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2010.04.14
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 漸く春らしくなって来て些か心も浮き立つが、虫の方はどうかと言うと、これがサッパリである。アシブトハナアブとホソヒラタアブ等は殆ど常駐して居るが、新顔は容易に現れない。其処で今日は、昨年の今頃撮ったハナアブを紹介することにした。

 実はこの写真、ISOが高く設定されているのに気が付かないまま撮ってしまったので、かなり荒れており、今までお蔵にしていたのである。しかし、普段は見ない種類なので一寸調べてみたところ、Web上では余り紹介されていないケコヒラタアブ(Psilota)属のハナアブであることが分かった。体長は約5.5mm、翅長も約5.5mmの小さめのハナアブである。



クロケコヒラタアブ1


クロケコヒラタアブ.体長約5.5mm、翅長も5.5mm

m横脈がほぼ直角に曲がっている

(写真クリックで拡大表示)

(2009/04/03)

 双翅目の掲示板「一寸のハエにも五分の大和魂・改」で調べると、日本産ケコヒラタアブ属は3種のみで、クロケコヒラタアブ(Psilota nigripilosa)が各地に多産する以外は極めて稀な種類らしい。この辺り(東京都世田谷区西部)に「極めて稀な種類」など居る筈も無いが、同掲示板に載っている写真や、ハナアブの研究者である市毛氏の「ハナアブ写真集」にある標本とは一寸違って見える。また、東京都本土部昆虫目録を見ると、皇居で「クロ」の付かないケコヒラタアブ(P. brevicornis)の記録がある。

 何となく不安を感じたので「一寸のハエ・・・」に御伺いを立ててみた。すると・・・、ハナアブの研究者であるpakenyaが対応して下さった。触角第3節が長い(幅の3倍以上)ことが確認できるので、クロケコで良いとのこと。先ずは一安心である。


クロケコヒラタアブ2


横から見たクロケコヒラタアブ.全身毛だらけ

(写真クリックで拡大表示)

(2009/04/03)

 また、「触角が短めのメス個体は、今のところ正確に同定することができません」との御話であった。掲示板の他の記事を読むと、どうもこのこのケコヒラタアブの分類には少し混乱がある様である。クロの付かないケコヒラタアブのホロタイプ(正模式標本:原記載時に原著者がただ1個指定した標本)とパラタイプ(副模式標本:原記載で参照された標本の内、ホロタイプを除いた全ての標本)との間に違いがあるらしい。

 まァ、分類学では良くあることだが、今日の主人公、クロケコヒラタアブには関係ないことなので、気にしないことにする。


クロケコヒラタアブ3


斜め上から.複眼にも長い毛が生えている

(写真クリックで拡大表示)

(2009/04/03)

 このクロケコヒラタアブ、名前はヒラタアブだがナミハナアブ亜科(Milesiinae)マドヒラタアブ族(Eumerini)に属す。ホソヒラタアブ等の普通のヒラタアブはヒラタアブ亜科(Syrphinae )ヒラタアブ族(Syrphini)だからかなり遠縁で、一般のヒラタアブよりはナミハナアブ等のハナアブ類の方に近い。。全く、誤解を招く紛らわしい和名だが、私の知らない何らかの来歴があるのであろう。

 ケコヒラタアブの「ケコ」の意味も良く分からない。多分、小さくて毛が多いから「毛小」なのだと思う。


クロケコヒラタアブ4


同じ様な写真をもう一枚.触角は平らで長い

(写真クリックで拡大表示)

(2009/04/03)

 幼虫の食性は樹液食とのこと。普通のヒラタアブ類幼虫はアブラムシ等を食べ、ナミハナアブ等の幼虫は水の中で暮らすオナガウジ(尾長蛆)、それらから較べると一寸変わったグループだが、ハナアブ類の食性は双翅目らしく多岐に亘っているから、そう驚くことはない。ベッコウハナアブ類の幼虫は、何と、スズメバチの巣に寄生する。


クロケコヒラタアブ5


オマケにもう一枚.腹部は丸味が強い

(写真クリックで拡大表示)

(2009/04/03)

 どうも春になっても虫の出方は余り芳しくない様である。しかし、画像倉庫を見るとまだ未掲載の写真は結構残っているし、これまで撮った虫や花でも超接写するとかの工夫をすれば、重複掲載にならないでネタとなり得る。

 同じ種類を同じ様に撮る重複掲載はしない方針なので、必然的に深刻なネタ不足に陥りつつあるが、私は楽観主義者なので、まァ、何とかなるでしょう、と気楽に構えている。







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最終更新日  2010.04.21 08:40:05
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