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我が家の庭の生き物たち (都内の小さな庭で)

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昆虫(甲虫)

2016.07.07
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カテゴリ:昆虫(甲虫)
 今回も、前回と同じく、4年前の6月に撮影した虫を紹介する。
 虫屋の大敵、ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)である。この虫、この辺りでは春に咲くハルジオン等の花に良く見られるが、今日紹介するのはイタリアンパセリの花に来たものである。


ヒメマルカツオブシムシ1

ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci
イタリアンパセリの花の上に16頭も居る
(写真クリックで拡大表示)
(2012/06/08)

 前年に植えたイタリアンパセリが年を越して開花し、それに集っていた。もう紹介済みだと思っていたのだが(実は別のWeblogであった)、余りに沢山来ているので、つい写真を撮ってしまった。上の写真中に16頭も居る。


ヒメマルカツオブシムシ2

ヒメマルカツオブシムシ.触角がぼけている
(写真クリックで拡大表示)
(2012/06/08)

 体長は2.5mm前後、色や触角の形状は異なるが、体の輪郭はルリマルノミハムシに似ている。ルリマルノミハムシの方が少し大きい。
 保育社の「原色日本甲虫図鑑III」に拠れば、体長は2.0から3.2mm、個体差が大きい。これは、一枚目の写真を見ても良く分かる。この手の虫は、餌が少なくても途中で死なないで何とか成虫になる様で、それで幼虫時の栄養状態によって大きさに大差が出る。


ヒメマルカツオブシムシ3

ヒメマルカツオブシムシ.色がかなり違う
(写真クリックで拡大表示)
(2012/06/08)

 カツオブシムシ科(Dermestidae)、マルカツオブシムシ属(Anthrenus)に属す。上科については、上記図鑑ではカツオブシムシ上科(Dermestoidea)となっているが、どうも現在ではナガシンクイムシ上科(Bostrichoidea)に入れるのが普通らしい。この上科には、以前紹介した我が家の大害虫ジンサンシバンムシが属すシバンムシ科(Anobiidae)、乾燥標本を食害するその名もヒョウホンムシ科等、乾燥動植物や木材の大害虫がゴロゴロしている。


ヒメマルカツオブシムシ4

横から見たヒメマルカツオブシムシ
(写真クリックで拡大表示)
(2012/06/08)

 この手の屋内害虫に付いては、別のWeblogで少し詳しく書いたので、興味のある方は此方をどうぞ。






最終更新日  2016.07.07 17:52:30
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2016.06.29
カテゴリ:昆虫(甲虫)
 4年以上掲載をサボっていたが、ネタが切れて掲載出来なくなった訳ではない。「写真倉庫」の中には、出番を待っている写真が山ほど詰まっているのである。今日はその中から、ほぼ丁度4年前の2012年6月23日に撮影した、キスジトラカミキリ(Cyrtoclytus caproides)を紹介する。
 体長は約17mm、トラカミキリとしては中位の大きさである。


キスジトラカミキリ1

キスジトラカミキリ(Cyrtoclytus caproides
(写真クリックで拡大表示)
(2012/06/23)

 我が家のクチナシの上に留まっていた。実は、我が家だけでなく、この辺りでキスジトラカミキリを見たのはこれが初めてだと思う。これまで我が家で記録のあるトラカミキリと云えば、タケトラとエグリトラ位なもので、トラカミキリ類の記録は少ない。しかも、エグリトラは、子供の頃はかなり普通であったが、私がこの家に戻ってきてからは一度も見ていない。


キスジトラカミキリ2

斜め上から見たキスジトラカミキリ
(写真クリックで拡大表示)
(2012/06/23)

 尤も、我が家から2町ほど北へ行った角にあるクワの木に、トラカミキリとしては大型のトラフカミキリ(只の「トラカミキリ」とも呼ばれる、クワの害虫として有名)が毎年発生していたり、家にブドウ棚の有る同じ町内に住む友人は、毎年庭でブドウトラカミキリ(葡萄の害虫だが、かなりの美形)を採集していた。
 また、トラカミキリではないが、かつて方々に植えられていたイチジクの木には、シロスジカミキリ、ゴマダラカミキリ、キボシカミキリ、クワカミキリ等がよく見られた(何れのカミキリも広食性だが、イチジクをかなり好む)。特定の樹種のある所に行けばそれなりのカミキリムシが居る様である。しかし、我が家にはそれらの「特定の樹種」がない。


キスジトラカミキリ3

横から見たキスジトラカミキリ
(写真クリックで拡大表示)
(2012/06/23)

 調べて見ると、キスジトラカミキリの幼虫は、特定の樹種ではなく、ケヤキ、サクラ、カキ、コナラ、カバノキ類等、様々な樹種の伐採木を食すとのこと。庭の広かった改築前の家では、毎年2回植木の手入れをして、切った枝は風呂の燃料として庭の隅に束ねて山積みにしていた。そこから発生する可能性もあったと思うが、見た記憶はない。或いは、只忘れているだけなのかも知れないし、枝の太さがカミキリの好みでなかった可能性も高い(これが重要)。


キスジトラカミキリ4

反対側
(写真クリックで拡大表示)
(2012/06/23)

 トラカミキリ類は、カミキリムシとしては触角が短く、動作も機敏で、一種独特の余りカミキリムシらしくない雰囲気を持つ。黒っぽい体に黄色の横縞が有る種が多いので「虎」カミキリなのであろう。一見似た様な種類が多いが、良く見ると、それぞれの種で模様が結構違うので、一般に判別は容易である。


キスジトラカミキリ5

キスジトラカミキリの顔
(写真クリックで拡大表示)
(2012/06/23)

 トラカミキリ類は、模様がある種のハチ類に多少似ているので、よくハチを擬態していると言われる。しかし、子供の頃にハチばかり採集していた私には、ハチに似ているとは思えない。
 擬態と言うのは、その捕食者をかなり擬人化した解釈であり、全部を否定はしないが、かなり怪しい概念だと思う。人間から見て似ていると感じられるだけで、捕食者と人間では、見える光の波長も違うであろうし、どの様に見えているのか分からないではないか。






最終更新日  2016.06.30 10:28:51
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2011.08.11
カテゴリ:昆虫(甲虫)


 このWeblogは「我が家のの・・・」なのだが、今日は「我が家」の生き物を紹介する。ジンサンシバンムシ(Stegobium paniceum)、屋内害虫の1種で、保育社の甲虫図鑑には「乾燥貯蔵動植物質の世界的大害虫」と書かれている。

 シバンムシ科(Anobiidae)シバンムシ亜科(Anobiinae)に属す、体長1.7~3.0mm(同図鑑に拠る)の小さな甲虫である。世界中に分布する大害虫であるにも拘わらず、Web上に精緻な写真がない様なので、掲載することにした。



ジンサンシバンムシ1


ジンサンシバンムシ.この個体の体長は約2.7mm

写真は何れもコントラストをやや強くしてある

冷蔵庫で充分冷やしてから撮影

(写真クリックで拡大表示)

(2011/08/10)

 此奴、実際に大変な害虫で、我が家に於ける被害は、金額的にも相当な額に達するであろう。

 兎に角、食物スペクトルが広く何でも喰う。退治しようにも発生源を突き止めるのが容易でないのである。また、我が家の様に外国の食料サンプルを沢山貯蔵してある所では、複数個所から発生しているのが普通らしく、大発生している場所を見つけて退治しても、他の場所でも発生しているから、未だに根絶出来ない。全く困った虫である。

 因みに、かなり以前に東南アジアから買って来た干メンにコクゾウムシの1種が付いていて、かなり我が家で繁殖したことがあるが、これは穀類かその加工品しか食害しないので、簡単に退治することが出来た。


ジンサンシバンムシ2


ジンサンシバンムシの腹側.常温に戻って暴れているところ

図鑑に拠れば、「前胸腹板突起は短く三角形」とある

矢印の部分が前胸腹板突起で確かに短く三角形

(写真クリックで拡大表示)

(2011/08/10)

 ソモソモ、このジンサンシバンムシが我が家に入って来たのは、今から20年程前のこと、ある大先輩に頼んでカルカッタから買って来て頂いたアサフェティダ(asafoetida、assafoetida、asafetida)と云う1種の香辛料に卵が付いていたのである。

 アサフェティダは、Ferula assafoetidaを主とするセリ科植物の根元から採ったヤニ(樹脂)で、硫黄を思わせる強い異臭を持つが、インドやその近くの国では、これを野菜、特に豆のカレーに極く少量入れるのである。純粋なものは非常に高価で、インドでは固まりではなく、細粉にし乳糖か何かで10倍位?に薄めて缶入にしたものが一般的である。最近はInternetでも売られているが、これも同様であろう。

 記憶に拠れば、頂いたのは7×3×2cm位の純粋なヤニの固まり、恐らく1000ルピー(1ルピーで野菜カレーが腹一杯食える)以上はしたと思われる。これを2つに割り、一つを砕いて料理用とし、こんな大きな固まりは珍しいので、残りの半分をサンプルとして保存して置いたのである。このサンプルの方からシバンムシが発生した。サンプルは結果的に穴だらけの火山岩の様になってしまった。


ジンサンシバンムシ3


少し斜め前から撮ったジンサンシバンムシ

(写真クリックで拡大表示)

(2011/08/10)

 我が家で被害にあっているのは主に干メン類(蕎麦、うどん、素麺、スパゲッティ、米から作った干メン等)である。今まで30kg位は処分したと思う。しかし、記憶に拠れば、紫菜(支那式の岩海苔の干物)、干し椎茸、ダール(印度式の干豆、レンズ豆、ヒヨコ豆等)、小麦粉、東南アジアの黒砂糖と椰子砂糖、その他「こんな物も喰うのか!!」と驚く様なものまで食害された。正に、「乾燥貯蔵動植物質の世界的大害虫」なのである。

 更に始末が悪いのは、成虫はかなり厚いプラスティックの袋でも食い破り、卵を産むのである。メン類などは、相当シッカリした容器に入れておかないと、未開封でもやられてしまう。


ジンサンシバンムシ4


正面から見たジンサンシバンムシ.やや警戒中

この方向から見ると、触角先端3節は

単純な[細長い球桿状]でない

(写真クリックで拡大表示)

(2011/08/10)

 九州大学の日本産昆虫目録に拠ると、ジンサンシバンムシは1属1種だが、一見よく似た種に、やはりに世界的に分布する乾燥動植物質の大害虫であるタバコシバンムシがある。セスジシバンムシ亜科に属すので少し縁遠いが、体の外観はよく似ている。しかし、触角の先端3節が、ジンサンシバンでは写真の様に細長い球桿状であるが、タバコシバンでは鋸歯状なので容易に区別が付く。尤も、3mm程度の虫の触角を調べるのは一般的には一寸難しいかも?

 尚、ジンサンシバンムシの「ジンサン」とは朝鮮人参の人参(ginseng)のことである。私は朝鮮語を解しないので分からないが、ginsengの本当の発音はジンセンよりはジンサンに近いのかも知れない。北京官話の「eng」は、日本人にはエンよりはアンに近く感じられる。


ジンサンシバンムシ5


図鑑には「各上翅は11本の点刻を含んだ細条溝をもつ」

とあるが、勘定するとチャンと11本ある

(写真クリックで拡大表示)

(2011/08/10)

 今日はジンサンシバンムシの被害についてばかり書いて、形態的特徴の方は本文中には殆ど書かなかった。代わりに写真の下に形態学的な説明を少し入れて置いた。








最終更新日  2011.08.11 15:20:40
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2011.05.05
カテゴリ:昆虫(甲虫)


 東日本大震災から2ヶ月近く経った。我が家や我が身には何らの被害もなかったが、「新たな事象」が出来して、Weblogを書く時間的余裕が無くなってしまった。しかし、止めるつもりは無いし、写真もある程度は撮っているので、丁度、一区切り付いたところでもあり、ほぼ2ヶ月ぶりに更新をすることにした。



イタドリハムシ1


クリスマスローズの葉に留まるイタドリハムシ

体長は7.5mmとハムシとしては大きい

(写真クリックで拡大表示)

(2011/04/15)

 4月の中旬に撮ったイタドリハムシ(Gallerucida bifasciata)である。ハムシ科(Chrysomelidae)ヒゲナガハムシ亜科(Galerucinae)に属す。属名はGallerucidaで「l」が2文字だが、亜科名はGalerucinaeで1文字。何処でどうなったのかは知らないが、屹度、何か曰くがあるのだろう。

 ヒゲナガハムシ亜科はかなり大きな亜科で、日本産は約100種。我が家はハムシ科の虫が少ない(今日のイタドリハムシで漸く10種)のだが、この亜科のハムシはこれまでにウリハムシクロウリハムシウリハムシモドキヨツボシハムシを紹介している。今回で合計5種となり、我が家のハムシ科昆虫の1/2を占めることになる。


イタドリハムシ2


触角の大きなギザギザが印象的

前胸背左側に丸い凹みが見える

鞘翅以外は脚も含めて真っ黒

(写真クリックで拡大表示)

(2011/04/15)

 写真で示した個体の体長は約7.5mm、横幅もあるので、かなり大きなハムシと云う印象を与える。実際、ハムシ科の中では大型の方に属し、保育社の甲虫図鑑を観ると7.5~9.5mmとあるから、この個体はイタドリハムシとしては小さめと言える。

 因みに、最大級のハムシとしてはオオルリハムシが有名で、同図鑑に拠れば11~15mmとある。


イタドリハムシ3


正面から見たイタドリハムシ.ディフューザーを使わなかったので

ストロボの反射で些か見苦しい写真になっている

(写真クリックで拡大表示)

(2011/04/15)

 図鑑を見ると、触角が長く体全体が丸味を帯びて色は赤(橙)と黒、と云うハムシにはかなりの種類がある。しかし、こんなに大きくなるハムシはイタドリハムシだけらしい。

 鞘翅以外は総て真っ黒だが、翅の模様には変化が多いとのこと。しかし、翅端近くにある錨の様な形をした黒紋には変化が少ない様である(3つに分離することはある)。


イタドリハムシ4


イタドリハムシの顔.ハムシとしては比較的凶暴さを感じさせない

(写真クリックで拡大表示)

(2011/04/15)

 他の特徴としては、前胸背に2個1対の凹みがある。写真からは分かり難いが、2番目の写真の前胸背左側(写真では上側)に微かに丸い凹みが認められる。種名のbifasciataは<2つ凹み>ではなく<2つの帯>の意だが、fasciaには他の意味もあるので、このハムシの構造と如何なる関係にあるのかは良く分からない。

 図鑑には、「中・後脛節末端には顕著な1小突起を有する」と書いてある。しかし、今日の写真では何れも焦点を外れており、よく確認出来ない。


イタドリハムシ5


葉の先端に来たイタドリハムシ.飛んで逃げるかと

思ったが、その後も数時間同じ場所に居た

(写真クリックで拡大表示)

(2011/04/15)

 このイタドリハムシ、我が家ではクリスマスローズの葉に留まっていた。言う迄もないことだが、クリスマスローズが食草なのではない。食草は、名前にある通り、イタドリやスイバ等のタデ科植物とのこと。クリスマスローズは我が家に数10株生えているが、キンポウゲ科の毒草のせいか、この葉を食べる虫を見たことは一度もない(明確な食痕も見たことがない)。


イタドリハムシ6


オマケにもう1枚

(写真クリックで拡大表示)

(2011/04/15)

 前回以来、ほぼ2ヶ月ぶりの更新になってしまった。この次は何時になるか分からないが、気分転換に、時々は更新するつもりで居る。








最終更新日  2011.05.05 11:10:28
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2011.03.02
カテゴリ:昆虫(甲虫)


 先日、我が西洋長屋の入り口にある門を開けた時、その扉の下に何かサツキの枯葉の様なものが落ちているのに気がついた。しかし、良く見てみると、枯葉ではなく、コメツキムシであった。丁度、買物の帰りであったので、一先ず掌の中に確保し、荷物と一緒に室内に持ち帰った。



サビキコリ1


越冬から目覚めたサビキコリ.胸背に1対の突起がある

白く光っているのはストロボの反射による

(写真クリックで拡大表示)

(2011/02/26)

 体長は13mm強、良く見てみると、サビキコリ(Agrypnus binodulus)の様である。コメツキムシ科(Elateridae)は九州大学の日本産昆虫目録に拠ると651種も記録されている大きなグループだが、今日のコメツキムシの様な胸背や鞘翅に光沢がないのは、サビキコリ亜科(Pyrophorinae;九大目録ではPyrophotinaeとなっているが、これはmisspelling)サビキコリ族(Agrypnini)と思ってマズ間違いないので、検索は容易である。


サビキコリ2


サビキコリの腹面.前胸腹板に触角を収める溝がある

中胸後側板は中脚の基部に達している

(写真クリックで拡大表示)

(2011/02/26)

 サビキコリ族には、前胸腹板に触角を収める深い溝がある。上の写真で、眼の下から後方に伸びている黒~赤の凹みがそれである。サビキコリ族から属への検索表を辿ると、「中胸後側板は中基節溝に達する→4mm以上→小楯板は単純で隆起線を欠く」で、サビキコリ属(Agrypnus)に落ちる。

 サビキコリ属は、九大目録を見ると33種も載っているが、その多くは南方系で、東京都本土部昆虫目録を見ると6種しか記録されていない。この6種の内、ハマベオオヒメサビキコリを除いた5種は保育社の甲虫図鑑に記載があり、体長が10mmを越えるのは、サビキコリ、ムナビロサビキコリ、ホソサビキコリの3種だけである。


サビキコリ3


横から見たサビキコリ.眼は大きいが半分以上隠れている

(写真クリックで拡大表示)

(2011/02/26)

 この3種の区別は外見から容易で、サビキコリは全体にゴツく、学名の種名(binodulus)に示される様に、胸背に突起状の隆起が2個(1対)ある。これに対し、ホソサビキコリは全体的に細長く胸背は平滑、ムナビロでは胸背が僅かに隆起するが、サビキコリとは異なり前胸背板は前方にかなり拡がる。

 これらから、今日のコメツキムシはサビキコリであるとして問題無いであろう。また、サビキコリは成虫越冬することが知られており、今頃出現しても些かもおかしくない。


サビキコリ4


前から見ても中胸背の突起が明らか

(写真クリックで拡大表示)

(2011/02/26)

 尚、ハマベオオヒメサビキコリに付いては良く分からないが、京都府のレッドデータブックに「要注目種」として載っており、「体長7.5~12.5mm.扁平幅広、黒褐色で触角と脚部は多少とも赤褐色で、前胸背後角又は全身が希に赤褐色の個体もある.ヒメサビキコリ( A. scrofa(Candeze))に体長・体色・外形共に良く似ているが、下翅が常に退化縮小している」、「主として外洋性海浜地区に生息し、分布も局所的である」、「これまでの記録では4~8月に亘って採集されている」とのことなので、今日のコメツキムシである可能性はないであろう。


サビキコリ5


斜めから見たサビキコリ.小楯板に隆起線はない

(写真クリックで拡大表示)

(2011/02/26)

 このコメツキムシ君、玄関のスレートの上に居たのだが、スレートではストロボの反射があるので撮影は無理、何処で撮影したらよいものか? 土の上に移して少し撮ってみたが、土の上では横からや前から撮る時にかなり無理な姿勢を強いられる。其処で、径10cm位の石の上に載せて撮影することにした。

 コメツキムシだから仰向けにしておくとやがてモソモソ動き出し、パチンと撥ね跳ぶ。しかし、普通に腹ばいにして置いたら、何時まで経っても動き出さない。所謂「死んだ真似」の様だが、表では寒いのかも知れない。そこで石ごと暖かい部屋の中に入れて撮ることにした。


サビキコリ6


頭部を超接写.表面が茶色っぽく見えるのは土が付いているからではなく

褐色をした鱗片で覆われている為であることが分かる

複眼は胸部からの黄色い毛で被われている

(写真クリックで拡大表示)

(2011/02/26)

 待つこと暫し、やがて脚を伸ばし始めたので、急いで撮影したのが今日の写真。最後の頭部の写真を撮った後は、コソコソと歩き始めた。結構速い。径10cmの石では直ぐに縁に達して、下に降りてしまう。冷蔵庫で冷やして動きを止める手もあるが、既に一通り写真を撮った後なので、撮影は終わりにして、庭に逃がしてやることにした。土の上に置いたら、もう「死んだ真似」はせず、極く普通に歩いて行った。








最終更新日  2011.03.02 14:04:10
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2011.01.08
カテゴリ:昆虫(甲虫)


 1月も既に8日、しめ飾りも外して、もう正月気分は終わった。元旦か今日まで毎日殆ど晴天であったが、我が家の庭は虫の気配極めて乏しく、新年に撮った虫の写真を新年の第1回目に掲載することは出来そうにない。・・・と云うことで、今年の第1回目は、仕方なく、旧年中に撮った小甲虫を紹介することにした。

 ベランダに置いてある椅子の直ぐ近くに、水遣りとタバコの火消し用を兼ねて、満々と水を湛えたバケツが置いてある。その水面に体長1cm程のゴミムシの様な虫が浮いていた。まだ、落ちたばかりらしく盛んに蠢いている。ゴミムシの仲間は矢鱈に種類が多く、しかも、写真からは判別の困難な種類が多い。実は、その前にもあるゴミムシをシッカリ撮ったのだが、未だに名前が分からずお蔵入りになっている。そんな訳で、撮る気はしないのだが、死んでは可哀想なので、一応、掬い上げてデュランタの鉢の上に移してやった。



ヒゲブトハムシダマシ1


ヒゲブトハムシダマシ.かつてはヒゲブトゴミムシダマシと呼ばれていた

(写真クリックで拡大表示)

(2010/12/28)

 土の上をヨタヨタ歩く虫を良く見てみると、ゴミムシの類ではなく、ヒゲブトハムシダマシ(Luprops orientalis)であった。

 此の虫は、以前、もう一つのWeblogの方に掲載したことがあるので、直ぐにそれと分かったのである。ゴミムシの様に大顎が発達して居らず、また、小腮鬚はある種のテントウムシの様な斧型をしている。「ヒゲブト」と名前にある通り、触角が太い。

 同じハムシダマシ科(Lagriidae)に属す何も形容の付かない只のハムシダマシは、ずっと以前に紹介済みだが、この種は全身毛むくじゃらで細長く、今日のヒゲブトとは大分趣が異なる。図鑑の写真と九州大学の目録を対照すると、ハムシダマシの様な細長いのはハムシダマシ亜科、ヒゲブトハムシダマシの様なズングリ型はチビヒサゴゴミムシダマシ亜科(Adeliinae)に属す様である。


ヒゲブトハムシダマシ2


大顎は未発達で、小腮鬚はある種のテントウムシに似て斧型

(写真クリックで拡大表示)

(2010/12/28)

 ハムシダマシ科なのにチビヒサゴゴミムシダマシ亜科と云うのは奇妙な話である。これは、この亜科がかつてはゴミムシダマシ科に属していたことに因り、このヒゲブトハムシダマシも以前はヒゲブトゴミムシダマシと呼ばれていたのである。

 今はハムシダマシ科になったのだから、亜科名もチビヒサゴハムシダマシ亜科と改名すべきなのであろう。しかし、九州大学の目録ではハムシダマシ科のチビヒサゴゴミムシダマシ亜科とされているせいか、何処のサイトも「チビヒサゴゴミムシダマシ亜科」としており、「チビヒサゴハムシダマシ亜科」で検索しても有意なヒットは一つも無い。

 九大目録では、同亜科に属す種の和名も全て○○○ゴミムシダマシ(このヒゲブトハムシダマシもヒゲブトゴミムシダマシ)となっている。科や亜科の変更に伴う和名の混乱は屡々見られることだが、一般の誤解を生じ易いので、速やかに和名を統一して頂きたいものである(研究者は日常的に学名を使用しているので、和名には余り興味がなく、それがこう云う事態を招く)。








最終更新日  2011.01.08 12:05:26
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2010.05.26
カテゴリ:昆虫(甲虫)


 1週間ほど前のことになるが、見慣れないハムシが庭に逗留していた。クロウリハムシよりも二回り位小さく、チョコマカと良く歩き回る。その上、かなり敏感なので、中々写真を撮る機会がない。

 それでも、先日、何とか撮れた。しかし、出来映えは余り芳しくない。些か不本意な品質なのだが、もう何処かへ行ってしまったのか最近は見かけないし、我が家の庭ではハムシの記録が少ないので、敢えて掲載することにした。



ヨツボシハムシ1


ヨツボシハムシ.体長は5mm強

前胸背に1横溝が認められる

チョコマカと良く歩き回る

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/22)

 頭部胸部は赤褐色、鞘翅は白地に黒斑が4つと非常に特徴的なので、今回は検索表は用いずに、いきなり保育社の甲虫図鑑で絵合わせをしてみた。・・・ところが、どうした訳か見付からない。これは何としたことか。ヒョッとすると、最近我国に入って来た外来種?

 結局、検索表を引くことになってしまった。概略を書くと、頭部は正常、口器は頭部の先端に位置する→触角の基部は相互に近く位置し、頭部の前半部に位置する→後肢腿節は一般に肥大しない、と云うことでヒゲナガハムシ亜科(Galerucinae)に落ちた。

 しかし、ヒゲナガハムシ亜科は甲虫図鑑に77種(九大目録では95種)も載っているにも拘わらず、族や属への検索表はない。結局、また絵合わせに戻ることになる。


ヨツボシハムシ2


前胸背板の前・後縁は縁取りを欠く

中・後胸は黒色、腹部は黄褐色

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/22)

 普通の図鑑の図版は標本を撮影したものである。標本は変色することが多い。これは図鑑の図版を見るときに注意しなければならないことの一つで、白は往々にして黄色になる。そこで、淡い色の違いは無視して、背中に4紋黒斑のあるハムシをヒゲナガハムシ亜科の中で探してみた。

 直ぐにヨツボシハムシが見付かった。写真では白い鞘翅の地色が、図版では頭部胸部と余り違わない黄褐色になっている。しかも、頭部胸部が下側に曲がっているのか、相当な猪首である。見かけはかなり異なる。本当にヨツボシハムシであろうか。


ヨツボシハムシ3


鞘翅は焦点を外れているが、まァ、ご愛敬と云うことで・・・

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/22)

 そこで画像を探してみた。ヨツボシハムシはかなり普通種らしく、写真は沢山あった。何れも今日の写真の虫とソックリである。しかし、Web上の情報は、以前掲載した「”ニセ”アシナガキンバエ」の様に、時として殆ど全部が誤っている場合もある。其処で、もう一度図鑑に戻って記載を読んでみた。「5.0-5.7mm.頭部・前胸腹面・腹部は黄褐色.中・後胸は黒色・個体によっては、上翅の黒紋は相接する.前胸背板は1横溝を有し、前・後縁は縁取りを欠く.(中略)中・後肢脛節末端に1小突起を有し(後略)」とある。前胸背板の1横溝は1番目や4番目の写真で明らかである。また、4番目の写真原画を拡大すると、脛節末端の小突起が辛うじて見える。

 図鑑に載っていない種の可能性も論理的にはある。しかし、まァ、甲虫図鑑に載っていない様な珍種はこの辺りに居ないだろうから、ヨツボシハムシ(Paridea quadriplagiata)として問題ないであろう。


ヨツボシハムシ4


原画を拡大すると中肢脛節末端に1小突起が見える

前胸背に1横溝が認められる

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/22)

 日本産ハムシ科(Chrysomelidae)には16亜科700種以上が棲息するが、これまでに紹介したのは、ヒゲナガハムシ亜科(ウリハムシクロウリハムシウリハムシモドキ)、ノミハムシ亜科(ルリマルノミハムシテントウノミハムシの1種)、クビボソハムシ亜科(キバラルリクビボソハムシキベリクビボソハムシアカクビボソハムシ)に今日のヨツボシハムシを入れて、3亜科9種、全体の僅か1.3%に過ぎない。しかし、我が家のカミキリムシ科はもっと少ない。日本産約900種の内、これまで紹介したのはタケトラカミキリルリカミキリキクスイカミキリの3種で、全体のたった0.3%!!

 ハムシもカミキリムシも植食性である。種類数が少ないのは、そのまま我が家の植物相が貧弱であることを示しているのだろう。今の家を売り払って、自然の豊かな田舎に引っ越せば、もっと色々な虫を紹介できるのだが・・・。








最終更新日  2010.05.26 10:04:09
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2010.05.21
カテゴリ:昆虫(甲虫)


 もう5月も下旬に入ってしまった。連休中に撮影してまだ紹介していない虫が何種か有るので、時期遅れにならない様に急いで掲載することにしたい。

 アカクビボソハムシ(Lema diversa)、ハムシ科(Chrysomelidae)クビボソハムシ亜科(Criocerinae)に属す、体長6mm程度(図鑑では5.5~6.2mm)の中型のハムシである。



アカクビボソハムシ1


アカクビボソハムシ.体長は6mm程度

「首」(前胸)は明確に括れる

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/02)

 このハムシ、今まで我が家で見たことがない。しかし、今年は4月からチョクチョク出没していた。かなり敏感なハムシで、何時も近づくだけで逃げられてしまい、中々写真が撮れない。今日の写真も、正面からの撮影したものを除いて、非常に不安定な姿勢で撮影したので、焦点が少しずれていたりするのだが、まァ、御勘弁願いたい。


アカクビボソハムシ2


横から見たアカクビボソハムシ.少し後ピンだが御勘弁を

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/02)

 この様な「首」(前胸)が細く、全体的にも細長いハムシは、先ずネクイハムシ亜科かクビボソハムシ亜科に属すと思って良い(他亜科にも多少あるが・・・)。前者は後者よりも触角の基部が接近しており、触角は糸状で細長い。また、後者では前胸背板が中央部で明確に括れる。


アカクビボソハムシ3


複眼の基部が隆起している

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/02)

 アカクビボソハムシは鞘翅斑紋の変異が極端なハムシで、真っ黒に近い個体から、黒斑を全く欠くものまである。Webを参照すると、カワリクビボソハムシと云う和名もある様だが、「カワリ」は「変わり」で、斑紋の変化が多いことから来ているのかも知れない。

 しかし、頭部や胸部の色に変異はない。また、脚は全て黒色である。


アカクビボソハムシ4


正面から見たアカクビボソハムシ

クビボソハムシらしい険悪な顔

(写真クリックで拡大表示)

(2010/04/25)

 保育社の甲虫図鑑に拠れば、食草はツユクサとのこと。我が家にはツユクサが沢山生えているので、それを目当てにやって来た可能性が大である。

 クビボソハムシ亜科の昆虫は、一部を除いて、単子葉植物を食草とする。以前紹介した、キバラルリクビボソハムシも寄主はツユクサであった。ツユクサを食草とするクビボソハムシには、他にも数種ある。何故、こうもツユクサに集中するのか些か不可思議ではある。


アカクビボソハムシ5


オマケにもう1枚

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(2010/05/02)

 最近は漸く暖かくなって来た。植物もその成長速度を急に増した様に見える。庭を飛び交う虫の数もかなり増えてきた。やっと人の住む環境になったと、ご満悦の今日この頃である。








最終更新日  2010.05.21 10:15:01
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2010.05.18
カテゴリ:昆虫(甲虫)


 一昨日、ベランダの椅子で一服していると、何か覚束ない飛び方をする5mm位の黒い虫が目の前にやって来た。殆ど空中を漂っている、と云う感じである。何時もの癖でつい左手が出て、隣の人の財布・・・ではなく、虫を捕まえてしまった。

 何と、コガネムシの1種であった。恐らくハナムグリの類であろうが、見たこともない小ささ!! 最近は新顔の虫がよく現れる。これは大変結構なことである。



ヒラタハナムグリ1


掌で捕まえたヒラタハナムグリ.体長5mm程度と小さい

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/16)

 さて、撮影を終わってデータをコムピュータに移そうとしたら、アリャ、知らない間に記録形式がjpg形式のBasic size(2896×1944)に変更されている。バッテリーを交換した時に何か妙なことが起こったのだろうか? 何時もはRaw形式(3872×2592)だから、画面の大きさが約1/2になってしまった。

 ・・・と云う訳で、今日の写真が画質が良くないが(最大幅750ピクセル)、何卒御寛恕被下度候。


ヒラタハナムグリ2


小さくてもコガネムシはゴツゴツしていてカッコイイ

鞘翅の上側は名前の通り真っ平ら

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/16)

 保育社の甲虫図鑑で調べると、どうやらヒラタハナムグリ(Nipponovalgus angusticollis)らしい。コガネムシ科(Scarabaeidae)ヒラタハナムグリ亜科(Valginae)に属す。体長4~7mm、発生は4~8月、殆ど日本全土に分布するが、トカラ列島には別亜種を産するとのこと。

 胸背、鞘翅、腹部の上側、或いは、写真の解像力が低くて良く見えないが、脚にも、爬虫類の様な鱗片がある。Raw形式で保存していれば、その部分だけ拡大出来たのだが、残念至極。


ヒラタハナムグリ3


正面から見ると平らなことが良く分かる

一見眼の様に見えるのは触角

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/16)

 名前の「ヒラタ」は、鞘翅の上側が平らなことから来ているらしい。写真を見ると、確かに「平ら」である。

 図鑑の解説には、前胸背板の2縦隆条は前半のみ顕著でわずかに湾曲、と書いてある。背面と正面からの2枚の写真を頭の中で合成すると、あまり明瞭ではないが、それらしきものが認められる。

 また、前脛節の外歯は5~7とある。下の写真では6本認められるから、この点でも問題ない。


ヒラタハナムグリ4


前脛節の外歯は6本認められる

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/16)

 このハナムグリ、所謂死んだ真似をする。実際はショックで気絶するのだそうだが、下はその最中の写真。ユスリカやチャタテムシ等は、手で捕まえた時に指に挟まれて潰れてしまうことが多いが、甲虫は頑丈な外骨格を持つからその程度は屁のカッパ、全く問題ない。だから死ぬことなど考えられない。

 今日は残念ながら、真横から撮った写真がない。と云うのは、このハナムグリ、撮影中にいきなり飛んで逃げてしまったからである。普通のコガネムシやカブトムシは、先ずおもむろに?鞘翅を拡げてから、後翅を延ばして飛ぶ。しかし、ハナムグリ類は鞘翅を殆ど畳んだまま後翅を延ばして飛ぶことが出来る。だから、一瞬の内に逃げられてしまうのである。


ヒラタハナムグリ5


「死んだ真似」を演じているヒラタハナムグリ

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/16)

 これまで紹介した「庭を漂う微小な羽虫」には、今日のヒラタハナムグリの他にも、「ハネカクシの1種」、「デオケシキスイ亜科の1種」等、結構甲虫が多い。勿論、数の上から云えば、アブラムシの有翅虫やコナジラミ、ユスリカなどが多いのだが、これらは浮遊しているところを捕まえても種類が分かる可能性が殆ど無いので無視されているのである。

 実は、前から知っていたのだが、野村周平他:「皇居における空中浮遊性甲虫の多様性と動態-2004年度地上FITによる調査」(2006)と云う論文がある。FITとは「Flight Intercept Trap」の略で、垂直に設置したシートの下に固定液のトレイを置いたものである。シートに衝突した虫が固定液に落ちて其処に溜まる仕掛けである。これの論文に拠ると、何と、総計63科、393種もの「空中浮遊性甲虫」が皇居で記録されている。

 このWeblogで言うところの「浮遊」とは、普通の移動の為の飛翔ではなく、何らかの目的があってゆっくり飛んでいる、空中を漂っている状態を指している。この装置では「浮遊」ではなく「飛翔」している甲虫も捕まってしまう筈だから、此処で言う「庭を漂う微小な羽虫」には入らない種類が沢山入っていると思う。それにしても393種とは大変な数である。一番多いのはハネカクシ科で76種、次がゾウムシ科52種・・・、「庭を漂う微小な羽虫」シリーズをやっていれば、ネタ不足に陥る心配は無用かも知れない。








最終更新日  2010.05.18 10:04:18
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2010.05.13
カテゴリ:昆虫(甲虫)


 「楽天ブログ」のアクセス記録は極く簡単なものだが、もう一つのWeblogをやっているココログでは、実に様々なアクセス情報を得ることが出来る。例えば、閲覧者がどの様なキーワードで検索して来たかが分かるし、その統計も様々に表示出来る。

 此処1週間、或いは、1ヶ月間で、昆虫の種名として最も頻度の高い検索ワードを調べてみると、何と、今日の主人公キクスイカミキリ(Phytoecia rufiventris)であった。今は、キクスイカミキリの季節なのである。



キクスイカミキリ1


キクスイカミキリ.体長9mmと小型

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/09)

 体長は9mm(図鑑では6~9mm)のかなり小さいカミキリムシである。ほぼ毎年今頃、我が家の庭に出没するのだが、結構敏感な虫で直ぐ逃げるし、留まるのは葉っぱの裏側であったりして、今までチャンとした写真が撮れなかった。今回は産卵で疲労困憊していたのか、逃げもせず、充分に撮ることが出来た。


キクスイカミキリ2


横から見ると、腹部の先半分位は橙色

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/09)

 上から見ると全体に黒っぽく、胸部背面や腿節(特に前肢)に赤い斑がある。図鑑に拠れば、これらの色彩には変化が多いとのこと。鞘翅は少し白っぽく見えるが、これは白い毛が密生している為で、下地は黒い。横から見ると、腹部の先半分位は、やや淡い橙色をしている。


キクスイカミキリ3


正面から見たキクスイカミキリ.触角第1節が太い

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/09)

 キクスイカミキリは、カミキリムシ科(Cerambycidae)フトカミキリ亜科(Lamiinae)トホシカミキリ族(Saperdini)に属す。このトホシカミキリ族は大きな族で、九州大学の日本産昆虫目録をみると70種もある。体長20mm以下(多くは10mm前後)の細めの小さなカミキリムシで、ハンノアオカミキリの様な緑色の金属光沢を持つ種も多いが、リンゴカミキリやこのキクスイカミキリに似た比較的地味な種類も多い。


キクスイカミキリ4


前の写真の部分拡大.カミキリムシらしく大顎が頑丈そう

(写真クリックで拡大表示)

(2010/05/09)

 以前紹介した、やはり小型のルリカミキリは、族は異なるが亜科までは同じである。ルリカミキリでは複眼が上下に分かれていたので、このキクスイカミキリではどうだか見てみた。下の写真でお分かりの様に、触角の基部をグルリと取り巻いていてはいるが、分離はしていなかった。


キクスイカミキリ5


複眼は触角の根元をグルリと取り巻いている

(写真クリックでピクセル等倍)

(2010/05/10)

 何故、このカミキリがほぼ毎年我が家の庭に現れるとと言うと、それは菊が植えてあるからである。キクスイカミキリは、菊の大害虫なのである。菊の園芸種(在来品種)や野草ではヨモギがよくやられているが、今回は「北米原産シオンの1種(紫花)」(通称友禅菊)に来ていた。害虫としてのキクスイカミキリは、また別に紹介しよう。








最終更新日  2011.05.04 17:40:48
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