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我が家の庭の生き物たち (都内の小さな庭で)

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昆虫(蛾)

2011.06.11
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カテゴリ:昆虫(蛾)


 本当はWeblogの原稿を書いている閑など無いのだが、前回の更新から2週間も経ってしまったので、簡単な記事を載せることにした。

 前回紹介したスイセンハナアブと同じ日に撮影したツゲノメイガ(Glyphodes perspectalis)である。「柘植之螟蛾」ではなく「柘植・野螟蛾」で、現在はツトガ科(Crambidae)ノメイガ亜科(Pyraustinae)に属す。以前は、例えば手元にある保育社の古い蛾類図鑑(昭和32年発行)では、メイガ科ノメイガ亜科の所属となっている。



ツゲノメイガ1


柿の木の葉裏に留まったツゲノメイガ

(写真クリックで拡大表示)

(2011/05/20)

 庭を歩いていたら、足許からモンシロチョウ位の大きな白っぽい蛾が飛びだした。しかし、直ぐに近くにある草の葉裏に逃げ込んでしまい、姿は良く分からない。近づくとまた飛んで逃げる。何回か、追いかけっこをした結果、少し高く飛んでカキの木の葉裏に留まった。これなら姿が良く見える。

 開張5cm位あるかなり大きな蛾である。白地で黒枠と云う模様から、ヨツボシノメイガ(ヨツホシノメイガ)や、お尻の先をクネクネさせるので有名なワタヘリクロノメイガ等と近縁の「アレ」であることが直ぐに分かった。


ツゲノメイガ2


真上にいる虫を撮るのはシンドイ.翅の左の部分はボケている

(写真クリックで拡大表示)

(2011/05/20)

 早速図鑑を開いてみると、ツゲノメイガであった。しかし、この古い図鑑では、上記の2種の他に、ミツシロモンノメイガ、クワノメイガ等、何れも同じDiaphania所属となっているが、「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に拠ると、ツゲノメイガとミツシロモンノメイガはGlyphodes属、ヨツボシノメイガはTalanga属、クワノメイガはGlyphodes属で、Diaphania属に属すのはワタヘリクロノメイガ1種のみとなっていた。

 まァ、昭和32年の図鑑だから、現在の状況と大いに違っていても些かもおかしくはない。


ツゲノメイガ3


真上なので、今度は体を180度回転させて撮影

前の写真よりもストロボの反射がより強く

画像処理で誤魔化した為、色調がヘン

良くない写真の例として載せた

(写真クリックで拡大表示)

(2011/05/20)

 こう云う純白に近い部分を持つ蛾は、自然光で撮らないと、白い部分の反射が強く露出過度になるし、構造色が出て本来の色と違ってしまう。しかし、頭上のカキの木の葉裏では、逆光で自然光での撮影は難しい。仕方なく、ストロボを焚いた。

 その結果として、構造色で白い部分が青っぽくなったり、黒の筈が赤味を帯びた金色になっている所が随分ある。また、露出過剰で白飛びした部分を画像処理で誤魔化しているので、かなり変な色調になっている。特に最後の写真など、翅の後縁が妙に霞んでいるが、これは白飛びしている部分の明度を画像処理で無理矢理下げた副作用である。同様に、腹部胸部に見える淡い模様も、本来は存在しない人工産物(artifact)で、本当は全体に真っ白である。

 今日の拡大写真は、何れも焦点が翅全体に合っていない。何しろ、カメラを真上に向けて撮らなければならないので、撮る方としては実にシンドイ。それに、余り体を反り返らせると、脊柱管狭窄症に非常に良くないのである。








最終更新日  2011.06.11 14:22:52
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2011.01.31
カテゴリ:昆虫(蛾)


 今年は例年に較べてかなり寒いが、今朝はまた一段と寒かった。我が家の庭に於ける7時の気温は-2℃、6時頃は-3℃位であったらしい。近来にない冷え込みである。気象庁発表による今日の「東京」の最低気温は-1℃になっているが、これは都心の大手町での観測で、畑なども所々にあるこの辺り(東京都世田谷区西部)は「東京」よりもかなり寒いのである。

 さて、今日はやっと今月4回目の更新、最近はすっかりサボリ癖がついていしまった。しかし、調べてみると、一昨年の12月はたった2回だからそれよりは多少マシとは言える。

 今日は、これまで延々と掲載してきたオオタバコガ(Helicoverpa armigera)の蛹と成虫を紹介する。



オオタバコガの蛹1


オオタバコガの蛹.上から背面、腹面、側面.頭は右

黒い斑紋は腹部第2~7節までの気門

(写真クリックで拡大表示)

(2010/10/31)

 最初の写真は、これまで紹介して来たのとは別の個体の蛹である。写真の枚数が多くなると必然的にHTMLのタグが多くなり、文字制限に引っ掛かってしまうので、3枚を合成して1枚にした。言うまでもないが、頭は右である。

 一番上が背面、真ん中が腹側、下は横から見た姿。側面に見える黒い突起は気門で、腹部第2節から第7節の各節に1個ずつ合計6個見えている。幼虫では腹部第1節から第8節までの8個の気門があるのだが、蛹では腹節第1節の気門は後翅に隠れて見えない。また、第8節の気門は痕跡的で、3番目の写真に筋状の裂け目として写っている(第8節から第10節の3節は一つに癒合している)。

 腹部より前方に胸部第3~1節があり、第3、2節の側方に広がるのは翅で、後翅(第3節)は前翅(第2節)に隠れて一部しか見えない。幼虫では胸部第1節に気門があるが、蛹では1節と2節の間にあり、背面と側面の写真にそれが見える。

 その前方は当然頭部で、背面からは極く一部しか見えない。しかし、腹面から見ると色々とゴチャゴチャした構造があるのが分かる。


オオタバコガの蛹2


オオタバコガの蛹腹面の拡大.かなりややこしい構造

略号については本文を参照(Lf1は重複)

(写真クリックで拡大表示)

(2010/10/31)

 腹面の前部を拡大してみた。略号は保育社の「原色日本蛾類幼虫図鑑」の図にあるもので、Ant:触角、Cl:頭楯、E:眼、Hs:吸管、L1:前脚、L2:中脚、L3:後脚、Lf1:前腿節、Lp:下唇鬚、Lbは説明がないが多分上唇(labrum)であろう(普通はLbrと略す、Lbiならばlabiumで下唇)。



オオタバコガの蛹3


尾部の拡大.先端の1対の突起は尾突起と呼ばれる

腹部第8節に裂け目状の気門が見える

(写真クリックで拡大表示)

(2010/10/31)

 また、尾端には針状の突起が1対ある。これは尾突起と呼ばれるもので、これで蛹を物体に固着させるのだそうである。

 以上、Web上には蛾類蛹の外部形態に関する情報が少ない様なので、上記図鑑にある図を参考に説明を試みてみた。


オオタバコガ1


羽化した成虫(上の蛹とは別個体).もっと黄色かったと思うのだが

胸部の毛の色など、かなり妙な色に写っている

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/24)

 さて、次は成虫の写真である。これは、これまで3齢を除いて2齢から6齢まで紹介して来た個体が羽化したものである。胴体が太くヤガ科(Noctuidae)らしい格好をしている。タバコガの成虫とよく似ているが、後翅外側(写真では下側)にある黒色帯が幅広く外縁にまで達しているのがオオタバコガで、タバコガではこれが外縁に完全には届かないのが普通であり、更にこの黒色帯の内側に細い筋がある。また、オオタバコガでは、前翅外縁の内側にある暗色帯(亜外縁線)の輪郭がハッキリしないことが多いが、タバコガでは明確でギザギザしている。


オオタバコガの蛹殻


上の成虫の蛹殻.小さな空間を作ってその中で蛹化している

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/24)

 土中に潜った幼虫が何処でどの様にして蛹になったかは確認しなかった。羽化してから分かったことだが、プラスティックのコップの底に小さな空間を作り、その中で蛹になっていた。上の写真は、羽化後にその部分を剥がして撮影したものである。

 コップにはさらさらした粒状の軽い土を入れてあり、その中でこの様な空間を作るのは土が崩れて少し難しいのではないかと云う気がする。終齢幼虫の記事で、食べるのを止めてから「ビチ」もしないで直ぐに土に潜ってしまったと書いたが、或いは、土中でビチをし、その水分を使って、この様な空所を作るのかも知れない。


オオタバコガ2


最初に示した蛹が羽化した成虫.模様が余りハッキリしない

この個体も胸部の色など記憶と違う色になっている

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/26)

 上の写真は、最初に示した蛹が羽化したものである。前翅の模様が余り明確でない。オオタバコガの成虫は、幼虫に劣らず色彩の変異が大きく、斑紋が良く分からない個体も多いが、タバコガでは変異は比較的少ないとのこと。


オオタバコガ3


同一個体を正面から見た図.鼻面に見える一対の

小さな穴のある構造は下唇鬚であろう

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/26)

 オオタバコガは蛹越冬であるが、かなり遅い時期まで活動し、耐寒性が強い。成虫写真の最初の個体は表に出したら直ぐに飛んで行ってしまったし、2番目の個体は、余り動かない様に冷蔵庫に入れて充分「冷やして」から写真を撮ったのだが、外気に出して数分も経たない内に翅を震わせ始め、その1分後には飛んで行ってしまった。そう云う訳で、成虫の写真は充分に撮ることが出来なかった。


オオタバコガ4


オオタバコガの横顔.下唇鬚は飛び出しているので焦点外

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/26)

 成虫写真の最初の個体は10月23日に土に潜り、11月24日の朝には羽化していた。もう既に飛べる状態になっていたところを見ると、23日の晩に羽化したものと思われる。幼虫期は僅かに13日であったが、土中に潜ってから羽化するまでは丁度1ヶ月、31日を要したことになる。もう一方の個体も1日遅れて10月24日に土中に入り、11月25日の朝には羽化してバタ付いていたから、これも土中で同じ時間を過ごしたことになる。尚、土に潜ってから蛹になるまでの日数は不明である。


 以下に、これまでのオオタバコガ成長記録の一覧を示しておく。

  幼虫の齢   掲載日       撮影日       備考
   2齢   2010/11/26   2010/10/12
   3齢   2010/12/01   2010/10/14   他とは別個体
   4齢   2010/12/11   2010/10/14
   5齢   2010/12/15   2010/10/17
   6齢   2011/01/17   2010/10/21








最終更新日  2011.01.31 20:21:06
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2010.11.12
カテゴリ:昆虫(蛾)


 今年の秋は、草木の開花が遅れている。御近所のサザンカは20日近く遅れて今漸く七分咲き程度だし、我が家の「北米原産シオンの1種(紫花)」も例年よりも2週間程遅い今時になってほぼ満開となった。

 この花も虫集め用に植えてあるだけあって、セイタカアワダチソウに劣らず「集虫力」が強い。しかし、今年は時期が遅れたせいで日当たりが悪くなってしまい、今一つ虫の集まりが宜しくない。それでも、何かと虫がやって来る。



イヌビワハマキモドキ(雄)1


「北米原産シオンの1種(紫花)」で吸蜜するイヌビワハマキモドキの雄

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/10)

 先日、そのシオンの花の上に枯葉のカケラの様なものが「付着」しているのに気が付いた。1辺5mm位の三角形をした焦げ茶色の平らなものである。肉眼では何だか良く分からないので、マクロレンズで覗いてみた。・・・すると、何と小さな蛾で、以前、町の奥にある家庭菜園で撮影したことのあるイヌビワハマキモドキChoreutis japonica)であった。ハマキモドキガ科(Choreutidae)ハマキモドキガ亜科(Choreutinae)に属す。大きさは、形を頭を頂点とする2等辺3角形と見なしたとき、頂点から底辺までが約6.5mm、翅長は約5.5mm。


イヌビワハマキモドキ(雄)2


触角には毛が生えているので雄であろう.動くときは瞬間的に移動する

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/10)

 上の写真で明らかな様に、触角には沢山の毛が生えている。以前撮影したイヌビワハマキモドキの触角にはこの様な毛は認められなかった。触角が発達するのは雄と決まっているから、此の個体は雄で、以前撮影したのは雌であろう。

 昨年の秋、同じハマキモドキ亜科だが属の異なるゴボウハマキモドキを紹介した。属は違うが動き方は実によく似ている。ゆっくりと歩いたり体を傾けたりすることはなく、瞬間的にツッ、ツツッと移動する。体を傾けたり、何かに驚いて頭を持ち上げたりする時も同様である。


イヌビワハマキモドキ(雄)3


前から見たイヌビワハマキモドキ

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/10)

 この個体を撮影する2週間程前、やはりイヌビワハマキモドキを我が家で見かけた。この時は、1枚も撮る閑無く逃げられてしまったが、ヒョッとすると、同一個体かも知れない。と云うのは、今日の写真の個体はかなり色が褪せているからである。胸部は剥げていないから、スレ(擦れ)ているのではない。色が褪せているのは、羽化後時間が経っているからではないだろうか。

 勿論、同じ頃に発生した個体が来たのなら、別個体でも色は同様に褪せているだろうから、これは、まァ、非常に乱暴な憶測ではある。


イヌビワハマキモドキ(雄)4


イヌビワハマキモドキ(雄)の触角.毛の生え方は非常に複雑

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/10)

 ゴボウハマキモドキの時もそうであったが、吸蜜する時に逆立ちに近い格好をする。小型の蛾で口吻が余り長くない場合は、そうしないと口が蜜線に届かないのかも知れない。

 マクロ撮影する場合は、殆どストロボ同期で撮影する。ストロボの光はカメラの上の方から来るから、頭が下だと顔が影に隠れてしまい、写真としては使い物にならなくなってしまうことが多い。逆立ちをする虫は結構多いが、撮る方にとっては何とも困った習性である。


イヌビワハマキモドキ(雄)5


イヌビワハマキモドキの横顔.口の下から前上方に伸びているのは下唇鬚

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/10)

 保育社の「原色日本蛾類図鑑」に拠れば、イヌビワハマキモドキの「幼虫はイヌビワやホソバイヌビワの葉面にいる」と書かれている。これらの植物は「ビワ」と名が付いても、所属はバラ科ビワ属ではなく、クワ科イチジク属である。同図鑑には「イチジクには未だ見ない」とあるから、食性はかなり狭いらしい。

 イヌビワやその変種であるホソバイヌビワは何れも南方系の植物で、分布は関東以西とされているが、この辺り(東京都世田谷区西部)では余り見ない。しかし、我が町には戦前から庭をその儘にしていると思われる御宅が所々にあり、その様な御宅などに自然発生的に生えていることがある。そう云う場所のイヌビワからこのイヌビワハマキモドキが発生しているのであろう。


イヌビワハマキモドキ(雄)6


逆立ちに近い格好で吸蜜することが多い

(写真クリックで拡大表示)

(2010/11/10)

 最初の方で、「以前、町の奥にある家庭菜園で撮影したこと」があると書いた。この時の個体は非常に新鮮で色鮮やかであった。直ぐに逃げられてしまい、写真は同じ様なのが2枚しかないが、興味のある読者諸氏は此方をどうぞ。








最終更新日  2010.11.12 19:32:32
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2010.09.10
カテゴリ:昆虫(蛾)


 一昨日帰朝した。丁度3ヶ月間日本を離れていたことになる。

 大雨の中の着陸で、都内に行くバスを待っている時には、時々管制塔の上部が雲の隠れて見えなくなるほど雲底が下がっていた。聞くところに拠れば、東京(日本)はこの夏は猛暑が続き、この雨で漸く涼しくなったとのこと。強雨ではあったが、恵みの雨でもあったらしい。

 さて、帰朝後の第1回目は、タケノホソクロバ(Artona martini)の雌。マダラガ科(Zygaenidae)クロマダラ亜科(Procridinae)に属す。全長は15~7mm位。幼虫の方は以前紹介したことがあるが、黄色い毛虫で、毛は少ないが毒針毛を持っているとのこと。



タケノホソクロバ(雌)1


タケノホソクロバ(雌).ササの葉の上を忙しく歩き回っていた

青味が強く写っているが、実際はもっと茶色っぽい

(写真クリックで拡大表示)

(2010/09/09)

 実を言うと、この蛾が本当にタケノホソクロバか否か、形態的には全然確信がない。大体に於いて、このマダラガ科の属への検索法が分からないのだからArtona属なのか否かも定かではない。かなりスレた個体だし、翅脈も良く見えない。しかし、以前幼虫を撮影した時に付いていたササの葉に御執心であったこと(場所も同じ)と、時期的に他の可能性が殆ど無いことから、消去法でタケノホソクロバと判断した。

 かなり以前に紹介した我が家最大の害虫、ウメスカシクロバに大きさや外観が良く似ている。しかし、これはもっと青味が強く、翅の透明度が高いし、我が家での発生時期は6月である。上の写真ではかなり青味が強く写っているが、これは多分構造色、実際の色はもっと茶色っぽく、下の写真に近い。翅の透明感は殆ど感じられなかった。また、ウメスカシクロバは何とも頼りない蛾で動も緩慢だが、今日の蛾は元気一杯、忙しなく歩き回る。こう云う点でもウメスカシクロバとはかなり異なっていた。


タケノホソクロバ(雌)2


クリスマスローズの葉の上に逃げたタケノホソクロバ

(写真クリックで拡大表示)

(2010/09/09)

 此処では、学名その他の分類学的な位置付けは「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に従った。東京都本土部昆虫目録でも学名はArtona martiniとなっている。しかし、「幼虫図鑑」や九州大学の日本産昆虫目録ではBalataea funeralis、保育社の古い蛾類図鑑を見るとArtona funeralisとされている。この辺りの事情について、私は判断する情報を、残念ながら、全く持っていない。








最終更新日  2010.09.10 13:48:18
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2009.12.01
カテゴリ:昆虫(蛾)


 今日は前々回(エゾギクキンウワバの幼虫(終齢))に引き続き、エゾギクキンウワバ(Ctenoplusia albostriata:ヤガ科キンウワバ亜科)のその後を紹介する。

 先ずは繭の写真から。



エゾギクキンウワバの繭


エゾギクキンウワバの繭.中の前蛹は黒化して死んでいる

(写真クリックで拡大表示)

(2009/11/05)

 前編にも書いた様に、最初に蛹化した個体は蛹化せずに前蛹の状態で黒化して死んでしまった。飼育した残りの2頭の内、1頭は紙と葉の間に繭を作ったので繭の写真としては適切とは言い難く、また、残りの1頭は飼育箱の本体と蓋の間に繭を紡いだので繭を壊さないと蓋が空けられない。仕方なく、此処では蛹化せずに死んだ一番最初の繭の写真を出すことにした。中に見える黒いものは死んだ前蛹である。蛹は下に示す様に全体真っ黒ではない。


エゾギクキンウワバの蛹


エゾギクキンウワバの蛹.蛹化直後は黄緑色をしているが

写真の蛹は羽化の前日で褐色になっている

上は背側から見たもの、下は横から

(蛹の左右が入れ替わっている)

(写真クリックで拡大表示)

(2009/11/26)

 上の写真は、前編で紹介した蛹化直前の太った幼虫が蛹化したものである。羽化の前日で茶色を帯びているが、蛹化直後は綺麗な黄緑色をしていた。黒い部分の拡がりには、個体による変異がかなりある。


エゾギクキンウワバ1


上の蛹が羽化した.体長は15mm程度、かなり小さい蛾である

(写真クリックで拡大表示)

(2009/11/27)

 この蛹から羽化したのが上の個体、体長15mm程度(開張約30mm)のかなり小さい蛾である。前翅の中程に白条があり、側縁(写真では後縁)は波打っている。エゾギクキンウワバの典型的な形と言える。写真の白条の下には、瓢箪池を上空から眺めた様な紋があるのだが、この写真では些か不明瞭である。


エゾギクキンウワバ2


別個体.前翅中程の白条が黒条になっている.飼育箱の中で暴れて

鱗粉がかなり剥がれてしまっている

(写真クリックで拡大表示)

(2009/11/20)

 中には上の個体の様に、白条が黒条になっているものもある。これは最初に羽化した個体で、夜中に飼育箱の中で暴れたらしく、既にかなり鱗粉が剥がれてしまっている。「黒条」の右下に「瓢箪池を上空から眺めた様な紋」が見える。

 この個体では眼の色がかなり黒いが、先の個体では薄い茶色をしていた。Web上にあるエゾギクキンウワバの写真を色々見てみたが、前翅に黒条の持つ個体は眼が黒く、白条を持つものでは眼が薄茶色、と云う関連は認められなかった。


エゾギクキンウワバ3


翅を拡げたエゾギクキンウワバ

(写真クリックで拡大表示)

(2009/11/27)

 昼行性の蝶は朝に羽化するのが普通の様だが、夜行性の蛾は午後になってから羽化するものらしい。まだ明るい内はジッとしており、暗くなって来ると夜空に飛び出す。

 上の写真はまだ明るい内に無理矢理三つ葉の葉の上に載せて写真を撮ったものである。少しいやがって翅を拡げている。こう云う翅の状態は蛾にとって気持ちが良くないらしくこの後直ぐに飛び出したが、近くに留まったのでまた元に戻して撮ったのが下の写真。


エゾギクキンウワバ4


エゾギクキンウワバの留まり方.右が一番自然な状態らしい

(写真クリックで拡大表示)

(2009/11/27)

 左の状態から次第に翅を寄せて右の様に変化した。この右の形が一番自然な状態らしい。このままずっと暗くなるまでジッとしていたが、既に暗くなった6時頃見に行くともう居なかった。


エゾギクキンウワバ5


正面から見たエゾギクキンウワバ

(写真クリックで拡大表示)

(2009/11/27)

 正面から見ると上の写真の如し。キンウワバ亜科の蛾は、胸背に長い毛の束を持つのが特徴である。


エゾギクキンウワバ6


斜めから見たエゾギクキンウワバ

(写真クリックで拡大表示)

(2009/11/27)

 斜めから見た写真も載せておく。


エゾギクキンウワバの鱗粉1


胸背と腹部に長い毛の固まりがある.色々な形をした鱗粉や毛が見える

(写真クリックで拡大表示)

(2009/11/27)

 キンウワバ亜科の蛾の胸背には長い毛の束がある、と書いたが、腹部にもかなり長い毛の集まりが2つある。それらの部分を拡大したのが上の写真。

 写真左上に1本、胸背から抜けかかった毛が見える。先端は普通の鱗粉の様な形をしており、それに長い毛が柄として付いている。これを見ると鱗粉は毛の変形と云うことが良く分かる。


エゾギクキンウワバの鱗粉2


ストロボの反射で光るエゾギクキンウワバの鱗粉

(写真クリックで拡大表示)

(2009/11/27)

 ついでにもう少し後の方も拡大してみた。ストロボの反射で鱗粉が光っているのだが、何か師走の町の飾りのようにも見える。蛾の生態写真としての意味は余りないが、一寸面白いと思ったので、オマケとして載せておくことにした。








最終更新日  2009.12.01 15:47:40
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2009.10.21
カテゴリ:昆虫(蛾)


 数日前の朝、「北米原産シオンの1種(紫花)」に茶色っぽい小さな生き物が居るのに気が付いた。ツッ、ツツッと小刻みに素早く移動する。ネコハエトリか何かの幼体かと思って良く見ると、何と、小さな蛾であった。



ゴボウハマキモドキ1


ゴボウハマキモドキ.翅端まで僅か5mmの小蛾

(写真クリックで拡大表示)

(2009/10/17)

 此の蛾、翅端まで5mmと小さいが、一寸した訳があってその名前を知っていた。ハマキモドキガ科のゴボウハマキモドキ(Tebenna micalis)である。前翅に光を反射して銀色に光る部分が幾つかあって、小さいながらも特徴のある昼行性の蛾である。


ゴボウハマキモドキ2


吸蜜中のゴボウハマキモドキ

(写真クリックで拡大表示)

(2009/10/17)

 此の蛾、昨年の秋に近くにある世田谷区の家庭菜園で撮影したことがある。しかし、その時は種類を調べる時間が無く、その儘放置しておいた。今年の夏近くなって、写真の整理をしていたとき、漸く種類を調べる気になり、ゴボウハマキモドキであることが分かったのである。ハマキガ科かと思って探したのだが、ハマキモドキガ科であった。


ゴボウハマキモドキ3


逆立ちに近い格好で吸蜜することが多い

(写真クリックで拡大表示)

(2009/10/17)

 名前の通りゴボウの葉を食べるので、ゴボウの害虫として知られているとのこと。しかし、ゴボウばかりでなく種々のキク科植物に寄生し、特にアザミに多いらしい。この辺りにはゴボウは生えていないし栽培もされてもいないが、アザミはかなり生えているので、そう言う所で発生しているのかも知れない。

 ハマキガ科幼虫には名前の通り食草の葉を綴って中に潜むものが多い。しかし、図鑑に拠ると、本種の幼虫はゴボウの葉面に糸を張って葉肉を食して片面の表皮を残す、と書いてある。「モドキ」と付くからではないが、葉は巻かないらしい。


ゴボウハマキモドキ4


ゴボウハマキモドキの顔.真っ正面からは撮っていない

(写真クリックで拡大表示)

(2009/10/17)

 前翅の光を反射する部分の配置には個体差がある。上向きに留まった状態で、上に丸い半円状に分布する事が多い様で、世田谷区の家庭菜園で撮影した個体(未掲載)はそうなっていたが、此処に示した個体では光を反射する斑紋の数が少なく明確な半円形を成しては居ない。


ゴボウハマキモドキ5


ゴボウハマキモドキは前翅の間から後翅が見える様な

翅の畳み方をすることが多い

(写真クリックで拡大表示)

(2009/10/17)



ゴボウハマキモドキ6


同じ様な写真だが、オマケにもう一枚

(写真クリックで拡大表示)

(2009/10/17)

 Web上にはゴボウハマキモドキの写真が余り多くないので、少し多目に貼って置いた。拡大するとかなり荒れた感じに見えるが、これは荒れているのではなく、蛾が小さい(翅端まで5mm)ので鱗粉が一つひとつ見えているからである。








最終更新日  2009.10.21 12:26:30
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2009.09.24
カテゴリ:昆虫(蛾)


 先日掲載した「シャチホコガの幼虫(終齢)」はそのまま無事蛹化し、18日後に羽化した。しかし、夜行性の蛾なので、昼行性の蝶とは異なり、真夜中に羽化したらしい。朝気が付いたときにはかなり暴れた後があり、既に翅も傷んでいた。残念!!

 飼育箱の壁に未受精卵を15個余り産んでいたところを見ると、相当な恐慌状態に陥ったものと思われる。しかし、朝見たときには大人しくなっており、壁に張り付いてジッとしていた。

 その羽化した成虫を紹介する前に、先ず蛹化したところの写真から載せることにする。



シャチホコガの繭1


中にシャチホコガの繭がある.葉はコナラ

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/07)

 何枚も敷いたコナラの葉の一番底の方で蛹化していた。2枚のコナラの葉がピッタリくっ付いている。繭はその間にあるが、葉を剥がさない限り全く見えない。


シャチホコガの繭2


上の葉の一枚を剥いだところ.薄い繭と黒い蛹が見える

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/07)

 一方の葉を剥がすと、上の写真の如し。薄いが非常に繊細な繭があり、その中にコロコロした真っ黒な蛹が見える。


羽化後のシャチホコガの繭


羽化した後の蛹殻と蛹になるときの脱皮殻

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/22)

 次の写真は羽化後の繭を剥がしたところ。あの奇怪な幼虫の脱皮殻も当然一緒に入っている。蛹殻の頭の部分はかなり離れた所に落ちていた。羽化後、殻を頭に載せたまま移動したのだろうか。


羽化したシャチホコガ


羽化したシャチホコガ(雌).飼育箱の中で暴れたらしく

翅が相当に傷んでいる.開張は4~5cm

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/19)

 さて、次はシャチホコガ(Stauropus fagi persimilis:シャチホコガ科)成虫の写真。羽化したばかりの蝶を撮るときの様に木の葉に掴まらせたのだが、御覧の様に全く無様な格好。本来、此の手の蛾はこう言う留まり方をしないので、不自然な形である。蛾の方も落ち着かないらしく、歩き回ったり飛んだりして、写真を撮るのに苦労した。

 開張は計っていないが、図鑑に拠ると50~60mm、やや大きめの蛾である。触角は糸状なので、この個体は雌、雄の触角は羽毛状になる。

 左前翅の先端付近が折れている。相当酷く飼育箱の中で暴れたものとみえる。

 翅の色合いは非常に微妙である。拡大してみると分かるが、様々な色の毛が混じっている。全体としては、緑、青、黄が混ざった様な表現の難しい色で、上の写真ではストロボの反射もあり、少し色が青みがかって見える。


シャチホコガ1


ハナモモの幹にしがみ付くシャチホコガ

後翅が前翅の横にはみ出している

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/19)

 木の葉に掴まるのは苦手らしいので、今度はハナモモの幹に留まらせてみた。吸い付く様にピタッと張り付き、そのまま微動だにしなかった。やはり、こう言う平らに近いものに張り付くのがこの手の蛾の本来の留まり方の様である。

 蛾がこの様な留り方をする場合、普通は後翅は前翅に隠れて殆ど、或いは、全く見えない。しかし、シャチホコガの場合は、この写真の様に、後翅を少し前方に引き上げ、前翅の横から後翅がはみ出る様な形で留まるのが「正しい留まり方」らしい。


シャチホコガ2


横から見たシャチホコガ.ピッタリと張り付いている

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/19)

 横から見ると、上の写真の如し。ピッタリと張り付いているのが分かるであろう。


シャチホコガ3


反対側.様々な色の毛が混ざっている

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/19)

 反対側から、もう少し近づいて撮ってみた。毛の色に微妙な違いがあるのが分かる。


シャチホコガ4


シャチホコガの背面.毛でモコモコ

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/19)

 頭部、胸部を背面から見ると、随分毛深く、モコモコしている。


シャチホコガ5


前から見ると結構可愛い

(写真クリックで拡大表示)

(2009/09/19)

 最後に略正面から。位置の関係で、真正面からは撮れなかった。夜行性の蛾なので、明るい間は動かないのが基本なのであろう。如何にも、夜になるまでジッと待っていると言う感じ。この写真を撮ったのは朝の8時半頃だが、実際、このまま夜になり暗くて見えなくなるまで全く動かなかった。

 次の日の朝見てみると、やはり夜になってから活動したらしい、その姿はもう何処にも見当たらなかった。








最終更新日  2009.09.24 13:33:43
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2009.07.18
カテゴリ:昆虫(蛾)


 先日、日本以外では記録がないのに原産地不明の帰化種とされているウスグモスズ(多分)の若齢幼虫を紹介したが、今日はまだ正体が不明でもっとドロドロした状況にある虫を紹介する。

 まだジトジトと雨の降っていた頃のことである。雨水の溜まったシジミバナの葉上に、黄土色に暗色の紋を持つ体長1cm位の小蛾が留まっていた。こういう小さな蛾は種類の判定が大変なので、本当は余り撮りたくない。しかし、紋がかなり特徴的なので比較的楽に種を調べられるかも知れないと思い、撮影することにした。位置の関係で真横や真っ正面からは撮れなかったが、それでも、種の判別に役立つ写真は、まァ、何とか撮ることが出来た。


キバガ上科の不明種1
キバガ上科の未記載種。所属科不明

(2009/06/21)



 口の辺りから反り返った牙の様なものが伸びており、頭の上にまで達している。これは口器の一部で下唇鬚と呼ばれる構造である。1種の感覚器とされている。小蛾類や、比較的大きな蛾ではアツバ類(例えばタイワンキシタアツバ)にこの下唇鬚が発達しているが、これだけ極端に反り返るのはキバガ類(キバガ上科)であろう。

 まず、手元の図鑑でキバガ科とその前後を調べてみた。しかし、該当するものはない。我が家の図鑑は随分古い代物で、小蛾類の分類はその後大きく変わっているから、この図鑑に載っていなくてもおかしくはない。其処で、次は「みんなで作る日本産蛾類図鑑」の御世話になることと相成る。キバガ上科に属す種々の科を全部調べてみたが、やはり何処にも見当たらない。マルハキバガ科のカレハチビマルハキバガにかなり似ているが、この種は「図鑑」に載っているどの個体も頭部が全て暗色であるのに対し、写真の蛾では額は白く、下唇鬚や頭頂付近は黄褐色をしている。また、翅の斑紋も異なる。とても個体変異の範囲に入るとは思えない。

キバガ上科の不明種2
キバガ類では下唇鬚が発達し牙の様に反り返る

(2009/06/21)



 其処で「新・蛾像掲示板」に御伺いを立てようかと思ったのだが、その前にもう一度「みんなで・・・図鑑」を見てみることにした。そのトップ・ページを開いた時、今まで気の付かなかった「キバガ上科?難解蛾像保管庫」と言う文字が目に入った。早速その中を開いてみると・・・、あった。平成16年(2004年)の6月から問題になっていた蛾であった。少なくともキバガ上科に属すことは確かと思われるが、その下の科に落ちないのだと言う。検索表で科に落ちない、とは一体どういう事か??

 「掲示板」で問題になっていたのは平成16、17年、今は平成21年だから5年の間に何らかの進捗があってもおかしくはない。そこで、その旨の御伺いを「掲示板」に立ててみた。早速、Tamagaro氏から御回答を頂いた。新種であることは確実だが、所属等に関してその後の進歩は全く無いとのこと。

キバガ上科の不明種3
下唇鬚が頭の上に達しているのが分かる

(2009/06/21)



 こちとらは蛾の大分類に関して余り知識を持たないが、キバガ上科と言うのは、ヤガ上科と並んでかなり世界的に議論のあるグループらしい。この蛾が科に落ちないのであれば、新科を作るか、検索表を書き換える必要があろう。何れにしても、キバガ上科全体をシッカリ調べなければ出来ない大仕事である。しかも、キバガ上科自体の議論がまだ煮詰まっていないと言うのだから、その論争の中に飛び込むか、或いは、纏まるまで待つ他、この蛾の位置を決めることは難しいであろう。この蛾に付いて何らの進捗もないのは、そのせいかも知れない(分類学者の不足が第一の要因ではあろうが・・・)。

 この蛾は最初熱海で発見され、他に沖縄本島にも産し、現在東京付近では各地で普通となっているらしい。世田谷区西部に位置する我が家の周辺でもよく見かける。都市部で所属の分からない未記載種が急に沢山現れたと言うのは、ウスグモスズの場合と同じである。このキバガ上科の未記載種も、原産地不明の帰化種とされる可能性が高い。








最終更新日  2009.07.23 07:04:04
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2009.07.07
カテゴリ:昆虫(蛾)


 先日、コナラの葉裏を調べていたら、長さ1cm強の三角形をした蛾が留まっているのが見えた。少し高い所におり、シルエットになっていて輪郭しか分からない。しかし、今頃この形の蛾、チャドクガの成虫に違いない。

 早速カメラを持って来て撮ってみた(下の写真)。チャドクガの雄であった。


チャドクガ(雄)1
コナラの葉裏に留まっていたチャドクガの雄.翅の大部分は焦げ茶色

雌よりも2周り位小型.右の翅がすこし切れている

(2009/07/02)



 右の翅が切れた様になっている。羽化するときに何か障害物があって、翅が折り畳まれたのかと思ったが、写真を拡大してみると、スッパリと刃物で切った様な格好。余り掲載するに相応しくないが、今頃はチャドクガの羽化の季節であり、読者諸氏に注意を喚起する意味もあろうかと思い載せることにした。

 以前、チャドクガの雌を紹介した。この時はすっかり忘れていたのだが、チャドクガの雄は雌とは少し違った姿をしている。雌よりも小型(雄:開張25mm前後、雌:30mm前後)で、一般に、雌は全体的に黄色が強いのに対し、雄では翅の大部分と胸部は濃い焦げ茶色をしており、翅の輪郭と頭や脚だけが黄色である。しかし、色々なサイトを拝見すると、黄色同士や焦げ茶色同士で交尾している写真もあり、かなり色の変化があるらしい。この様な色では良く分からない場合でも、常に一方は小型である。これが雄である。

チャドクガ(雄)2
2年前に撮ったチャドクガの雄.やはり色が濃く小型

前脚、中脚を独特の格好で伸ばして留まる

(2007/06/23)



 正面や横からの写真も撮ろうと思ったが、位置が高くて手が届かない。そこで、鋏を持って来て留まっている枝の根元を切ったら、そのショックで蛾は逃げてしまった。

 久しぶりにチャドクガの雄を見た。すると、記憶の構造と言うものは面白いもので、一昨年にやはり雄の写真を撮ったことがあるのを思い出した。上の写真である。

チャドクガ(雄)3
チャドクガ雄の顔.毛深い.一見眼の様に見えるのは単眼かと思ったが

触角の基部らしい。翅から伸びているのは鱗片で毒針毛ではない

(2007/06/23)



 同じ個体を斜め前から撮った写真を上に示す。毛深くて複眼の在処が分かり難いが、触角の付根の下にある黒っぽいのが複眼である。鱗翅目(蛾、蝶)の成虫は頭頂の複眼寄りに2個1対の単眼を持つ。一見1対の眼の様に見えるのは、その単眼かとも思ったが、どうやら触角の基部らしい[追記参照のこと]。
 翅から多くの紐状の構造が出ているが、これは鱗片であり、毒針毛ではない。成虫自体には毒針毛はない。幼虫が繭に付けた毒針毛を羽化時に付けて来るだけである。飛んでいる間にかなり脱落するのではないかと思われる。

 上の写真を撮った直ぐ後、この個体は飛んで逃げた。しかし、些か不器用なヤツで、逃げるときに私の顔に激突した。ドクガが顔に当たったのだから、これはかなりマズかったのではないかと思うが、その後どうしたか余り記憶にない。多分、大したことはなかったのだと思う。


[追記]当初、チャドクガ顔写真の一見眼の様に見える部分は単眼かも知れないと思いその様に書いたが、蛾に詳しいAcleris氏より、チャドクガの単眼は退化しており、眼のように見えるのは触角基部の膜質部であろう、とのコメントを賜った。氏は実際に御手持ちのチャドクガ標本の毛を削って調べられたとのこと。御手数をかけ眞に恐縮千万。
 氏の御意見に従い、本文を訂正した。Acleris氏には貴重な情報を賜り、此処に厚く御礼申し上げる。








最終更新日  2009.07.10 09:10:02
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2008.12.16
カテゴリ:昆虫(蛾)


 もう木々の葉も殆ど落ち、陽の射す暖かい日に飛んでいる虫も、ホソヒラタアブクロヒラタアブ位になってしまった。

 ・・・と思っていたら、先日トリバが1頭ヨロヨロと飛んで来た。別に寒さで弱ってヨロヨロしているのではない。トリバの翅は、何故か余り飛行に向いていない構造をしているので、ヨロヨロとしか飛べないのである。今年は外庭のヤブガラシを放置したせいか、ブドウトリバ(葡萄鳥羽)が多い。しかし、今頃まだ生きているのだろうか。それとも別のトリバか。


ブドウトリバ1
越冬中のブドウトリバ.これでも蛾の1種

開張は約1.5cm(2008/12/13)



 データをコムピュータに移して詳しく見てみると、やはりブドウトリバ(Nippoptilia vitis)であった。少し意外であったので、Internetでブドウトリバの越冬形態を調べてみると、何と、成虫越冬するとのこと。
 ブドウトリバはトリバガ科に属す。この科の蛾の越冬形を図鑑その他で調べてみると、何も書かれていない種類の方がずっと多い。しかし、記載のある場合は全て成虫越冬であった。この仲間は成虫越冬が一般的なのかも知れない。

ブドウトリバ2
翅後端の羽毛状の部分.色々な太さ長さの「羽毛」がある

(2008/12/13)



 ブドウトリバはこの秋に掲載済みである。しかし、その時は全体に焦点を合わせる為に絞り込んで撮ったので、高解像度は高くなかった。其処で、今回は解像力を少し上げて(絞りを開く)翅の後縁にある羽毛状の部分を撮ってみた。

 一言で「羽毛状の翅」と言っても、部分によりかなり太さや長さに差があるのが認められる。しかし、まだこの程度ではまだ解像力が足らない。そこで、もう一度更に絞りを空けて撮ろうと思ったら、トリバ君、身の危険を感じたらしく、またヨロヨロと飛んで、木々の枝の間に逃げ込んでしまった。

ブドウトリバ3
ブドウトリバの頭部と胸部.まるで鎧を着ている様

(2008/12/13)



 トリバは飛翔力の無い蛾である。屹度、このブドウトリバもこの辺り、と言うか、我が家の庭で越冬するのだろう。ヒョッとすると、春までにまた会えるかも知れない。








最終更新日  2008.12.16 12:37:02
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