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テーマ:虫!(820)
カテゴリ:昆虫(テントウムシ)
クモガタテントウは、2009年の正月にも掲載している。それ以前にも、「成虫」、「前蛹~成虫」を掲載しているから、このWeblogでは原則的に禁止している重複掲載も甚だしい。しかし、これまでのコメント欄に「重複掲載大歓迎」と書き込まれた読者も少なからず居られるし、ヒゲブトハムシダマシの顔(かなり恐い顔)よりはクモガタテントウの方がずっと可愛く、多少は正月向きと思い、敢えて重複掲載することにした。
実は、クモガタテントウはもう一つのWeblogの方にも掲載している。超重複掲載とも言えるが、此方のWeblogでは余り虫自体については書いていないので、少しこの虫の所属や来歴等に付いて書くことにする。 クモガタテントウは、テントウムシ科(Coccinellidae)テントウムシ亜科(Coccinellinae)カビクイテントウ族(Halyziini=Psylloborini)に属し、キイロテントウ、シロホシテントウ、シロジュウロクホシテントウ、稀種のアラキシロホシテントウ等と同族である(文教出版の「テントウムシの調べ方」によれば、日本産カビクイテントウ族は今のところこの5種のみ)。族名にある様に、アブラムシなどを食べる捕食性ではなく、食菌性のテントウムシで、ウドンコ病菌を餌とする。
クモガタテントウは在来種ではなく、帰化昆虫である。「テントウムシの調べ方」に拠ると、最初に発見されたのは1984年で原産地は北米、国内での分布は「日本各地」となっている。 最初に文献として報告されたのは、佐々治寛之(1992)「日本から最近新しく追加されたテントウムシ類」(甲虫ニュース、100、10-13)とのこと。だから、それ以前に書かれた図鑑には載っていない。 日本には、カイガラムシ類の駆除の為に導入されたベダリアテントウやツマアカオオヒメテントウの様な種もあるが、クモガタテントウが日本に侵入した経緯については情報が見つからなかった。
写真のクモガタテントウの体長は約2.25mm(3桁の測定精度はないが、2桁以上はある)、これまで掲載した個体は2.5mm、2.3mmなので、今日の個体が一番小さい。 葉柄に留まっていたとは言っても、葉裏に近い日陰の部分なので、葉をひっくり返して写真を撮ろうとすると、葉柄と葉の付け根に逃げ込んだ(最初の写真)。 ストロボを焚き始めると、今度は葉裏の上を逃げ出した。葉を動かすと警戒して止まる。其処で撮影、暫くしてまた逃げ出す、葉を動かして止める、撮影・・・これを数回繰り返して何とか撮影を完了。 その後は、「お疲れ様でした」と言って、切った蕗の葉の隣の葉に戻してやった。
最近は、標本にして細部を検討しないと種が分からない双翅目(蚊、虻、蠅)や膜翅目(蜂、蟻)を撮ることが多い。かつて散々虫を殺して標本にしたので、今は出来るだけ殺したくない(虫屋も「殺す」とは言わず「絞める」と言う表現を使うことが多い)。このクモガタテントウの様に、見て直ぐ種の分かる虫に出合うとホッとする。 尚、撮影は3日の午前なのだが、3日の午後は色々と用があって、掲載は今日(4日)の夕方になってしまった。三箇日中には掲載出来なかったことになるが、調べて見ると、これまで三箇日中に掲載出来たのは2008年(元旦「ニホンズイセン」)ただ1度だけであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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