我が家の庭の生き物たち (都内の小さな庭で)

2010/04/29(木)08:54

ニッポンヒゲナガハナバチ(雌)

昆虫(ハチ)(46)

 先日、触角の短い、白っぽくて丸々としたハナバチがやって来た。体長は1cmを少し越えた程度、せわしなく飛び回る。この手のハナバチとしては、この辺り(東京都世田谷区西部)では触角の非常に長いニッポンヒゲナガハナバチ位しか居ないと思っていたのだが、この触角の短いハナバチは一体何だろうか。  北隆館の圖鑑を見ると、似た様なハナバチが何種類が出ていた。しかし、春期に出現し触角の黒いのは、他にシロスジヒゲナガハナバチが居るだけである。尤も、圖鑑に出ていない種類の可能性もあるが・・・。 クチナシの葉上で休むニッポンヒゲナガハナバチの雌 漆黒の眼と丸くてコロコロした姿が何とも可愛い (写真クリックで拡大表示) (2010/04/25)  圖鑑の解説を読むと、ニッポンヒゲナガもシロスジヒゲナガも、雌はみな触角が短い。どうやら、この何れかの種の雌らしい。  ニッポンヒゲナガの解説には、最近、従来のEucera属(シロスジヒゲナガが属す)とTetralonia属(ニッポンヒゲナガが属す)の見直しが行われたが、「その内容は複雑なので、ここでは便宜上前翅の肘室が2個のものをEucera、3個のものをTetraloniella(旧名Tetralonia)と扱う」とある。其処で翅脈を見てみることにした。 スミレの花に留まるたニッポンヒゲナガハナバチの雌.矢印の先が肘室 (写真クリックで拡大表示) (2010/04/25)  上の写真で明らかな様に、肘室は3個ある。検索表で上の方から落としたのではないから全く別の属の可能性もあるが、まァ、圖鑑に載っている種類の中ではTetraloniella属と云うことになる。  九州大学の日本産昆虫目録を見ると、このTetraloniella(九大目録では旧名のTetralonia)には5種しか載って居らず、その内、本州に産するのはニッポンヒゲナガの他にミツクリヒゲナガがあるだけである。このミツクリは秋に出現する種類なので、除外して問題ないだろう。  次に確認の為、Web上にあるニッポンヒゲナガの画像を探してみる。雄は沢山出ているが、雌は意外と少ない。しかし、農業環境技術研究所の「ナタネ等アブラナ科植物の訪花昆虫検索表」に雌の標本写真が載っており、それと較べると充分よく似ている。・・・と云うことで、今日のハチ君(雌だが)はニッポンヒゲナガハナバチ(Tetraloniella nipponensis=Tetralonia nipponensis)と相成った。 邪魔な矢印を取り去った写真をもう一枚 (写真クリックで拡大表示) (2010/04/25)  ハナバチ類は、落着きなく動き回るか、花の中に頭を突っ込むかで、中々良い写真が撮れない。それが理由で余り撮影したくないのだが、久しぶりに撮ってみると、やはりハナバチは可愛い。チャタテムシの幼虫も可愛いが、それよりず~~と可愛い。

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