アダンソンハエトリ(雌)
今日は、またハナアブの1種を掲載しようと思って原稿を書いていた。しかし、よく考えてみると、それではハナアブ科が3回も続いてしまうことになる。其処で、急遽主人公をハエトリグモに変更することにした。 当Weblogの表題は「我が家の庭の生き物たち」である。従って、家の中に居る生き物はその対象にならない。しかし、こうネタが少なくなってくると、(私自身を除いた)家の中の生き物も紹介しないと間が持たなくなって来る。ブルーベリーの葉上で大人しくしているアダンソンハエトリの雌最初は台所の流しのゴミ受け付近で溺れかけていた(写真クリックで拡大表示)(2010/11/02) このハエトリグモ、台所の流しにあるゴミ受け網の辺りでウロウロしていたのを見つけた。幸い、洗剤を使っていなかったので窒息死することはなかったが(洗剤=界面活性剤の入った水が体に付くと、水が気管や書肺の中に入り込んで虫やクモは窒息死する)、かなり弱っていた。 屋内で生活するアダンソンハエトリだと思って手で掬って良く見ると、頭胸部や腹部にあるはずの白い半月形の紋が無い。全体の色も黒ではなく茶色である。一体、何ハエトリ? 庭に居るクモや虫が服に付いて部屋の中に入ってくることは良くあることである。取り敢えず、陽の当たる、ベランダからの入り口に置いてある足拭きマットの上に逃がしてやった。真横から撮ったアダンソンハエトリの雌一番良く見えるのは後側眼(写真クリックで拡大表示)(2010/11/02) 良く見てみると、腹背に2本の筋がある。これは、本来屋内に生息していたが、最近はアダンソンに負けて屋外生活を強いられているミスジハエトリではないのか? 暫くすると、大分元気になってきた。其処で、ブルーベリーの葉に載せて写真を撮った。ハエトリグモの魅力は何と言っても双眼鏡の様な前中眼屋内に生息するせいか、他のハエトリグモよりも大きい(写真クリックで拡大表示)(2010/11/02) しかし、写真をコムピュータで拡大してみると、ミスジハエトリではない。ミスジハエトリの腹部の紋は一直線で他に紋はないが、このハエトリの紋はかなり曲がっているし、腹部にかなり細い縦筋が沢山ある。これ一体何者?? 調べてみると、直ぐに分かった。何てことはない、アダンソンハエトリ(Hasarius adansoni)の雌であった。アダンソンハエトリは屋内生活者、即ち、「家の中」の生き物である。同じ様な写真をもう1枚(写真クリックで拡大表示)(2010/11/02) しかし、我が家の屋内で見るアダンソンは黒地に白い筋のある個体(雄)ばかりである。かなり小さい個体でも模様は同じ。ヒョッとして幼体は雄に似ているのかと思って調べてみたが、そんなことはない。幼体は雌に近い配色をしている(かつて掲載していた)。 かなり以前から眼が悪くなっている(比較の問題で老眼ではあるが視力1.5はある.昔は2.0をかなり上回る時もあった)ので、今まで気が付かなかったとしか思えない。ヤレヤレと落ち込むこと暫し。斜め前方から撮るのを忘れてしまった.斜め上からで御勘弁を(写真クリックで拡大表示)(2010/11/02) ・・・と云う訳で、今回は「家の中」に居たアダンソンを無理矢理庭に出して撮影したことになってしまった。1種の「ヤラセ」だが、アダンソンは暖かい時期には屋外でも普通に見られるので、そう気にする必要もないかも知れない。 家の中には、庭に居るのとは別の虫達が居る。我が家の中は常に乾燥させているので虫は多くないが、多少は居る。その多くは「害虫」である。このアダンソンハエトリの雌を機会に、今後は家の中の「害虫」も紹介して行こうと思う(「ゴキ」は居ないので御安心を!!)。