11/12) 初めまして。 ハギの枝に黄色い毛玉の様な…
先生へ@ Re:ハナアブの幼虫(オナガウジ:尾長蛆)(05/21) ためていた水に生息していて、生まれて初…
srpfly@ Re:ショウジョウバエの1種(07/28) it is not a Drosophilidae (ショウジョウ…
蓼科委員@ Re:スミレの閉鎖花(11/17) 閉鎖花としてアップされている画像はすで…
蓼科委員@ Re:スミレの閉鎖花(11/17) 閉鎖花としてアップされている画像はすで…
飛ぶ本@ Re:クサギカメムシの幼虫(初齢)(07/31) 初めまして。 とても分かりやすく勉強に…
おかんー子どもの頃は虫好き@ Re:エゾギクキンウワバ(蛹と成虫)(12/01) 生協で届いたモロヘイヤについていた5mmほ…
2009.10.06
XML


 今日はルリタテハ(Kaniska canace)の終齢幼虫を紹介する。漸くのお出ましである。

 幼虫も終齢になると貫禄が出て来る。また、4齢以下とは形態や色が変わることも多い。アゲハの幼虫では4齢以下の「鳥の糞」型から目玉模様のある緑色に変わるし、このルリタテハの場合も4齢以下の黄と黒の2色刷から、赤、黄白、黒の3色刷に変わる。体長は45mm程度。



ルリタテハの終齢幼虫1


ルリタテハの終齢幼虫.体を丸めて休すむのは若齢と同じ

赤、黄白、黒の3色になっている.左下が頭

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/10)

 色は変わっても、葉裏で体をU(C、J)字型に曲げて休む習性は同じである。何とも奇妙な習性で、どの様な利点があるのか良く分からないが、個体によって体を曲げる方向が決まっているかも知れない。印を付けて調べてみれば分かることだが、メンドーなので「実験」はしなかった。


ルリタテハの終齢幼虫2


ストロボの光に反応して動き始めた.左下が頭

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/10)

 4齢以下では基部を除いて黒かった肉棘が、終齢幼虫では、大部分黄白色に変わる。しかし、先の方は黒いままである。また、若齢ではかなり柔らかかった棘が、終齢では皮膚の弱い所に当たれば傷みを感じる程度に固くなっている。棘の先には剛毛が生えているので、その剛毛が太くなって容易に曲がらなくなるのであろう。

 この棘状突起は第1胸節には無く、第2胸節から第10腹節にかけて存在する。各節に於ける本数は、写真からは良く分からないが、北隆館の古い「日本幼虫圖鑑」に拠ると、アカタテハ等とおなじで、第2~3胸節では各4本、第1~8腹節では各7本、第9~10節には各2本有るのとのこと。


ルリタテハの終齢幼虫3


何時も丸まっているので、こう言う真っ直ぐな写真は少ない

棘状突起は第2胸節から第10腹節にある

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/10)

 胴体の色は、4齢幼虫では黒と黄であったが、終齢ではこの黄色い部分が鮮やかな赤となる。遠目には余りよく分からないが、拡大してみると、赤、黄白、黒の3色が、中々塩梅良く配置されている。


ルリタテハの終齢幼虫4


終齢幼虫の頭部.長い剛毛が沢山生えている

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/10)



ルリタテハの終齢幼虫5


御食事中の終齢幼虫.上唇の溝に葉の端を入れて食べる

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/10)

 終齢幼虫の期間は4齢以下よりも長く、食欲も甚だ旺盛で、5頭(全7頭の内、1頭だけ生長が速くて先に蛹になってしまい、また、遅いのが1頭居た)も居ると1日数回ホトトギス(1本の茎に4~5枚葉が付いている)を与える必要があった。しかし、余りに速く食べ尽くしてしまうので、花瓶に挿す必要は無く、その点では楽であった。

 ルリタテハの終齢幼虫の魅力は、何と言ってもその棘状突起にあると思う。そこで、等倍で接写した棘の写真を数枚並べることにした。棘の各先端に剛毛が生えているのが良く分かる。また、基部に近い黄白色の部分には微毛が無数に生えているのが見える。この様な微毛は4齢幼虫には無かった様に思うが、4齢では等倍接写をしていないので、分解能が低くて見えなかっただけなのかも知れない。


ルリタテハの終齢幼虫6


ルリタテハ終齢幼虫の棘状突起.先端に剛毛が1本ずつ生えている

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/10)



ルリタテハの終齢幼虫7


ルリタテハ終齢幼虫の棘状突起(その2)
(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/10)



ルリタテハの終齢幼虫8


ルリタテハ終齢幼虫の棘状突起(その3)
(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/10)

 さて、この次は兪々蛹化と羽化である。しかし、まだ写真の調整が全然出来ていない。掲載まで今少しお待ち願いたい。


[追記]これらの幼虫は全て無事成虫に羽化した。以前、以降の記録は下記の通り。


   内   容     掲載日
  卵と初齢幼虫    8月29日
  2~3齢幼虫    9月 8日
  4齢幼虫      9月18日
  前蛹、蛹と成虫  10月19日







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010.12.04 11:04:08
コメント(8) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.