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テーマ:日々自然観察(9791)
カテゴリ:昆虫(芋虫、毛虫)
先ず、コスモスの花を含めた全体の写真を上に示す。4齢の時には全体写真の良いのがなかったので掲載しなかったが、4齢では筒状花部分の径よりもかなり小さかった。しかし、5齢では明らかに体長が径を上回ることが分かる(勿論、同じ花ではないので、筒状花部分の直径にはバラ付きがある)。
縦に走る細かい皺の様に見える筋が増えて、よりオオタガコガの幼虫らしくなった。体色が変化して緑色を強く帯びている(写真は強く圧縮してあり、また、写真の周囲が緑色なので、実際よりも赤味が濃くなる)。成長したオオタバコガ幼虫の色は、緑色の他、茶色、赤味の強いもの、全体に色が薄いもの、濃いもの等様々だが、緑系が一番多い様な気がする。
この幼虫、随分細長く見えるが、頭幅が腹幅より僅かに狭い程度なので、脱皮後余り時間が経っていないと思われる。しかし、脱皮直後と思われる4齢の写真と比較するとやや腹部の方が太くなっているから、脱皮後の経過時間は5齢の方が長いのであろう。 この5齢は2日後の19日の朝に6齢に脱皮する。4齢と5齢は同じ個体である。・・・とすると、大きくなるにつれて齢期は長くなる様なので、4齢に2日、5齢に3日要したと考えるのが適切かと思われる。
今回も頭幅を計って5齢幼虫であることを示しておく。上の写真は、頭部を等倍接写したものでる。写真だけ見ると4齢と大きさが余り変わらない様に見えるが、4齢と5齢の写真を撮った間の10月16日に、それまで使っていた100mmマクロが故障して、カメラ本体もレンズも変更した。新しいシステムの方がピクセル数が多く、ピクセル等倍にすれば横幅が1.2倍大きくなる。4齢の方はテレプラスで超接写、上の写真は通常の等倍接写で、何れもピクセル等倍である。 頭幅をスケールと比較すると1.7mm。前回も転載した「大豆を加害するハスモンヨトウ及びオオタバコガ各幼虫の齢期を判定するための頭幅測定ゲージ」に掲載されている、オオタバコガ幼虫の齢と頭幅の関係は以下の通りである。 幼虫の齢 頭幅最頻値(mm) 最小値-最大値 1齢 0.25 0.2 - 0.3 2齢 0.35 0.3 - 0.45 3齢 0.60 0.55-0.75 4齢 1.05 0.85-1.25 5齢 1.70 1.3 - 2.0 6齢 2.60 2.4 - 3.0 頭幅1.7mmは、丁度5齢の頭幅最頻値であった。
前回、保育社の「原色日本蛾類幼虫図鑑」に拠ると、オオタバコガの属すヤガ科(Noctuidae)タバコガ亜科(Heliothinae)の幼虫は、胴部の表皮に微細な顆粒を密布する、と書いた。この粒々、或いは、棘状突起は4齢では大した事は無かったが、5齢では上の写真の様にかなりリッパに発達している。6齢(終齢)では、体ももっと大きくなるので、もっと見応えがある。どうぞお楽しみに。 ・・・しかし、我ながらもうオオタバコガの幼虫には少し飽きて来た。読者諸氏もウンザリされていると思われるが、この後更に「6齢(終齢)」、「蛹と成虫」の2回がある。しかし、6齢はかなり見映えがするし、少し違った観点からの話もあるので、どうか今暫く御辛抱の程、御願い申し上げる。 [追記]以下に、以前及び以降のオオタバコガ成長記録の一覧を示しておく。 内容 掲載日 撮影日 備考 2齢幼虫 2010/11/26 2010/10/12 3齢幼虫 2010/12/01 2010/10/14 他とは別個体 4齢幼虫 2010/12/11 2010/10/14 6齢幼虫 2011/01/17 2010/10/21 蛹と成虫 2011/01/31 - 2個体 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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