2011/08/11(木)15:29
オオカマキリ褐色型の幼虫(終齢)
余り時間もないので、今日も手のかからない虫を紹介しよう。
オオカマキリ(Tenodera aridifolia)褐色型の終齢幼虫である。「北米原産シオンの1種」の上に居た。体長は既に約7cmとかなり大きい。Web上で調べると、褐色型は特に珍しいものでもない様だが、この辺り(東京都世田谷区西部)でオオカマキリの褐色型を見た記憶がない。其処で、どんな成虫になるか早速捕まえて飼育箱(100円ショップのパンケース)の中へ。
オオカマキリ褐色型の終齢幼虫
体長は約7cmでかなり大きい
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(2011/08/06)
実を言うと、オオカマキリかチョウセンカマキリか、幼虫での区別の仕方を知らない。しかし、この辺りでチョウセンカマキリを見たことがないので、オオカマキリであろうと推測している訳である。何れにせよ、成虫になればハッキリする。
少し横から撮ってみたが上と余り違いがない
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(2011/08/06)
現在では、カマキリは螳螂目(Mentodea)に入れられている。しかし、私が子供の頃使っていた戦前の昆蟲圖鑑では、バッタと同じ直翅目に属していた。ゴキブリも一緒である。今でもカマキリ目とかゴキブリ目(Blattodea)と云われると、何となく変な感じがする。
ズミの枝にぶら下がるオオカマキリの終齢幼虫
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(2011/08/06)
捕まえたのは一週間程前のこと。飼育中の餌は鶏肉、小さく切って、ピンセットで抓んで目の前をブラブラさせると飛びかかってくる。しかし、結構気が弱く、余り激しく餌を振り回すと、逃げ出してしまう。まだ幼虫で自信がないせいか?「蟷螂の斧」を振りかざして威嚇する様なことは全くない。
写真は「やらせ」ではなく、庭に一寸放して「散歩をさせている」時に撮ったものである。逃げ足は速いが、草むらの中に入り込んで逃げる、と云う様なことをしないので、簡単に再捕獲されてしまう。
まだ幼虫だが、顔は殆ど一人前(一匹前?)のオオカマキリ
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(2011/08/06)
蟷螂の斧を振りかざす様なことはしないが、顔を見ると、既にリッパなカマキリである。オオカマキリらしく、以前紹介した緑色型の成虫と同じ「恐い顔」をしている。ハラビロカマキリは、顔の輪郭が丸くオニギリ型で、何となく愛嬌があるが、オオカマキリやチョウセンカマキリの顔は可愛げを感じさせない。
顔の拡大。成虫の顔と殆ど差がないが、単眼が発達していない
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(2011/08/06)
成虫と同じく恐い顔をしているが、良く比較してみると、幼虫と成虫では単眼が異なる。触角より少し上にある、左右の触角の間に見える3つの黄色い構造が「単眼」である。単眼もレンズ眼なのだが、写真ではレンズ的な感じがしない。恐らく、幼虫ではまだ「単眼」ではなく、単眼の原基に過ぎないのであろう。
終齢幼虫なので、翅芽が発達している.模様が綺麗
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(2011/08/06)
翅の原基(翅芽)が綺麗なので、ほぼ等倍で接写してみた。成虫になると、前翅と後翅では全然質が違うのだが、原基では、幅は違うが同じ様な構造をしている。
横から見たのが下の写真。但し、方向を反対にして撮影してしまったので、比較しやすい様に写真の左右をひっくり返してある。下の写真に写っている翅芽は、上の写真では上側にある。横から見ると、前翅と後翅で翅脈にかなりの差があることが分かる。
横から見た翅芽.左右を反対に撮影してしまったので鏡像にしてある
手前の翅芽は上の写真では上側の翅芽である
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(2011/08/06)
今日は久しぶりに朝から暑い。昨日までカラミンサにワンサと集っていたハナバチ類が、今日は余り姿を見せていない。ある程度以上暑くなると、虫の方も「今日はアチーなー」とか言って何処かで休んでいるらしい。