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テーマ:日々自然観察(9870)
カテゴリ:その他の動物
殻径は僅か1.4mm。これまでに紹介した「超微小カタツムリ」の中で最も小さい。今日の写真は、小さい被写体を撮る時にテレプラス×2を使うのが常道になっていなかった時期のものなので、普通の等倍撮影である。だから、最近の写真と比べて解像度がかなり低い。
土の上では撮影し難いので、平らな径10cm位の石の上に載せて撮ることにした。土の中からほじくり出したのだから、当然、中身(軟体部)は殻の中である。しかし、前回(「ベッコウマイマイの1種(続)」)の経験で分かったことだが、こう云う殻に閉じこもった微小カタツムリは、水を1滴かければ中身を出して来る。先ず石全体を良く洗ってからカタツムリを置き、その上に水を一滴垂らす。何しろ殻径1.4mmと小さいので、表面張力でカタツムリの周囲に水がしっかりとくっ付き、一寸水滴の中で泳いだ様な状態になってしまうが、特に問題はない。
直ぐに軟体部を出して来て、暫くすると石の上を這い始めた。写真だけ見ると、普通の大きなカタツムリと何ら変わることはない。これが殻径1.4mmの「超極小カタツムリ」とは一寸思えない姿である。 この日は最高気温が21℃(気象庁過去の気象データ検索に拠る)にもなり、南風が少し吹いていた。忽ちの内に、石の表面は乾いて行く。2番目の写真で右側が白っぽく写っているが、これは水が蒸発し乾いて来た部分である。 水分は体長の3乗、表面積は2乗に比例するから、殻径1.4mmでは、あっと言う間に干物になってしまう。上の写真は、カタツムリが表面の乾いた部分へ移動してしまい、乾燥を恐れて軟体部を体に引っ込める所を撮ったものである。上段から下段まで、約55秒。
カタツムリに水滴をかけ、付いた土が落ちたところで、貝殻を撮影することにした。 撮影した写真から、一応科の検索をしておこう。東海大学出版会の「日本産土壌動物」にある腹足綱(マキガイ綱)の検索表を引くと、「渦巻き状の殻を持つ→殻口に蓋がない→触角の先に眼がある→殻口内に歯状突起などがない→殻は半透明で薄くてもろい→殻は低円錐形、臍孔は狭いが閉じる」で簡単にベッコウマイマイ科(Helicarionidae)に落ちる。
以前、「ベッコウマイマイの1種」で書いた様に、この文献の本文解説を読むと、「貝殻は殻径2~18mm、薄質で多くは黄褐色を呈し、光沢がある.殻口縁は単純で薄い.(中略)日本産として記録されているのは22属約100種であるが、貝殻の特徴からの分類に加えて、生殖器形態を重視しなければならず、本科の分類学的検討が遅れている.そのため、本科の属までの検索は割愛する」と書かれている。 従って、属は不明だが、以前の「ベッコウマイマイの1種」とは殻高が異なり(今日の方が殻高がずっと低い)、明らかに別種であろう。結果として、今日の表題は「ベッコウマイマイの1種(その2)」と相成った。
この超微小カタツムリを殻頂の方から見ると、巻数(螺層)はまだ3層半に満たない。保育社の「原色日本陸産貝類図鑑」のベッコウマイマイ科各種の解説を読むと、その多くは4~6層である(中にはスジキビガイの様に3.5層と云う巻き数の少ない種もある)。恐らく、このカタツムリはまだ成貝になって居らず、今後成長して、もっと大きくなるのであろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ナメクジと違って 何故か可愛いと思うカタツムリ 小さい個体は軟体部分もきめ細かく軟らかそうです。大きくなったらどのようなすがたになるのでしょうか。子供のころキャベツやニンジンで飼育していたことを思い出します^^
(2011.03.10 20:22:17)
これは美しい色の、ですねv
チビさんはほんまに可愛いです~☆ 前回アップされたベッコウマイマイの1種も含め こうした渋くも美しい色のカタツムリたち そちらのお庭で結構よく見かけるのですか? 因みに「21度」って!!と。 私事で恐縮ですが、2月9日は私の誕生日です。 関西で21度などになった記憶はありませんが、 昨年の東京ではえらい1日だったんですね。 確かにマイマイ達には迷惑な日だったでしょうね。 うちのオオケマイマイは今日もひたすら寝ております、、 (2011.03.10 22:34:05)
今、色合わせをしてるパッチワークのパターンは、「snail trail」という名前です。カタツムリのくるくるっとした模様が渦巻きになっています。
るる555さんも書いてらっしゃいますが、ナメクジはあんなに嫌われるのに、カタツムリはなぜ愛らしく感じちゃうのでしょう^^;わたしもそうです。 アーチャーンさんのブログ更新、楽しみに待っております<(_ _)> どうぞたくさんの「ネタ」が現れてくれますように! (2011.03.11 00:27:35)
るる555さん
>ナメクジと違って 何故か可愛いと思うカタツムリ ----- 私もナメクジには恨みがある(実生を食べられてしまう)ので可愛いとは思いませんが、じっくり観察すれば結構可愛いくなるかも知れません。 >小さい個体は軟体部分もきめ細かく軟らかそうです。大きくなったらどのようなすがたになるのでしょうか。 ----- 大きくなっても4mm程度だと思いますから、巻き数が増える以外は、大して外観は変わらないと思います。 子供のころキャベツやニンジンで飼育していたことを思い出します^^ ----- 結構カタツムリを飼育する人が居るのですね。私は飼ったことがありません。 (2011.03.11 08:25:26)
snowrun29さん
>これは美しい色の、ですねv >チビさんはほんまに可愛いです~☆ ----- 良い色をしています。 >前回アップされたベッコウマイマイの1種も含め >こうした渋くも美しい色のカタツムリたち >そちらのお庭で結構よく見かけるのですか? ----- 何れも殻径2mm以下ですから、葉の上にでも居ない限り目に付くことはないと思います。しかし、植木鉢の下の土をほじくるとかなり出て来ます。 >因みに「21度」って!!と。 >私事で恐縮ですが、2月9日は私の誕生日です。 >関西で21度などになった記憶はありませんが、 >昨年の東京ではえらい1日だったんですね。 ----- 「気象庁 過去の気象データ検索」に拠ると、同日の大阪の最高気温は18.7℃になっています。 >確かにマイマイ達には迷惑な日だったでしょうね。 ----- 本来は土の中に居たのですから、特に問題は無かったでしょう。 >うちのオオケマイマイは今日もひたすら寝ております、、 ----- カタツムリは1日の活動時間が本来少ないのでは? (2011.03.11 08:32:06)
lemidoriさん
>今、色合わせをしてるパッチワークのパターンは、「snail trail」という名前です。カタツムリのくるくるっとした模様が渦巻きになっています。 ----- 丸味を自然な形にするのは結構難しいのでは? >るる555さんも書いてらっしゃいますが、ナメクジはあんなに嫌われるのに、カタツムリはなぜ愛らしく感じちゃうのでしょう^^;わたしもそうです。 ----- 飼育してよく観察すれば結構可愛いのかも知れません。 >アーチャーンさんのブログ更新、楽しみに待っております<(_ _)> どうぞたくさんの「ネタ」が現れてくれますように! ----- 昨年のヒラタアブ類の幼虫~成虫記録がかなり溜まっています。先日、待っていた文献がオランダから届いたので(大したことは書いてありませんでした)、掲載を開始するつもりです。ヒラタアブ類の幼虫や蛹は余り面白くないかも知れませんが、宜しく。 (2011.03.11 08:38:47)
usashiさん
>昨日の地震、関東地方はかなりの被害のようですが >ご無事でしょうか。 >被害の無いことを願っております。 ----- 御心配下さり恐縮です。 我が西洋長屋は極めて堅牢な作りなので全く問題ありませんでした。振幅は大きかったのですが、加速度は大したことなく、廊下に積んでいた本が数冊落下した程度です。 御安心下さい。 (2011.03.12 08:16:03)
kotiaitiさん
>東京周辺は地震が強かったみたいですね。余震も頻繁そうで・・・ご無事でしたね。 ----- 御心配下さり恐縮です。 上にも書きましたが、我が西洋長屋は極めて堅牢(6階建てが可能な構造で3階しかない)です。丁度、私はトイレに行く途中でした。震度は今までに経験のない5位と感じましたが、問題無いと判断して、地震の途中で用を足しました(尾籠な話で失礼)。一時的に水道が止まっていたので、一寸驚きましたが、直ぐに復旧しました。 私は、7年前に無くなられた某大名誉教授の地震工学の権威と非常に懇意でした。かつて、地震(S波、横揺れ)到来後数秒を過ぎればそれ以上揺れが大きくなることは無いのではないか、と伺ったところ、極めて稀とのことでした(但し、建物が共振した場合は別)。それで、揺れている最中でもトイレに行ったのです。 (2011.03.12 10:37:26) |