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テーマ:日々自然観察(9853)
カテゴリ:クモ
このハエトリグモ、台所の流しにあるゴミ受け網の辺りでウロウロしていたのを見つけた。幸い、洗剤を使っていなかったので窒息死することはなかったが(洗剤=界面活性剤の入った水が体に付くと、水が気管や書肺の中に入り込んで虫やクモは窒息死する)、かなり弱っていた。 屋内で生活するアダンソンハエトリだと思って手で掬って良く見ると、頭胸部や腹部にあるはずの白い半月形の紋が無い。全体の色も黒ではなく茶色である。一体、何ハエトリ? 庭に居るクモや虫が服に付いて部屋の中に入ってくることは良くあることである。取り敢えず、陽の当たる、ベランダからの入り口に置いてある足拭きマットの上に逃がしてやった。
良く見てみると、腹背に2本の筋がある。これは、本来屋内に生息していたが、最近はアダンソンに負けて屋外生活を強いられているミスジハエトリではないのか? 暫くすると、大分元気になってきた。其処で、ブルーベリーの葉に載せて写真を撮った。
しかし、写真をコムピュータで拡大してみると、ミスジハエトリではない。ミスジハエトリの腹部の紋は一直線で他に紋はないが、このハエトリの紋はかなり曲がっているし、腹部にかなり細い縦筋が沢山ある。これ一体何者?? 調べてみると、直ぐに分かった。何てことはない、アダンソンハエトリ(Hasarius adansoni)の雌であった。アダンソンハエトリは屋内生活者、即ち、「家の中」の生き物である。
しかし、我が家の屋内で見るアダンソンは黒地に白い筋のある個体(雄)ばかりである。かなり小さい個体でも模様は同じ。ヒョッとして幼体は雄に似ているのかと思って調べてみたが、そんなことはない。幼体は雌に近い配色をしている(かつて掲載していた)。 かなり以前から眼が悪くなっている(比較の問題で老眼ではあるが視力1.5はある.昔は2.0をかなり上回る時もあった)ので、今まで気が付かなかったとしか思えない。ヤレヤレと落ち込むこと暫し。
・・・と云う訳で、今回は「家の中」に居たアダンソンを無理矢理庭に出して撮影したことになってしまった。1種の「ヤラセ」だが、アダンソンは暖かい時期には屋外でも普通に見られるので、そう気にする必要もないかも知れない。 家の中には、庭に居るのとは別の虫達が居る。我が家の中は常に乾燥させているので虫は多くないが、多少は居る。その多くは「害虫」である。このアダンソンハエトリの雌を機会に、今後は家の中の「害虫」も紹介して行こうと思う(「ゴキ」は居ないので御安心を!!)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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アダンソンハエトリという名ですか。
↑は発見者とか命名者の名前でしょうか? 「こんにちは~」って感じでふさふさの前足?を揃えて なかなかお行儀の良いクモさんですねv 助けてくれてありがとう、でしょうか。 確かに眼がぱっちりで正面から見ると美形ですね。 合成洗剤の海面活性剤の混じった水は >気管や書肺の中に入り込んで虫やクモは窒息死する そうでしたか。 私も合成洗剤は使いませんので、だとうちの室内の虫は少しは安全? 流しでアゲハの飼育箱なども洗うので(水洗いですが) そうなのかと認識を新たにしました(感謝) 「御器かぶり」以外のも期待しておりますv (2010.11.08 13:31:05)
眼の中にカメラらしい姿が見えて 大きな眼がたくさんついている造形美に うっとりしますね。ハエトリグモの魅力は、ピョンと跳躍することにもあると思います。そして メスですからこれから巣とつくって 産卵などあるのでしょうか?
(2010.11.08 16:53:38)
ハエトリぐもというのは可愛いものですね。
それとこの三つ指をついて居ずまいを正しているような姿、昔の礼儀正しい日本人を見ているようです。 それにしてもいつも焦点のピッタリ合った明確な写真、流石です。 見ていて気持ちが良いですね。 (2010.11.08 22:18:13)
snowrun29さん
>アダンソンハエトリという名ですか。 >↑は発見者とか命名者の名前でしょうか? ----- 面倒なので書かなかったのですが、「アダンソン」は種名のadansoni(<アダンソン氏の>の意)から来ている事は間違いないでしょう。正式な学名はHasarius adansoni (Audouin 1826)で、Audouin氏が1826に記載した種です。 命名者名がカッコに入っているのは、最初に記載された時は属名が異なり、その後、詳しい研究によってHasarius属に移されたことを意味しています。 命名者が自分の名前を付けることはありません。種名に人名の所有形(語尾がiになる)が使われる理由は、発見者(採集者)の名前の場合もありますし、最初に採集された場所で有名だった人物や、有名な昆虫学者が死去したのでその学者に因んでその名を付けたり・・・と様々です。 >なかなかお行儀の良いクモさんですねv >確かに眼がぱっちりで正面から見ると美形ですね。 ----- ハエトリは御行儀が宜しく、その正面像は可愛いものです。 >合成洗剤の海面活性剤の混じった水は >>気管や書肺の中に入り込んで虫やクモは窒息死する >そうでしたか。 ----- アブラムシ退治に牛乳を薄めて散布する、と云う方法が良く書かれていますが、台所の洗剤を数10倍に薄めて散布する方が、より簡単で副作用(牛乳だとべと付く、黴が生える等)も無い良いと思います。・・・私はまだ試したことがありませんが、確実に利く筈です。 >流しでアゲハの飼育箱なども洗うので(水洗いですが) >そうなのかと認識を新たにしました(感謝) ----- 界面活性剤の入った水が気管に入らなければ良いので、洗浄に関しては余り気にする必要はありません。 >「御器かぶり」以外のも期待しておりますv ----- ゴキブリの語源が「御器被り」とは知りませんでした。 (2010.11.09 09:03:29)
るる555さん
>眼の中にカメラらしい姿が見えて 大きな眼がたくさんついている造形美に うっとりしますね。 ----- 人間の目やクモの眼(単眼)を「カメラ眼」と言います(1個のレンズと網膜から成る)。ハエトリグモの場合は前中眼が大きく、しかも左右の視線が平行している所が可愛いのだと思います。 >ハエトリグモの魅力は、ピョンと跳躍することにもあると思います。 ----- 跳んでいる所を撮るのは殆ど不可能ですが、一度撮ってみたいものです。 >そして メスですからこれから巣とつくって 産卵などあるのでしょうか? ----- ハエトリは簡単な巣を作って其処に産卵する(卵嚢として)と理解しています。 (2010.11.09 09:12:58)
Mitch29さん
>ハエトリぐもというのは可愛いものですね。 ----- ファンは多い様です。 >それとこの三つ指をついて居ずまいを正しているような姿、昔の礼儀正しい日本人を見ているようです。 ----- 御行儀の良い点では、ハエトリ以上の生き物は少ないのではないでしょうか。 >それにしてもいつも焦点のピッタリ合った明確な写真、流石です。 >見ていて気持ちが良いですね。 ----- 画像処理で鮮明にしてるので、原画自体はもっとぼけています。尤も、焦点が合っていないと、画像処理で鮮明にすることは出来ませんが・・・。 (2010.11.09 09:17:30)
クモは好きな虫ですが、家の中に住むユウレイグモは巣が貧乏たらしくて困ります。同じ家蜘蛛でも、こちらは糸を吐きませんよね?
(2010.11.10 00:49:46)
あるかねっとさん
>クモは好きな虫ですが、家の中に住むユウレイグモは巣が貧乏たらしくて困ります。同じ家蜘蛛でも、こちらは糸を吐きませんよね? ----- クモの糸は吐くのではなく、お尻から出ます。ハエトリグモも含めて、全てのクモは糸を出しながら歩いています。急に落下してもこの糸の御蔭で途中で止まったり、或いは、衝撃を小さくすることが出来ます。 天井の掃除をしないと、ゴミの糸が下がってくることがありますが、これはハエトリグモが出した糸にゴミが付いて重くなって垂れてきたものです。 (2010.11.10 08:29:47) |